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珺
2020年11月15日 23:59
満月の日に待ち合わせは錦糸町。スカイツリーがよく見えるこの街は、改札から出てすぐに喫煙所がある。そこが決まってわたし達の待ち合わせ場所だ。「ごめん、待たせちゃったかな」「全然平気だよ。さっき来たところ」「今日は何が食べたい?」「んー、じゃあ、鳥貴族がいい」「おっけー」わたしは上京して、地元にはない鳥貴族をこよなく愛していた。店に着くと、検温とアルコールを
2020年11月14日 21:11
人は、関係性に名前をつけたがる。1恋愛にしろ、友情にしろ、とにかくだ。しかし、過去を振り返った時、わたしは、自分の記憶の〝曖昧フォルダ〟にある思い出ほど、よりノスタルジックな気持ちにさせられる。わたしが彼と出会ったのは、新卒で入った会社の先輩の、人数合わせとして呼ばれた会だった。仕事上、遅れて参加したわたしの席はもう決められており、必然的に隣の男性と話す機会が多くな
2020年11月13日 20:37
秋のことだ。少数派かもしれないが、わたしは夏より、冬より、秋になると、人肌が恋しくなる。わたしは、ひどく塞ぎ込んでいた。部屋に引きこもりがちで、コンビニにご飯を買いに行く以外は外から出ない生活を何週間も続けていた。そんな時、わたしはネットで知り合った年下の男の子とご飯の予定が入った。待ち合わせは、西船橋駅。前の予定が少し早くに終わったので、駅構内のカフェに入
2020年11月12日 19:53
キミと別れてからまだ1週間しか経っていないのだ。考えられない、もう1ヶ月くらい経ってるかと思ってた。時間の流れなんて、人の感じ方によって全く異なることを実感している。変なの。キミは元気にしているだろうか。わたしはこの1週間、とても濃い時間を過ごしたよ。気持ちの整理、少しはついたのかもしれない。わたしはキミの過去になるんだと、自分の中で、落とし所を見つけているような気
2020年11月12日 02:02
わたしたちは、夜が暗いことを知っている。わたしたちは、夜が深いことを知っている。わたしたちは、夜に孤独を感じやすいことを知っている。夜の孤独はまぁ、まだいい。慣れている。大勢が、見て見ぬフリをしながら生きている。しかし、朝の孤独はどうだろう。夜の孤独に対して、朝の孤独は、心をえぐる勢いが比べ物にならない。〝それ〟をわたしは知っている。その時のわたしと言ったら、全