INTERVIEW: GriffO(鬼否) from China
今年はコロナ禍明けての来日ラッシュに驚くばかりですが、その中でも特に注目すべきアクトといえば誰か?と考えたとき、個人的には中国は杭州より来日を果たすGriffO(鬼否)にほかならないと思います。マスロック〜ポップや、エクスペリメンタル、あるいはフォークトロニカ的な香りも漂わせながら、Synchronicityをはじめ、東京、大阪、福岡とツアーを行う彼ら。作品集としては4作目となる2023年リリースのアルバム「本體Ontology」を引っさげての待望の来日公演が来月4月に実現します。
今回、XやFacebookで繋がりのあった彼らに来日直前インタビューをメールで行いました。少しでも彼らの魅力が伝わればと思います。
Interviewed by tak
GriffO(鬼否)
バンドメンバー
vo./synth.: 丸易玄(wang yixua)
gt.: 張一杨(zhang yiyang)
ba.: 邓择撰(deng zezhuan)
dr.: 龚啸(gong xiao)
バンドについて
今回インタビューを受けてくれてありがとう!
丸(vo.):こちらこそありがとうーー
今回日本語でインタビューできてうれしい!Xの更新も丸さん?
丸(vo.):はい、すべてのsnsを更新しています (得意ではありませんけど)
バンド名のGriffO(鬼否)の意味や由来、バンド結成のきっかけなどを聞いてもいい?
丸(vo.):最初はgriffonageという英語の単語に由来していた。(意味は:ぞんざいな字、例えば医者が書いた読めないメモです)当時、私たち最初の創作状態に似ていると思って、最初の6文字を取って「griffo」をバンド名にしました。「鬼否」は完全に英語から音訳されていて、中国語の意味ではありません(笑)
私たちは同じ大学(中国美術学院)に通っていました。部活を通じて知り合った。私たちの学校はわりと自由な場所です。最初はバンドをやることに何の抱負もなく、「新鮮さ」のある音楽を楽しみたいという共通認識から始めました。ただ自由に作りたいと思っていました。
音楽性はマスロックやマスポップと言われそうだけど、はじめからこういう音楽をしようと思っていたの?
丸(vo.):マスロックバンドと言われていますが、実は始めた時は全くジャンルを考えず、好き勝手にやっていただけでした。しかし、マスロックは確かにある意味で私たちが目指している音楽を要約することができます。
例えば、私たちがよく使う奇数のビート、例えば、意図的によく使われるパターンを回避すること、たまに複雑なソロなど……。
つまり、最初のep「神游大王」がリリースされてから、まとめられてから、私たちがマスロック触れるようになりました。マスロックを目指してこのバンドを始めたわけではありません。
日本ツアーの話を聴いてびっくりしたよ!初来日で日本のSynchronicityに出演するって凄いことだよ!
丸(vo.):ありがとうございます。とても光栄に思っています。バンドでは、初来日です!ワクワクしています!(私自身なら、昨年toconoma 15周年のゲストボーカルとして出演させていただきました)今回はSynchronicityもツアーも大好きなバンドと一緒にできて本当にうれしくて、夢が叶ったような気分です。
張(gt.):実は10年前に陶芸家(!)として信楽に数ヶ月滞在したことがあるんだけど、今回初めて海外でバンドメンバーと一緒に演奏することになったんだ。 日本のポップミュージックは僕らの世代に大きな影響を与えてくれてるんだ。 今回の来日は僕にとって特に印象に残る経験になると思っているよ。
龚(dr.):今回の公演は僕らにとって大きな意味があって、ステージに立って観客と音楽を分かち合うのが待ちきれないよ。 GriffOの音楽キャリアにおける重要なマイルストーンだし、メンバー全員が夢見てきた瞬間でもある。 すべての観客に僕らの音楽のパワーを感じてもらえるよう努力したいな。
新作「本體Ontology」について
昨年リリースした「本體Ontology」が中国国内でも評価されたらしいね。その前の「通用计算 / «Neo Eniac»」(汎用コンピューター)も大好きな作品だけど、今回のOntology(オントロジー、情報科学)は一段と多様性に満ちた作品になっていると思う。
丸(vo.):「本體Ontology」は「Neo Eniac」の世界観を引き継いでいる。実は、「未来のテクノロジー、AIの神性、人間の役割は代替されるのか」という個人的な想像をもとに始めました。SF設定ではありますが、身体の個性と存在の美しさを表現したい。テクノロジー、進化、人間性についての 物語です。
(自分の日本語力が足りていないのが本当に残念です。もっと日本語を勉強したら、すべての歌詞を日本語に訳してみたいと思います。そうすれば、このアルバムの各曲は異なる視点を持っていることがすぐに理解でき、つながっていくかもしれません。もう一つの完全な物語です)
