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うつわマガジン2020

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#料理

焼かない土鍋クリームドリア

焼かない土鍋クリームドリア

代替の思考と土鍋

電子レンジが壊れて2ヶ月くらい経つだろうか。

すっかり「ない」に慣れてしまいました。慣れたというより「代替」の思考がよく働くというか。とにかく発想がわいてきて、そうなると土鍋の存在が本当にありがたいのです。

情緒と土鍋

わたしたちは本当に忙しすぎる。
言葉からこぼれてる。

子どもを育てて仕事して、実に時間がなかったことを思い出します。子どもが育ったら育ったで、もっと仕事

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池波正太郎風 湯豆腐のススメ

池波正太郎風 湯豆腐のススメ

急に寒くなりましたね。
たちまちお豆腐の食べ方が、冷奴から湯豆腐になりました。

今日は、久しぶりの「陶芸職人のなんちゃってレシピ」を。湯豆腐ですから、レシピというほどのものではありませんが、池波正太郎風といういわくつき。時代小説はいまいち苦手で、彼の小説も親しんできたとは言いがたいけれど、食の話だけは好きで、確か最初に読んだのは大学生のころでした。記憶の片隅に、いつも湯豆腐の描写があって、その中

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土鍋で秋を炊く2020年「落花生ごはん」

土鍋で秋を炊く2020年「落花生ごはん」

あの人を想う味

土まみれな殻は地味だけれど、殻をやぶって出てきた薄紅色の実は、惚れ惚れするほど華やか。今年も恒例の落花生ごはんを炊いた。

日ごろの我が家は100%玄米食で、減農薬の玄米を秋田の農家から取り寄せている。子どもが卒業した学園と農家が古くから協働したもので、お米に学校の名をつけてくれている。食べるたびに、ホームステイ先の農家の顔を思い出す。食材から誰かを想うことは、とても大切なことだ

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ゴルバチョフとナスのムッタバル

ゴルバチョフとナスのムッタバル

ナスの皮が焦げるニオイが好き。
ああ焦げた、いい感じねと、いつものように新聞紙を広げ、焦げたナスを風呂上りのベビーのように寝かせおく。くるりと包むのはタオルでなく新聞紙。ちょっと黄ばんだ新聞紙が、気になった。

新聞紙をくるくるくるとやって、ナスは一列に眠ったが、そこにあらわれたのは、ゴルバチョフだった。なんともいい場所に。目があった。

とんでもない新聞を使ってしまったらしい。注視すると日付は1

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走る東京プチトマト

走る東京プチトマト

きょうも1キロ採れたプチトマト。
東京でも、おいしい。小さな庭でも、おいしい。
桃源郷でなくていい。東京でいい。

三千年(みちととせ)の桃トマトの写真ではじまったけれど、桃のおはなしから。

中国で、桃といえば「不老長寿の果実」。
三千年に一度実を結ぶという不老長寿の桃。そのくらい長いスパンで偶発する不思議な力という喩えでもあるのだろう。

もう一方で、古事記にも、威力をもつ桃が登場する。イザナ

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おいなりさんと旅

おいなりさんと旅

渦中この世を離れた親族。お見舞いもお別れもできなかったので、この夏は、故人の故郷である福島から宮城や岩手あたりをまわりたいと思っていた。震災後の現在を視て、さまざまな未来を考えたいと願った。

けれど、潮流は計画を逆なでした。
満ち足りた日々がすべてではない。

おいなりさんをせっせとこしらえる。
毎年イタリアの旅先で、おいなりさんを詰める手元がなつかしい。

参考にしたレシピはこちら。

写真展

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「旅する土鍋 」 −みんなが活きる時間− 食にたずさわる友たちと夏を呼ぶ(前編)

「旅する土鍋 」 −みんなが活きる時間− 食にたずさわる友たちと夏を呼ぶ(前編)

夏がこない。

飛行機で飛び、列車で流れ、
長距離バスに揺れる
夏が、こない。

ミングルに集まって「旅する土鍋」の夏。
2020年はイタリアへの旅が叶わず東京にいる。

普段、なかなか時間が合致しない多忙な友人たちのもとへ、東京からすぐの大きな川を越えて大きなキャリーバッグはガタゴト走る。ああ、この感じ久しぶり。キャリーに伝わる好まない振動に、血潮がみなぎる。

