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#7 アライ宣言🌈

このテーマは非常にセンシティブな「性的指向・性自認」に関する内容を扱うものです。
細心の注意を払って書こうと思いますが、もしかすると誰かを傷つけてしまうかもしれません。もしそのようなことがあれば、本当に申し訳ありません。コメントやTwitterのDMなどでご指摘を頂ければ、改善に努めたいと思います。
今、日本ではまだ十分に広まっているとは言えない「性的指向・性自認」の多様性の認知拡大に貢献したいという思いから書かせて頂きます。この記事を開いてくださった皆さんには、本当に感謝いたします。
共に学んでいきましょう。(参考サイトは最後に記載しています。)

というわけで、私のnote第5回テーマは、「性的指向・性自認」についてです。
このテーマに関する知識を共有することと、このテーマの考え方を学んでいくことが目的です。どうか皆さん、「当事者」意識を忘れずに、お付き合いください!

※長くなってしまったので、読み方の提案※
太文字だけ辿ってもある程度は内容が理解できるようにしました。
太文字だけ読んで、深めたいところは周辺も読んで、という読み方でもありがたいです。もちろん、全文読んでもらえたらより理解が深まります!

さっそく始まります。


🌈はじめに

きっかけは、所属している組織で開かれた「アライ研修」だった。
「アライ」とはLGBTQ+の人たちに共感し、寄り添いたいと思う人のことである。これまでも性の問題については触れてきたつもりであったが、「アライ」としてできることを学ぶ研修を受け、性的指向や性自認のせいで様々な場面において苦しんでいる人がいる状況を改めて知った。
そして同時に、今の気持ちを行動に移したいと強く感じたのである。
その研修直後ではないが、今回このお話を書くのも「行動」のひとつだ。

最も大切にしている認識をここで示しておく。
それは、人はすべてこの問題の「当事者」であるということ。LGBTQ+に属する人は「その性的指向・性自認の当事者」なのだが、「この問題に関わっている当事者」は全ての人なのだ。

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🌈まずは用語を知ろう!

このテーマにはたくさんの専門用語が出てくるが、それらの用語を理解することは、このテーマを理解する第一歩となる。次の目次に進んで、分からない言葉があればここに戻ってくる、という読み方でもよいと思う。



●「LGBTQ+」・・・性的指向・性自認の頭文字を並べた表現。
L: Lesbian(レズビアン)・・・女性の同性愛者。
  (心の性が女性で恋愛対象も女性)
G: Gay(ゲイ)・・・男性の同性愛者。
  (心の性が男性で恋愛対象も男性)
B: Bisexual(バイセクシュアル)・・・両性愛者。
  (恋愛対象が男性にも女性にも向いている)
T: Transgender(トランスジェンダー)・・・身体の性と心の性(性自認)が一致しない者。
Q:①Questioning(クエスチョニング)・・・性的指向や性自認が定まっていない者。
Q:②Queer(クィア)・・・セクシュアルマイノリティの人たちがあえて自身を指す言葉。
: Plus(プラス)・・・アセクシュアル(他者に関して恋愛感情も性的欲求も抱かない)やXジェンダー(性自認が男性にも女性にもあてはまらない)など、上記の他に存在している様々なセクシュアリティ。
→「+」とは、表現しきれないほど多くのセクシュアリティがあるという意味があるということ。

●「Straight」(ストレート)・・・身体の性と心の性(性自認)が一致していて、かつ異性を愛する者。
「まっすぐ」という意味ではなく、差別用語ではない。

●「Sexual Minority」(セクシュアルマイノリティ)・・・ストレートではない人の総称。

●「SOGI」(ソジ/ソギ)・・・Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の頭文字をとった表現。
この問題についてのハラスメントは、SOGIハラとも言われる。

●「ALLY」(アライ)・・・LGBTQ+当事者たちに共感し、寄り添いたいと思う人(元々の意味は「仲間」・「同盟」)。
性的指向・性自認は関係なく、すべての価値観に平等かつ真摯に向き合う姿勢さえあれば誰でもなれるもの。

●「Coming out」(カミングアウト)・・・当事者がセクシュアルマイノリティであることを告白すること。

●「Outing」(アウティング)・・・他者が本人の了承なく、その人の性的指向・性自認を第三者に暴露すること。
どんな理由があっても、絶対に言ってはいけない。

簡単ではあるが、ここまでで留めておく。記事の最後に参考サイトを掲載するため、さらに詳しく知りたい方はぜひそちらを参照してほしい。
では、本題に入っていく。


🌈「アライ」として何ができるか:言葉遣い

さて、用語を知ったあとは、セクシュアリティに関する問題にどう向き合っていくべきかを考えていこう。ぜひ、色々な方策をコメントに書き込んで頂けると嬉しい。
ここでは特に、「アライ」として何ができるかという観点から考えていく。

ところで
皆さんは、筆者のセクシュアリティが分かるだろうか?

