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多様性でいい年越しそば なぜ、年越しそばを食べるのか?後編

みなさんは、年越しそばを食べますか?

 年末で食べられる年越しそば。前編では、なぜ、年越しそばが食べられるようになったのか、掘り下げました。詳しくは、こちらをご覧ください。

年越しそばも多様性があっていいのではないか?

 年越しそばといえば、かけそば、もりそば、ざるそばが思い浮かびます。トッピングには、海老天。エビは曲がった姿と長いヒゲをもつことから、長寿をイメージさせられる縁起のよい食べ物。腰を火を通すと、紅白の模様が浮かぶため、おめでたい意味も込められています。

全国各地の年越しそば

にしんそば(北海道、京都府)

 江戸時代から明治時代にかけて北海道では、大量に獲れたニシンを干して、「身欠きニシン」に加工しました。その後、当時の日本海側の輸送船である北前船で京都に運ばれました。内陸にある京都市では、当時、サバと同等にニシンも貴重なたんぱく源になりました。そんな身欠きニシンを使ったそば。明治時代に京都で誕生。北海道でも北前船の拠点港の一つである、小樽では、新聞に、地元の小樽新聞にニシンそばなどニシン料理のレシピが書かれており、一般庶民にもニシンそばを食べる文化が広まりました。
 甘辛く煮込んだニシンをのせた温かいそば。ニシンは骨まで柔らかく、北海道では、関東風の濃口しょうゆを使った甘めのつゆ、京都では、関西風の薄口しょうゆを使った淡いつゆという違いはあります。

わんこそば(岩手県)

 長野県の戸隠そば、島根県の出雲そばと並ぶ日本三大そばの一つ。わんこそばは、一口大に分けられたそばをお椀にて盛ります。大食いのイメージが持たれます。しかし、本来はおもてなし料理。岩手県では、古来、年齢と
同じ数のお椀のそばを食べる文化がありました。節分で歳の数だけ食べる豆と同じシステム。若い人にとっては物足りない一方、お年寄りにとってはつらいかもしれません。

そば処 義家 わんこそば 一重 1550円

そば処 義家
営業時間 10:30〜15:30
定休日  不定休
アクセス JR平泉駅から徒歩25分

越前おろしそば(福井県)

 薬味にたっぷりの辛味大根をのせた冷たい盛り蕎麦。石臼でひいたそば粉で打つそば。削りたてのかつお節。香り高いそば、かつお節とピリッとくる大根おろしの相性バッチリです。

あみだそば 福の井 越前おろしそば 950円(並)
たっぷり大根おろしの入ったつゆにつけていただくスタイル

あみだそば 福の井
営業時間 11:00~19:00
定休日  火曜日、(イベント出店時不定休)
アクセス JR富士宮駅から徒歩5分

釜揚げそば(島根県)

 出雲そばの特徴は、割子と呼ばれる丸く小さな漆器に、三段に分かれたそばと、大根おろし、天かすなどの様々なトッピング。温かい割子そばが、釜揚げそば。固めにゆでたそばをゆで汁ごと器に入れ、大根おろし、かつお節など薬味、つゆを入れて食べます。

ソーキそば(沖縄県)

沖縄ではソーキそばを年越しそばとして食べます。1970年代の本土復帰時に、ソーキをのせたソーキそばが誕生。それ以来、沖縄そばの上にさまざまなトッピングをするようになったと言われています。豚とかつおの合わせだしで、さっぱりしており、ソーキは柔らかく、甘辛い味がよく染みています。

提案したい年越しそばの多様性

 多様性のある社会、多様性を尊重を目指す社会。そんな現代、年越しそばも多様性があっていいと思います。

富士宮やきそば(静岡県富士宮市)

 戦後直後、静岡県東部の富士宮市で食糧難の時代に米で作るビーフンの開発途中に誕生。山梨県から訪れた人々が持って帰れるように保存性も高めた工夫が施されています。やや太めでコシの強い蒸し麺、旨味たっぷりな肉かす、食感と甘味のあるキャベツ、味の決め手のソースを炒め合わせてイワシの削り粉、紅ショウガをトッピングした料理。コシのある焼きそば、削り粉により旨味が増強されます。

虹屋ミミ 焼きそば 550円

虹屋ミミ
営業時間 11:00~19:00
定休日  火曜日、(イベント出店時不定休)
アクセス JR富士宮駅から徒歩5分

別府冷麺(大分県別府市)

 戦後、旧満州から別府に引き揚げた人々が朝鮮半島の冷麺を日本人向けにアレンジしてできた料理。麺にそば粉を使用しているため、うっすら黒く太い麺。でん粉、小麦粉をブレンドすることにより、のどごしのあるコシの強い麺になります。スープは和風だしと牛のだしを合わせています。透き通ったさっぱり味。トッピングは、牛すね肉で作ったチャーシュー、キムチ、茹でたまごとシンプル。キムチの酸味が味のアクセントになります。

手のべ冷麺専門店 六盛 松原本店 冷麺並盛890円

手のべ冷麺専門店 六盛 松原本店
営業時間 11:30~14:00、18:00~20:00
定休日  水曜日
アクセス JR別府駅から徒歩15分

ホッケンミー(マレーシア)

  東南アジア南部にあるマレーシアで出会ったやきそば。漢字で書くと「福建麺」と書くように、中国南東部の福建省から伝わった料理。見た目から塩辛そうに見えますが、まろやか。ラードをたっぷり使い、オイスターソースをベースとしたタレで麺、具材を炒めます。麺は、小麦粉でできた中太麺。具材は、もやし、豚肉など。焼うどん、焼きそばのソースを減らしてオイスターソースを多めに使用することによって再現できます。

クアラルンプール郊外の露天で食べたホッケンミー

 年越しそばといえば、盛りそば、かけそばとともに、天ぷらのイメージがありましたが、多様性を重んじる今の時代、年越しそばにも多様性があってもいいと思います。
 みなさんの住んでいる地域、ふるさとでは、どのような年越しそばを食べますか?コメントで教えていただけると、新たな知見になるのでうれしいです。

まとめ

 全国各地で個性的な年越しそばが存在。北海道、京都府ではにしんそば、沖縄県では、ソーキそばなど。
 年越しそばは、多様性があってもいい。静岡県の富士宮やきそば、大分県の別府冷麺、マレーシアのホッケンミーを今回は紹介。

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参考文献

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