村山 豪

山形県公立小学校教員 教職大学院修了 幼・小・中(保体)・高(保体)専修免許 研究領域…

村山 豪

山形県公立小学校教員 教職大学院修了 幼・小・中(保体)・高(保体)専修免許 研究領域 学習科学  総合的な学習の時間、子ども主体の授業づくり e-cala cafeという教育なんでも相談室 総合的な学習の時間@学びLabo 学習科学について学ぼうの3つのオンライン学習会開催中

記事一覧

教師間の「観」の違いを埋めるには 第133回e-cala cafe

教師は、自分の受けた教育や授業が土台となって、教育観や授業観、子ども観が創られていくと思います。一方で、自分がもっている「観」に違和感を感じたり、自分とは全く異…

村山 豪
4か月前
7

ひとりで頑張らず、子どもたちとともに

グループ学習は・・・ 子どもたちの関係性がよくなってから 学級が落ち着いてから 子どもたちがきちんと話し合うことができるようになってから 学習規律が整ってから など…

村山 豪
5か月前
4

授業づくりで心がけていること 第131回e-cala cafe

今日のe-cala cafeでは、授業づくりで心がけていることについておしゃべりしました。 参加してくださった先生方お一人ずつ、どんなことを心がけているかをお聞きしていくと…

村山 豪
5か月前
4

子どもの「今、ここ」から始めましょう 第129回e-cala cafe

新年度が始まり、先週の金曜日が始業式だった学校も多かったのではないでしょうか。 担任するクラスも発表され、子どもたちの様子について前年度の担任から引き継ぎがあっ…

村山 豪
5か月前
5

抽象的なことは具体的な姿に 第126回e-cala cafe

道徳と総合の実践を紹介した際に、 「先生の実践は、抽象的なことを具体的な姿として子どもたちと共有していますね」と参加してくださった先生におっしゃっていただきまし…

村山 豪
6か月前
5

あなたはどちらを選びますか?第125回e-cala cafe

今日のe-cala cafeは、防災に関する授業実践を紹介してもらいました。「クロスロード」という「災害対応ジレンマ」を経験できる教材を使った実践です。どちらを選んでも犠…

村山 豪
6か月前
4

個別最適な学びと協働的な学びの一体化を目指して

1 知識の再構造化の難しさ 2 意図的な授業デザインの必要性 3 これから必要とされる力 4 協調学習を引き起こすための手立て 5 思考途中のたどたどしいことばの重…

村山 豪
7か月前
6

他者との対話が必要な理由

益川氏は、「多様性を利用した授業形態-ジグソー学習法と協調学習支援システムの組み合わせ-」で、次のように述べています。 「知識獲得は、個体の持つ先行知識に制約さ…

村山 豪
7か月前
7

アンコンシャス・バイアスとペップトークとの出会い

子どもを見取る時に意識していたこと… ・自分のものさしで子どもを見ないこと。 ・見る視点を変えること。 ・その子がもっているリソースに注目すること。 守屋智敬氏は、…

村山 豪
8か月前
3

経験と省察をすることが大切

・子どもの声を聴くこと ・子どもの学びを見取ること ・子どもたちの学びの想定内を可能な限り広げること ・教育的瞬間を見逃さないこと 上記の力はどのようにして高めるこ…

村山 豪
8か月前
5

その自力解決は孤学ではありませんか?

課題提示→自力解決→グループ学習→全体共有→ふりかえり これは、よくあるパッケージ型授業の流れではないでしょうか。 もちろん、このような型を学び、身につけること…

村山 豪
8か月前
5

2:6:2の法則の6を動かす

世の中にはいろいろな人がいて、自分と全く違うベクトルを向いている人もいます。 そういう環境の中で過ごしていると、自分の考えていることや信念は間違っているのか?と…

村山 豪
8か月前
13

子どもたちの「今ここ」を出発点にしよう

授業とは、子どもたちの「今ここ」を出発点に支援していくものだと考えています。 教師が教えたい内容を教えるのではなく、目の前の子どもたちが、今、何ができて、これか…

村山 豪
9か月前
2

自分の姿を見つめることは苦しいけれど…

佐伯夕利子氏は「教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術」で次のように述べています。 「撮影したビデオを見て、私たちコーチは互いに指摘し合います。「あ…