そう言われると、皆さんは色々想像を働かせるだろう。
これまでの文の書き方からして・・・、一人称は・・・、以前の投稿から見れば・・・、あ、この人のnote名は何だったか、なんだこの名前・・・(笑)、などなど色んなことから推測できる。

しかし、それら様々な事実の中に、「筆者が男らしい、または女らしい」と結びつくものはひとつとして存在しない。

そのすべての要素はどれも、「筆者(私)らしい」だけである!

ずばりこれが、アライとしての考え方のひとつである。
「男らしい」「女っぽい」と例えたり決めつけたりせず、「その人らしい」と考え、伝えるのだ。
このように、「言葉遣い」でアライを表現することは可能である。

だがその一方で、言葉遣いはセクシュアルマイノリティを傷つける武器にもなり、問題の的になりやすいことも忘れてはならない。

例えば、教育現場にて。

国語の先生:「まずは男子だけで音読、次は女子だけで。」
担任でない先生:「○○くん・・・あ、○○さんだったか。」

恐らく、ほとんどの人が聞いたことがある言葉ではないだろうか。
実際に、職場や学校ではセクシュアルマイノリティの人の7割以上が「差別的な発言」を経験したという調査結果もある。

男子と女子に無理やり二分したり、男子と女子で「くん」と「さん」を使い分けたりすることは、もう時代にそぐわない。

このような教育現場での教師側の意識改善が着々と行われてきていることは事実である。しかしそれが浸透しているかどうかは、学生の読者さんであれば、日々の生活を振り返ってみて欲しい。

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🌈「アライ」として何ができるか:行動

では、実際にどんな行動をとれるだろうか。
各問題を取り上げ、それを無くしたり緩和させたりするためにできることを考えていく。

①セクシャルマイノリティに対する意識がまだ弱いという問題
東京五輪によって海外の考えが普段より流入してくることで日本でもこのテーマが取り上げられることが増えてきたが、まだ始まったばかりである。

よって今は、少しでも多くの人にこのテーマについて考えるきっかけを与える行動が求められるだろう。

具体的な行動例としては、「バッジ」と「拡散」を挙げたい。

「バッジ」は私も実践している行動である。
Amazonでは、セクシュアルマイノリティに限らず様々な社会問題を対象に、支援する意志表明ができるバッジが販売されており、利益の一部を支援団体に寄付するとする会社もある。
バッジをバックなどに付ければ、それを目にしてくれた人に何かしらの影響を与えられるだろう。「虹色のバッジだ。あれ、何か意味があるんだっけ。」と思わせるだけでも十分、認知のきっかけになり得るのだ。

「拡散」は恐らく最も簡単にできる行動である。
TwitterなどのSNSで、このテーマの投稿や記事を「しっかり読み、理解した上で」、いいねを押したりシェアしたりするのだ。この、理解が大切である。SNSには様々な情報があるため、手当たり次第に拡散していると、デマの拡散になりかねない。
また注意すべきは、SNSでは必ず非難してくる人が存在することだ。そこで不毛な論争を繰り広げたり、反論者の差別的発言を引き出したりしてしまえば、このテーマの認知拡大には逆効果である。

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②不安を抱えている人が身近にいるという問題
電通の調査によれば、日本には左利きやAB型と同じ割合だけLGBTQ+の人がいるという(8.6%)。これは、12人に1人ということであるから、学校において30人程度のクラスであればLGBTQ+当事者が2~3人はいる計算になる。しかし、皆がみんな彼ら/彼女らの存在を知っているわけではない。

