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これが宮崎駿の世界 〜「君たちはどう生きるか」感想文〜
例によって遅ればせながら「君たちはどう生きるか」を観た。熊本局の隣にはシネコンがあって便利。
難解とか言う声もあったけど、僕にはシンプルに面白かった。理解できない?そうかな。むしろ理解しなくていいから楽、みたいな感じ。
わかった事がある。それは、宮崎駿の頭の中にはああいう化け物や異界への扉が「存在する」ということ。
モノノケ姫や千と千尋とかの物語の為に、異世界や化け物を生み出したのではなく、
「アダマン号」の乗り方
ベルリン国際映画祭で最高賞をとった映画「アダマン号に乗って」
今週、NHKのニュース「ゆう5時」で企画を作りました。来週月曜までNHKプラスで見られるからぜひ。
(下のリンクで、企画の冒頭から見られます)
企画を作るくらいだから、もちろん多くの人に見てほしいんだけど、この映画はちょっと変わった映画。ドキュメンタリーだけど説明はほとんどない。ナレーションも名前のテロップも。
基本的に、何も「事件」
「モリコーネ 映画が恋した音楽家」
スラムダンクでも見るかなと思ったのですが、あまりに皆が絶賛するから、まぁいいかなと思ってしまうのは「E.T.」の頃からの、ひねくれ根性。
映画音楽の巨匠のドキュメンタリーを「ニューシネマパラダイス」の監督が撮ったと気になっていた「モリコーネ」を観る事に。いや「ニューシネマパラダイス」も同じ理由で見てないのですが笑。
157分という長さもあり、ちょっと賭けだなぁと思いましたが、超良かったです。
たとえ答えが無かったとしても 映画「シスター 夏のわかれ道」に寄せて
試写会で見た「シスター 夏のわかれ道」
とっても良かったです。
両親が交通事故で亡くなり、ほとんど交流の無かった弟を親族から押し付けられた主人公が、自身の夢と家族の狭間で悩む話。
ストーリー自体はシンプルだけど、バックグランドにある中国の「後継ぎの男の子が何より大事」という家族観や一人っ子政策で2人目の子どもを持つ難しさ(そして、その矛盾に対する怒り)が静かに織り込まれていて、引き込まれる。
マッチを擦る瞬間 世界が変わる ~映画「ショック・ドゥ・フューチャー」
もしあなたが自分が作るものに自信を持てなかったり「何か惰性っぽくなってんなぁ」と思うなら、ぜひこの78分の映画を見てほしいっす。
アマゾンは有料だけど、WOWOWに入ってたら無料で見れます。
テクノミュージックがメジャーになる前の70年代のフランスで、日本製のシンセサイザーに出会った女性が、くすぶっていた思いを開花させようとする一日が描かれてます。
映画館でやってた時も、面白そうだなぁ、どう
沸点の先にあったのは?映画「ボイリング・ポイント」
「私は最悪」を見に行ったヒューマントラスト有楽町で上映していて、TBSのクルーが見た人にインタビューとかしてたから、ちょっと気になっていた。
およそ90分を1カットで撮影した映画。舞台は一流レストランの戦場のような厨房。面白そう、あるいは「元は取れそう」だと考えた。何か番組作りのヒントになりそうな気もするしね。
主人公は人間味あふれる表情が印象的な中年シェフ。多忙でヘロヘロなのに家族サービスを
私は私のままでいい 〜映画「私は最悪」〜
仕事が出先で早く終わったから映画でも見ようかなと、有楽町へ。
「私は最悪」
映画ポスターは主演の女性が微妙な笑顔で走ってる写真。
なんかポジティブなようで、それだけではないような微妙な味わいが気になって見に行きました。
観客はほぼ女性。でも50歳男でも楽しめました。
主人公は30歳。それなりに知性と才能に恵まれながら、どこか中途半端な人生を送っている感じ。
漫画家の歳上の男性と付き合って、彼が
「ベイビー・ブローカー」は、やさしい映画だった。
「やさしい映画」だと思った。
見る人に対しての優しさ。そして難しくない、という意味での易しさ。観客の求めるものに期待以上に応えながら「誰も知らない」や「万引き家族」のような圧倒的な衝撃を与える作品ではない。この作品をどう評価するのが正当なのか、まだ答えが出ないでいる。
是枝裕和監督の新作「ベイビー・ブローカー」
あらすじ的に書くとこんな感じ。(ネタバレはないす)
「赤ちゃんポスト」に預けられた
【映画】スパイク・リー×デイヴィッド・バーン「アメリカン・ユートピア」
ブロードウェイで人気を博した一風変わったライブショーのドキュメンタリー。あのスパイク・リーが、なんで白人アーティストのディヴィッド・バーンを撮ったのか。答えは1時間24分45秒頃からのシーンでわかります。
そこからだけでも、見てほしいっす。それまでも超ハイクオリティのライブなのですが、そこで風景が一変します。
現代の黒人女性シンガー、ジャネール・モネイのカバー。
そう宣言して歌い始めます。5
【映画】あなたの事を何も知らなかった〜ヤン ヨンヒ監督〜「スープとイデオロギー」
ヤン ヨンヒ監督の「スープとイデオロギー」を見た。
在日である自分自身と母親についての、セルフドキュメンタリー。
4人兄弟の末っ子である監督、その母は自分の3人の息子、つまり監督の兄を「帰国事業」で北朝鮮に送り、仕送りを続けてきた。
前作「かぞくのくに」では、その兄が日本にやってきた時のことをフィクションとして描いていたが、今回はドキュメンタリー。今は亡き父親、そして母親と自らにカメラを向けた。