シン映画日記『ダークグラス』
MOVIX三郷にてダリオ・アルジェント監督・脚本最新作『ダークグラス』を見てきた。
『サスペリア』や『フェノミナン』、『デモンズ』等で知られるイタリアン・ホラー映画界の巨匠ダリオ・アルジェント監督の新作。
設定、ゴア描写、音楽からグダグダな展開まで、ダリオ・アルジェントらしい、愛すべきB級ホラー映画に仕上がっている。
イタリアのローマで娼婦ばかり襲われる連続殺人事件が発生する中で、娼婦のディアナもある夜、ストーカーらしき男性に追い回された挙げ句交通事故に遭い、一命をとりとめるが失明してしまう。
しばらくして、歩けるようになったディアナは先の交通事故で両親を亡くし、孤児施設に身を寄せる中国系のチンを訪ね、最初は冷たくあしらわれるが施設内で虐められるチンをディアナが助けた事がきっかけで、チンは施設を抜け出してディアナの元へ行き、行動を共にすることに。
ローマの娼婦たちの風景に突如の事故で「盲目の娼婦」を見る映画になり、そこに中国系の少年チンが加わることで娼婦と少年の凸凹コンビの生活とある事情から警察や謎の連続殺人犯に追われるサスペンス、スリラーの展開に。
中盤の逃げ中心のサスペンス、スリラー、アドベンチャー的な展開になる中で、大事な盲導犬やサングラスを無くしたり、ディアナの目の役割を果たすチンと離れ離れになったり、もっと早くからわかりそうな犯人の特徴があってからの意外性が薄い犯人が出てきたり、
展開はかなりの行き当たりばったり感がある。
途中、水辺をずぶ濡れになりながら進みながら水蛇の大群にわちゃわちゃと悪戦苦闘したり、
謎の廃墟にたどり着いたかと思いきや大したことが起こらなかったり、かなりグダグダな展開ではあるが、ある意味そういうポンコツさを楽しむ映画でもある。
それをかつてのゴブリンのような不気味なBGMや、
やり過ぎなゴア描写など、ダリオ・アルジェントらしさでなんとか切り抜け、
終わってみればそこそこなスリラー映画に仕上がっている。