村山 豪
9か月前
6

先生がいない方が子どもはよく学ぶ

教員11年目…教職大学院へ入学すぐ 大学の先生に 「どうすれば子どもは主体的によく学ぶようになりますか?」 と聞きました。 すると、 「先生がいなくなれば、子どもた…

村山 豪
9か月前
4

「聴く」ということ「待つ」ということ 第106回e-cala cafe

授業における教師の役割に「聴く」と「待つ」という行為があります。 今回は、この「聴く」ことと「待つ」ことについて考えたいと思います。 ①「聴く」ことを評価するこ…

村山 豪
9か月前
5

教師間の「観」の違いを埋めるには 第133回e-cala cafe

教師は、自分の受けた教育や授業が土台となって、教育観や授業観、子ども観が創られていくと思います。一方で、自分がもっている「観」に違和感を感じたり、自分とは全く異なる「観」をもっている教師と出会ったりすることによって、自分の「観」が再構成されることもあると思います。
しかし、私は、「観」が再構成されることは、稀だと考えています。
なぜなら、先ほど述べたように、「観」は経験則に大きな影響を受けています

もっとみる

ひとりで頑張らず、子どもたちとともに

グループ学習は・・・
子どもたちの関係性がよくなってから
学級が落ち着いてから
子どもたちがきちんと話し合うことができるようになってから
学習規律が整ってから
などなど
そう考えて、グループ学習をすることに躊躇してしまう先生も多いのではないでしょうか。
また、
グループにしてしまうと、私語が多くなってしまう
勝手に立ち歩いてしまう
各グループの様子を見取ることが困難
などなど
このような理由でグル

もっとみる

授業づくりで心がけていること 第131回e-cala cafe

今日のe-cala cafeでは、授業づくりで心がけていることについておしゃべりしました。
参加してくださった先生方お一人ずつ、どんなことを心がけているかをお聞きしていくと、共通していることが見えてきました。

・単元レベルでの授業づくり
単元を通して、身につけたい力を子どもたちが、自分たちが自分の力で獲得するにはどうすればいいのかを考える。

・子どもの学びの実態から授業を構想する
教材に出会っ

もっとみる

子どもの「今、ここ」から始めましょう 第129回e-cala cafe

新年度が始まり、先週の金曜日が始業式だった学校も多かったのではないでしょうか。
担任するクラスも発表され、子どもたちの様子について前年度の担任から引き継ぎがあったり異動しなかった先生方から伺ったりすることが多かった1週間だったのではないでしょうか。

さて、ここで少し考えみたいです。
引き継ぎでは、どちらかというと、プラス面よりもマイナス面での情報の引き継ぎが多いのではないでしょうか。
・落ち着き

もっとみる

抽象的なことは具体的な姿に 第126回e-cala cafe

道徳と総合の実践を紹介した際に、
「先生の実践は、抽象的なことを具体的な姿として子どもたちと共有していますね」と参加してくださった先生におっしゃっていただきました。

ふと思い出すと、約10年前に勤務していた学校の校長先生に、「優しくするとか丁寧にするとか、ちゃんとするとか、そういう言葉をよく使うけど、それらの言葉って、子どもたちはどんな姿をイメージしているのかな?子どもたちって、しっかりと具体的

もっとみる

あなたはどちらを選びますか?第125回e-cala cafe

今日のe-cala cafeは、防災に関する授業実践を紹介してもらいました。「クロスロード」という「災害対応ジレンマ」を経験できる教材を使った実践です。どちらを選んでも犠牲を払わなければならない「ジレンマ」状況から、自分で選択した行動の理由を話し合うます。

実際に大災害が起きた時は、判断と行動の連続です。しかし、その判断が正しいかどうかは、その後の結果に大きく左右されます。
何が正解なのか分から

もっとみる

個別最適な学びと協働的な学びの一体化を目指して

1 知識の再構造化の難しさ
2 意図的な授業デザインの必要性
3 これから必要とされる力
4 協調学習を引き起こすための手立て
5 思考途中のたどたどしいことばの重要性
6 協調学習を引き起こすための条件
7 より質の高い知識の獲得
8 適応的熟達者的な学び手を育てる

【知識の再構造化の難しさ】
知識獲得は、個体の持つ先行知識に制約される。
人間の知識は、新しい情報を既有の枠組みと調和するように

もっとみる

他者との対話が必要な理由

益川氏は、「多様性を利用した授業形態-ジグソー学習法と協調学習支援システムの組み合わせ-」で、次のように述べています。
「知識獲得は、個体の持つ先行知識に制約される。人間の知識は、新しい情報を既有の枠組みと調和するように解釈する、という意味で保守的性格を持つから、再構造化は稀にしか起きない。人の知識は、新しい情報を既有知識の枠組みになるべく調和するような形で解釈する傾向がある。」