つまり、LGBTQ+当事者は気付いていないだけで身近にいるのだ。
セクシュアルマイノリティの問題はすぐ身近にあるのである。

そう思えばやはり、カミングアウトされた場合に備えて十分に学ぶことがとるべき行動といえる。

ここで参考にするのは、私自身が受けた「アライ研修」である。
研修の資料に登場したLGBTQ+当事者が共有してくれた実体験から私は、彼ら/彼女らがカミングアウト時に求めていることを以下の5点にまとめた。

〇カミングアウトの際に求められること
「受容」:そのままを尊重してくれること。
「不変」:変わらずにいてくれること。
「感謝」:勇気を評価しありがとうと言ってくれること。
「支持」:寄り添い、力になってくれること。
「守秘」:どんな理由があろうとアウティングしないこと。

私はこの中で、「不変」が最も難しい対応ではないかと考えている。
自分がLGBTQ+当事者であってもストレートであっても、相手が何を求めるかを完全に理解することはできない。それゆえ、相手が求める接し方を意識しすぎてしまうかもしれないからだ。

だからこそ、日頃からこのテーマの情報に触れて学ぶことにより多様性に関する寛容さを磨くことが大切になってくる。

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③具体的な取り組みが出てこない問題

一部の企業や学校ではセクシュアルマイノリティの理解と差別廃止に向けた取り組みを実施しているが、未だにそれがニュースに取り上げられたりする。メディアで報道されるということは、珍しく、話題になるということであり、まだまだ普遍的ではないことを暗に示している。

他国では、日本よりも具体的な取り組みが進んでいる。
例えばスウェーデンの学校では、トイレは性別関係なく共用であり、かつほぼ全て個室である。さらに駅や図書館、ショッピングモールでも同様の設備が整えられているというから、国としてこのテーマに取り組んでいる姿勢がうかがえる。

日本でもそのような取り組みを進めていくためには、第一歩として、自分が所属している組織の中で、「声を上げる」という行動が効果的だろう。

これもまた、LGBTQ+当事者だろうとなかろうと、気付いた人が指摘することが大切である。気付いたからといって直接指摘できるかどうかはその組織の心理的安全性に左右されてしまうが、変更が必要だという意識を持ち続けることで、話せる同僚などから徐々にその意識を共有していくことは可能だ。

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🌈おわりに

まとめに即して、もう一度「当事者」の議論を書こう。
全ての人は、セクシュアルマイノリティの問題の当事者である。
多数派であるか否かは関係ない。様々なセクシュアリティは多数派であろうが少数派であろうが、実際に存在していることは事実であり、そこに優劣の差は絶対に無い。

また、「受け入れられる側」と「受け入れる側」という区別もない。
誰もが多様な性のあり方を受け入れつつ、そして誰からも受け入れられるべきなのである。

そのためにも、大小問わずたくさんの声に、そしてこのような記事を含む様々な情報に、耳を傾け続け、アンテナを張り続けることを忘れないでほしい。

問題はすぐ身近にある。ひとりひとりが当事者意識を持ち、「アライ」として「言葉遣い」や「行動」を実践することで、少しずつ社会は変わっていけるはずだ。

いずれ「アライ」と言う必要のない、真に寛容な社会に向かって。

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ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。いかがだったでしょうか。
誤解のないように丁寧に、と思って書いていたら、字数のほうで読者の皆さんに負担を負わせてしまうことになってしまいました。それでも読んでくださった皆さんには本当に感謝です。

様々な情報が速いスピードで行き交い、誰でも自由に発言可能なこの流動的な社会においては、ひとりで学んでいくよりも、皆で大事な情報を選別して共有して学びあうことが大切だと思います。
これからも共に学びましょう。学ばせてください!

この記事が、皆さんがセクシュアルマイノリティについて考え学ぶきっかけになったり、誰かを応援する役割を果たしたりしていたら嬉しいです。🐙

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【参考サイト・参考資料】

Job Rainbow MAGAZINE「用語解説」(←用語や言葉遣いの部分)
➡用語だけでなく、たくさんの情報が発信されていて、学びを深めるのに最適なサイトです。ぜひ参考にしてみてください。

法務省人権擁護局「多様な性について考えよう!」(←用語の部分)

日高康晴「LGBT当事者の意識調査」(←差別発言経験7割のデータ)

遠藤まめた (2021)「はじめてのLGBT」ちくまプリマー新書
(←スウェーデンの学校の例)

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