3月に出版された有賀薫さんの「3

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うごけカタログ! 「まいにち土鍋」

うごけカタログ! 「まいにち土鍋」

みちくさ枝折(みちくさしおり)

道に咲く花がないときも、道に生える草を探す。
そんな3ヵ月ちょっとを過ごした。
世界を震撼させるウィルスは、2月の横浜元町での個展にはじまり、5月の蓼科でのグループ展を攻撃し、もうすぐ始まる新宿高島屋での展覧会に、不気味にも道をひらいた。開催するのかされないのか、最後まで標識が見えなかった。

あなたは変わっただろうか

わたしは、正直にいうと、変わらない。
我が

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ほんとうの気持ちと展覧会

ほんとうの気持ちと展覧会

地球の難事には、ザワッという大きな風が吹く。足が地から浮くような風です。ビューという音も聴こえて、耳をふさぐ。その一方でクリアな声が聞こえてきます。嵐の森では鳥が鳴くように。

今回の震撼は、悪いことばかりでなく、35年陶芸道を歩くわたしにグイッと背中を押す追い風が吹きました。

余談ですが、2011年の震災時もそうでした。あのときも、大きな風が吹き、二足のわらじの片方を、バサッと脱ぎ

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ラッパの音と「おからピッツァ」

ラッパの音と「おからピッツァ」

ちょっと音調がずれたラッパが鳴ると、ボウルを持って豆腐を買いに行った。自作のうつわを持って近所のビストロやカフェにテイクアウトに行くたびに、そんなことを思いだす。

ある頃から、豆腐はプラスチックの容器に入り、ラッパの音は消えた。

我が家から3分の場所にある小さな豆腐屋で、先日も新鮮なおからを買った。もう10年以上前のことだが、子どもの学校で「大豆」を深く研究する課題があって、自宅で豆腐をつくる

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春をよそおう「行者にんにくのポタージュ」

春をよそおう「行者にんにくのポタージュ」

北海道から行者にんにくが届く季節になった。

アイヌの民間信仰として興味ふかい話が書いてあったのを思いだし、今年は、病魔の退散を願いながら行者にんにくを料理する。天然痘などの伝染病が流行した際、村の入り口に行者にんにくを掲げ、病魔の退散を願ったというのだ。

転じて、翡翠色をにじませた7寸の皿(食パンが一枚のるパン皿サイズ)に横たわるそれを「行者」に見立てて見つめてみる。

山にこもる行者が滋

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余熱でいこう!陶箱のうつわで「アボカドタマゴ」

余熱でいこう!陶箱のうつわで「アボカドタマゴ」

世界はタマゴのように儚いけれど、エネルギーが加わればかたまり、時にとろりとあなたをうっとりさせる神通力かもしれなくて。なんて願いをこめながら「陶箱のうつわ」でアボカドタマゴを焼いた。

早起きすると「復活祭のおめでとう!」のメッセージがイタリアの友人から届いていた。わたしは信者でないが、郷にいれば郷の文化を客観的に見ることができ、いまは郷を離れていてもお祝いの気持ちを送ることならできる。師匠の元気

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春の東京野草「明日葉のおみおつけ」

春の東京野草「明日葉のおみおつけ」

東京は広い。静かな東京は広く感じる。
日頃から静かに買い物をする人たちは、さらに静かに街を歩く。

小笠原産の明日葉(アシタバ)が手に入った。
東京は広い。小笠原半島も東京都なのだ。近所のお豆腐屋さんが手づくりしたとっておきの「がんもどき」があるので、それと一緒に、おみおつけにしよう。

明日葉(アシタバ)
温暖な太平洋沿岸に自生する植物。成長力が強いので、摘んでも明日また新芽が出るということから

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庭に転がっていた光らない宝石「むかご炊き込みごはん」

庭に転がっていた光らない宝石「むかご炊き込みごはん」

数年前から、庭にころころと黒糖あめ玉みたいに転がるものが落ちていて、虫かヘビのタマゴか?なんて思いながら、うぇっ!と飛び越えたりしていたのに、つい踏んでしまった。その瞬間、ポクっとお芋っぽさがあって、もしやむかごではないかと思いはじめたのがつい去年のこと。

ころころの発生源を探り、土に転がる大量のむかごを収穫。自然薯の栄養塊といわれるだけあって、ちょっと粘り気がある。蒸して塩をふるだけでも、小さ

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