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「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

スラムダンクでも見るかなと思ったのですが、あまりに皆が絶賛するから、まぁいいかなと思ってしまうのは「E.T.」の頃からの、ひねくれ根性。

映画音楽の巨匠のドキュメンタリーを「ニューシネマパラダイス」の監督が撮ったと気になっていた「モリコーネ」を観る事に。いや「ニューシネマパラダイス」も同じ理由で見てないのですが笑。



157分という長さもあり、ちょっと賭けだなぁと思いましたが、超良かったです。
彼の音楽人生をインタビューと作ってきた音楽で振り返る、シンプルな構成。
でも、主人公モリコーネさんのチャーミングかつ情熱的なキャラクターと、監督の映画や映画音楽に対する愛が溢れていて、またチョイスする映画のカットが魅力的で(編集も過不足ないシャープさで)60年代の知らない映画の話でも全然飽きませんでした。

映画音楽が、オーケストラ的な世界から下に見られていた頃の劣等感や、音楽を学んだ師匠への複雑な感情。そして、タランティーノなど一筋縄ではいかない監督からの無理難題を、アイデアと才能と気合いで凌駕していく感じ。監督の人間に対する深い洞察と、モリコーネさんへの尊敬の念が、ひしひしと伝わってきます。

個人的には、何度も出てくる登場人物のインタビューに毎回ちゃんと名前をテロップする所に、観る人への心配りが感じられて素敵でした。
「あなたにも、モリコーネの事を好きになってほしい。彼の素晴らしさを知ってもらいたい」
そんな気持ちが暖かく伝わってきます。

いくつかの音楽を提示した時に、自分がイマイチと思うのが採用されて、その時は不満タラタラだけど、後々「やっぱ、そっちで良かった」と素直に認めるモリコーネさん。
自分の挑戦が受け入れられず、むしろ過去の作品のような音楽を作ってほしいと言われ「わかったよ!」と怒りながら、その路線で最高なものを作り直すモリコーネさん。

レベルは、月とミジンコくらい違いますが、「こういうやり取りある!」と共感する所も多く、やっぱクリエイトっていいよな。と思い直した午後2時でした。

仕事サボって、やる気出してたら世話ないですが笑

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