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読書感想文 [Book Report]

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夜と霧を読んで

夜と霧を読んで

絶望に打ちひしがれて暗闇が永遠と続くような、

不気味な霧が自分を包み込み命を吸い取っていくような、

そんな悪夢のような日々を強制収容所で体験した医師フランクルによる精神的観点から考察本。

この本では普遍的な愛や人間のエゴ、生きる意味を彼なりに解釈している。

今回は大事なことを忘れないためにもここに書き記していこうと思う。

正義と不義について

まず驚いたのが*親衛隊の中にも比較的温厚な者

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「告白」湊かなえを読み終えた大学生

「告白」湊かなえを読み終えた大学生

何行目か読み始めて何の話か分からないけどただならぬ不穏な空気があった。

第一章目で物語の山を越えた。

息が上がり、不思議な気持ちになった。

まだ150ページもあるのにある担任によって、

とある事故の真相が告白された。

僕は困惑した。

それもそのはず物語の主人公と思われる担任が辞職し去っていった。

皮肉な置き土産を残して…

読み始めて2日目読書習慣もないこの僕が約270ページの本を読

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友達幻想を読み終えた18歳の感想

友達幻想を読み終えた18歳の感想

ぼーっと物思いにふけっていると誰が親友でだれが友達なのかわからなくなってしまいに孤独感が襲ってくる。

その場の息継ぎ程度の関係に疑問を抱き、勝手に選別されていく学生序列にも嫌気がさしていた。

俗にいう青春コメディーみたいな友情関係はどこだろうと探し続けた18年間。

そんな理想を崩壊させた言葉がある。

「自分以外の全員は他者である」

当たり前の言葉でありながら信じ難い真実でもあった。

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お金の付き合い方

お金の付き合い方

大学一回生。

なんてこともなく迎えた夏休みに預金通帳にはインクが継ぎ足される。

度重なる出費に自ずと内向的になる自分に嫌気がさし、

図書館に駆け込んだ。

本はどんな時も助けてくれる人生の教科書だと心底思う。

困ったとき、あてもなく絶望し泣きじゃくる暇があるなら、

共感を求めSNSに悲観的な文章をつぶやくより、

本を開いてみてほしい。

前置きはこれくらいにして今回紹介するのは

出口

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お引越し

お引越し

付き合って何となく二年たって

なんとなく同棲して、今私は出ていく準備をしている。

私たちはもう大人になって好きなだけでは一緒にいられなくなった。

昔はなかった喧嘩も、最近は日常茶飯事でいつも私が泣いていた。

見かねた彼はいつも軽く抱き寄せて喧嘩はそこで終わり。

定番の夜ドラ夫婦みたいな始末。

ふと段ボールの上に張られたシールでハッとする。

ああ、取扱注意のコワレモノは私なんだろうな。

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