人間の知識は、

もっとみる

アンコンシャス・バイアスとペップトークとの出会い

子どもを見取る時に意識していたこと…
・自分のものさしで子どもを見ないこと。
・見る視点を変えること。
・その子がもっているリソースに注目すること。
守屋智敬氏は、「「アンコンシャス・バイアス」マネジメント」で次のように述べています。
「「無意識のうちに偏ったものの見方をしてしまっている」これをアンコンシャス・バイアスといいます。」
「アンコンシャス・バイアスの正体は「自己防衛心」です。自己防衛心

もっとみる

経験と省察をすることが大切

・子どもの声を聴くこと
・子どもの学びを見取ること
・子どもたちの学びの想定内を可能な限り広げること
・教育的瞬間を見逃さないこと
上記の力はどのようにして高めることができるのでしょう。
以前、大学の先生に、「スキル的技術は真似することはできるけど、アート的技術は真似することはできないのです」と言われたことがあります。

スキル的技術とは、授業の流し方や学習材、発問の仕方といった方法的な技術のこと

もっとみる

その自力解決は孤学ではありませんか?

課題提示→自力解決→グループ学習→全体共有→ふりかえり

これは、よくあるパッケージ型授業の流れではないでしょうか。
もちろん、このような型を学び、身につけることは大切だと思います。型があるから破ることができるわけですし、型がなければ、「かたなし」になってしまうと思います。
しかし、
このパッケージ型授業の課題提示後の自力解決についてはいささか疑問を感じます。
授業者の中には、
・自分で考える時間

もっとみる

2:6:2の法則の6を動かす

世の中にはいろいろな人がいて、自分と全く違うベクトルを向いている人もいます。
そういう環境の中で過ごしていると、自分の考えていることや信念は間違っているのか?とブレてしまうことがあります。私自身、何度もそんな気持ちになりました。
そんな時には校外に出て、研修会に参加したり、同じ考えをもった方と話をしたりすることに努めました。
そうすることで、同じような考えをしている人がいる!大丈夫、間違ってない!

もっとみる

子どもたちの「今ここ」を出発点にしよう

授業とは、子どもたちの「今ここ」を出発点に支援していくものだと考えています。
教師が教えたい内容を教えるのではなく、目の前の子どもたちが、今、何ができて、これから何ができるようになりたいと思っているのか、また、どんなことに疑問を感じていて、どのようにして解決したいと思っているのかを見取り、そこを出発点として、授業をデザインしていくことが大切なのだと思います。
そして、その見取りが甘ければ、目の前の

もっとみる

自分の姿を見つめることは苦しいけれど…

佐伯夕利子氏は「教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術」で次のように述べています。
「撮影したビデオを見て、私たちコーチは互いに指摘し合います。「あんなにシリアスに言ってしまうと、選手は怖がっちゃうよ」などと指導者のアティチュード(態度)に言及するものもあれば、「あそこは選手に自分で考えさせたほうがよかった」というものも。もちろん良い指導を認め、「あの声がけはよかったね」と褒めたりもし

もっとみる

先生がいない方が子どもはよく学ぶ

教員11年目…教職大学院へ入学すぐ
大学の先生に
「どうすれば子どもは主体的によく学ぶようになりますか?」
と聞きました。
すると、
「先生がいなくなれば、子どもたちはよく学ぶようになりますよ。」
と言われました。
この言葉を聞いて
「そんなことはない。先生がいなくなったら、授業が成り立たないのではないか。」
と反論しました。
しかし、
教職大学院での2年間で、この言葉に間違いがないということを痛

もっとみる

「聴く」ということ「待つ」ということ 第106回e-cala cafe

授業における教師の役割に「聴く」と「待つ」という行為があります。
今回は、この「聴く」ことと「待つ」ことについて考えたいと思います。

①「聴く」ことを評価することの難しさ
以前、お世話になった大学の先生に言われた言葉です。
「聴く」ことを評価することが難しいです。なぜなら、みな、聴いているからです。聴いている内容は人それぞれです。Aさんのベクトルでは聴いていないと見なしても、Bさんのベクトルでは

もっとみる