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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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#言葉

ハッピー・クリスマス

ハッピー・クリスマス

12月8日は、真珠湾攻撃を以て太平洋戦争が始まった日。細かな事情はさておき、日付としてはこの日を、覚えておきたいと考えている。だが、中学生は、殆どこの日付を知らない。日本国憲法の公布と施行については、日付を正確に覚えないとテストに出るから覚えるが、テストに出ない日付については、知る由もないらしい。アメリカにとり、国内を初めて外部から攻撃された、屈辱の日であるために、いまなお憎しみを抱く人もいる。そ

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受け取られ方を考慮する

受け取られ方を考慮する

大きな事件が起こり、初期の供述で「悪口を言われたこと」が動機の一部であるような報道が流れた。本事件そのもののことに何か口出ししようとするつもりはない。そこで、もっと一般的なこと、あるいはまた別の例だとして、お聞きくださればありがたい。それでも、何らかの形で触れることになるわけで、特に本事件で被害に遭われた方々やその関係の方々については、何をどう触れてもいたたまれないことだと思うので、申し訳ないとい

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届かない言葉と心

届かない言葉と心

シャーペンについている消しゴムを、使わないのがわたしのポリシーだった。あるとき、シャーペンを友だちに貸したら、消しゴムがぐちゃぐちゃに使われた状態で返されてきた。とてつもなく悲しい。
 
こんな声が、ラジオから聞こえてきた。分かるような気がする。自分にとり大切にしているものやことが、他人からすれば何でもないものとして扱われてしまうことの、憤りややるせなさ。価値観が違うと言えばそれまでだが、ひとの気

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前提となるもの

前提となるもの

ひとが発言をするというのは、不思議なものだ。頭の中に構築したものをゆっくりと出す、という場合もあるが、たいていは、口に出しながら考えているものだ。だから、自分でもよくそんなことを考えていたな、と驚くようなことが、口を突いて出てくることもある。言ってみて初めて、そうなんだ、などと感心するようなことがあるのだ。
 
もちろん、その逆もある。あんなことを言わなければよかった、と後悔することもある。それの

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何が言いたいのか

何が言いたいのか

この人は、要するに何が言いたいのか。京都人は、それを察知する文化をもつため、その能力を身に着けている。素朴に、ひとの言うことを表面の意味で受け取りはしない。
 
さすがにぶぶ漬けをいま言う京都人はいないかもしれない。でももしもあれば、それは単なる「帰れ」では済まされない嫌みをこめて言われている、という覚悟でいる必要があるだろう。箒を逆さに立てもしないだろう。だが、日常の様々な場面で、本音を直接言わ

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