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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2023年11月の記事一覧

仕事と自分

仕事と自分

さしあたり、生計を立てるための職業という意味で、「仕事」という言葉を用いることにする。「この仕事は、自分には向いていないのではないか。」うまくいかないとき、そのような言葉がふと頭を過ることがありうるだろう。「自分は本当は、こんなことをするために、この仕事に就いたのではない。」そのように思い始めると、仕事を辞める扉が開かれてくる。
 
昔だったら、仕事を辞めるというのは、ずいぶん重い決断だった。終身

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孤独ではない

孤独ではない

前回の100分de名著「古今和歌集」での、当該の和歌について、もう少し考えてみようかと思う。
 
月見ればちぢに物こそかなしけれわが身ひとつの秋にはあらねど (大江千里)
 
秋は私にだけやってくるわけではないけれど、自分だけに秋が来たような気がする。「物こそかなしけれ」の強調は、そこをこそ詠嘆の要とすべきところであるはずだ。それは正道である。
 
だが、司会者がこれを、自分だけではない、という方

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「こころ」と「ことば」

「こころ」と「ことば」

Eテレの「100分de名著」が、10年を超えて淡々と続いている。質を落とさず、さらに新たな視聴者も獲得しながら、健闘していると思う。
 
伊集院光氏が司会を担当してからも、すでに10年だというから、息が長い。この人がまた、いい味を出している。司会というよりは、生徒のようである。そして、鋭い質問や意見を呈することに、いつも感心している。
 
この11月には「古今和歌集」が取り上げられている。私は改め

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『現代思想 10 2023 vol.51-12 特集 スピリチュアリティの現在』(青土社)

『現代思想 10 2023 vol.51-12 特集 スピリチュアリティの現在』(青土社)

時折購入する「現代思想」。多くの人が文章を連ねている。ずいぶんと思い切った論調も好きだ。なにより、世の中のメジャーな宣伝では運ばれてこない、だが非常に重要な視点を提供してくれるところが気に入っている。今回も、特集の「スピリチュアリティ」に惹かれて購入したが、執筆者の中には「占星術研究家」なる人もいて、しかもその文章が非常に面白かった。
 
オーソドックスに、スピリチュアリティについての背景や歴史を

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心の温度が上がる

心の温度が上がる

「心の温度がちょっと上がるような、そんな音楽との出会いはありましたか?」
 
TOKYO FMの「Memories & Discoveries」のエンディングで毎回アナウンスされる言葉が心地よい。今をときめく早見沙織さんの、上品な言葉と人を癒やす声とに、火・水・木の朝は支えられている。朝4時から5時半までなので、私は当然radikoのタイムフリー機能を利用している。
 
「心の温度」。もちろん一種

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