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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2022年12月の記事一覧

異文化理解

異文化理解

ある事情から、急遽晩秋から、中3の受験生に国語を指導することになった。経験はあるが、この時期に受け継ぐことには非常に悩んだ。生徒にとり、あまりよいことではないと思ったからだ。だが、とにかくやるしかなかった。
 
国語の力を、ここから伸ばすというのは至難の業である。小さな頃から絵本にたくさん触れておくことが大きな影響を与える、それが基礎力をつくる、というのが私の持論である。成績別のクラスではあるが、

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教会学校は大切であるが

教会学校は大切であるが

教会学校。英語の頭文字からCSとも呼ばれる。日曜学校という呼称もあったから、そのときはSSとも言われた。教派や教会により、そのスタイルは様々である。子どもが多く教会に来ていたころは、幼児・小学生・中学生・高校生と分かれることもあり、小学校も上級生と下級生と別々になることが普通だった。信徒の子ももちろんいたが、その友だちや近所の子もたくさん来ていた。中には、教会というところがきちんと躾をするところだ

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神よ、どうして

神よ、どうして

2022年の冬至は12月22日である。今日からは、昼の時間がひたすら長くなっていく。「冬来たりなば春遠からじ」という言葉があり、苦しい情況の中でも、人はなんとか希望を見出そうとする。だが、一旦始まった戦争は、終えるのが困難だと言われるとおり、ウクライナの戦火は収まらない。報道を聞くばかりの私たちが忘れている間も、逃げ惑い、大切なものを失い、また命を落とす人々がいるのが現実である。
 
神よ、どうし

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『「神様」のいる家で育ちました』(菊池真理子・文藝春秋)

『「神様」のいる家で育ちました』(菊池真理子・文藝春秋)

2022年の流行語とすらなった「宗教2世」であるが、本書はサブタイトルに「宗教2世な私たち」という形で、その実態を訴えることとなった。この言葉が世間に知れ渡ったのは、2022年7月の、安倍元首相の殺害事件を通してである。その容疑者の身の上を表す言葉として、それが浮かび上がった。
 
本書は、その前に書き上げられている模様。だから、決して「ブーム」に乗って売ろうとしているわけではない。尤も、本来集英

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戦

いろいろと不満というものはあるだろう。それと戦うということは、もちろん悪いことではない。また、それが誰か他人のために戦うというのであれば、ぜひともやるべきだ、というような情況は確かにある。
 
しかし、自分のプライドや感情のために、そして自分だけの正義のために戦うというのは、いろいろな意味でもったいないものである。エネルギーのロスである。損失が発生するかもしれない。たとえ勝ったとしても、実入りがな

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『使徒信条 光の武具を身に着けて』(平野克己・日本キリスト教団出版局)

『使徒信条 光の武具を身に着けて』(平野克己・日本キリスト教団出版局)

私の知識としては定かではないが、使徒信条は、福音書が書かれて百年ほど経ったころに、教会でこうしたものが用いられていたのだと聞く。恐らく、キリストの名を以て我こそイエスの弟子なり、と主張するグループが複数現れたが、それは今の私たちに続く教会とは異質のものであった故に、そうした思想から一線を引くために、信仰のエッセンスを何らかの形で定める必要があったものと思われる。
 
だからそれは、教会の伝統の中の

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朝ごとに夕ごとに

朝ごとに夕ごとに

スポルジョン、あるいはスパージョンとも表記されるが、19世紀イギリスに偉大な説教者がいた。その説教は、語られる毎にイギリス各地へ印刷され、届けられた。旧約聖書の「幕屋」の名をもつ教会には、何千人といつも詰め寄っていたという。
 
すでにこの人のことは何度かご紹介しているので繰り返しはできるだけ避けるが、やはり、その才能たるやただものではなく、十代にして人々を感動させる説教を語っていたというから、驚

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