自分の姿を見つめることは苦しいけれど…

佐伯夕利子氏は「教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術」で次のように述べています。
「撮影したビデオを見て、私たちコーチは互いに指摘し合います。「あんなにシリアスに言ってしまうと、選手は怖がっちゃうよ」などと指導者のアティチュード(態度)に言及するものもあれば、「あそこは選手に自分で考えさせたほうがよかった」というものも。もちろん良い指導を認め、「あの声がけはよかったね」と褒めたりもしました。」
「このプロジェクトでは、評価の目は自分たちコーチに向けられます。「なぜ、あそこであの声がけをしたの?」と突っ込まれたり、突っ込んだり。コーチ歴の長いベテランも、新人もそこでは対等でした。」
「お互い痛みを伴ったわけですが、そこから自分たちのリフレクション(内省)が進みました。この会議によって多くのコーチが自分の指導を見直しました。」
「会議を続けていくと、選手への声がけに支配的なワードが目立つことが明らかになりました。こうしろ、ああしろという指示、命令。選手へのダメ出し。否定です。」
「「自分の言動に意識的かどうか」の振り返りをする習慣が重要だと感じています。」
「その都度、「言葉」や「行動」の意図を考えるようになりました。それまで注目したことのなかった自分の言動を、ふり返る習慣が生まれたのです。。その結果、発する言葉を自分で意識して選ぶようになったり、選択肢を増やすようになったり、自然と言葉の仕分けを自分でするようになりました。」

教室の大人は担任のみです。
そうなると、どうしても教師は、権威的になってしまうことがあります。子どもに対して命令口調になったり、大きい声で怒鳴ったり、否定的な言葉を浴びせたり…。
長年、そのような指導をしてしてきていると、それが当たり前になり、自分の言動を疑うことをしなくなります。
しかし、実際に自分の言動を動画等で振り返るとどうでしょう。
きっと、どれだけひどい言葉を子どもたちに言っているか、どれだけひどい行為を取っているかが見えてくるのではないでしょうか。
自分に焦点を当てて、授業の様子や子どもたちへのかかわり方について振り返ることがつらいことかもしれません。
でも、こうして自分の言動について実際の姿を見て、リフレクションしていくことが、授業の質の向上へ、そして、子どもたちへのかかわり方の変容へとつながっていくのではないでしょうか。

引用参考文献
教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術 2021 佐伯夕利子 小学館新書
note 言葉を選ぶ 村山豪
note 子どもを大切にするということ 村山豪
note 自分のものさしでみない 村山豪

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