例えば『超真実生態瓶』真実そのものが崩壊し、真実よりもっと「真実」の状態や現実が現れる、いわゆる超真実である。私は野菜を飼うように住民を囲んで、彼らに私有の景色を見せて、私は意識すなわち『自然法則』をアップロードして、すべての住民に教えて、すべての循環は、すべて力の生きている、世界の万物の維持であり、ただこの法則の下で無法の延長が続いているように見える。
例えば『界门纲目科属種』非肉身から肉身への進化(退化)を経て、人間の知識を十分に身につけた後、逆に最も原始的な問題を考え始めた 環境は種を決定して、私たちはちょうど人になって、人類、および人類社会の中で異化された多くの群体、実はまた“存在”ではありません―――環境が種を決める、人間はたまたま人間になる―――ちょっと間違えたらバナナになるかもしれないでしょう、とか。
例えば『RE:人是』(これはちょっとした冗談です。「人是」は「鬼否」の対義語です。)MVはこの曲の個人的な意図を非常によく表現しており、人間が入れ替わる物語を伝えています。
例えば『白化』は「超真実生態瓶」の世界とは対極にある「不合理な世界」です。白化の世界も秩序が破壊される。生物集団が白化した後、すべての皮膚がつながり、肉体もすべて溶け合った―――の結果です。
さっき少し触れた「自然法則」は、君たちにとって初めての日本語の歌詞?とても印象的で、世の中の真理を唱えるような唄だね。
丸(vo.):この歌詞は『道徳経』に由来しており、もともとは中國の文語文です。実は前の3曲をつなげて考えることができます。
フィクションは物語の起点であり、「『私』は野菜を飼うように住民を養い、私有の景色を見せ、 『自然法則』は私がアップロード」する意識で、真実よりも「真実」な状態、それはいわゆる超真実です。架空の世界なのに真実を求めて、少し皮肉な感じがします
丸(vo.)︰日本語といえば、KB(プロデューサーさん)は日本人なので日本語を使います。(笑)
えっ、KBさんって日本人?!
丸(vo.)︰はい、あの低い男声はkbです。女声は私です
最初のデモはヴォーカルがなかった、プロデューサーがラップをパロディしていたときにインスピレーションを受けて、彼を誘って一緒に歌った。
KBというあだ名の由来については、彼のめちゃくちゃなラップがナルトのキラービーに似ていると言ったからです(笑)
(笑)
そうなんだ!GriffOの作品って、前作«Neo Eniac»収録の拓麻歌子(たまごっち)を含め、結構日本の関わりがあるのは面白いし嬉しいな。
初めて君たちの1st、神游大王を聴いたときから一貫してメロディの面白さ、トリッキーさと心地よく優しい声を大切にしている気がしてるよ。バンドとして、曲を作るうえで大切にしていることってある?
丸(vo.):バンドとしては、同じペース、個性、「面白さ」の追求が大事だと思っていて、ミュージシャンだけでなく、リードシンガーとして作詞・作曲も担当しなければなりません。バンドの世界観もとても大切だということをますます感じます。
張(gt.):リフやメロディが新鮮に感じられるかどうかが僕のポイントだし、バンドメンバーとの意思疎通も大事に思ってるかな。
今後GriffOが世界的なバンドになるのを楽しみにしているよ!今後ワールドツアーも考えてたりする?
丸(vo.):もちろんすごくやりたいです!ネットワークの問題もあって、他の国の人たちに私たちのことを直接知ってもらうのは難しいようです。ギタリスト、ドラマー、そして私は現在大学の教師をしています。 二重のアイデンティティを維持しています。。。現実的な要素はたくさんありますが、この目標に向かって頑張っていきたいです。
張(gt.):もしやれるならやりたいよね〜。
好きなアーティストについて
僕が好きな中国のバンド、例えばtfvsjsやChochukmo、Chinese Footballが特に好きだけど、知らないバンドも多いと思うんだ。好きな中国のバンドを教えてくれる?
丸(vo.):絶対純潔、重塑雕像的権力、Duck fight goose
※個人的にも重塑雕像的権力(Re-Tros)は昔めちゃくちゃ好きだったけど音源自体が手に入らなさすぎてご無沙汰になってたバンドで、ここで名前を久々見たのはある意味感慨深さも・・・。
あわせて、メンバーの皆が好きな日本のバンドがいれば教えてください!
丸(vo.):東京事変(椎名林檎)、cornelius、toe、LITE、mudy on the 昨晩、全ての対バン相手(多すぎる。。。!)
張(gt.):toe、山下達郎、YMO、regaなど、本当に尊敬する日本の音楽家はたくさんいるよ。
邓(ba.):T-SQUARE、Casiopea、L'Arc~en~Ciel、東京事変、LITE、tricot、サカナクション、TK from 凛として時雨
龚(dr.):LITEとtoeは、僕らが深く敬愛するジャンルのパイオニアで、そのユニークな音楽スタイルとテクニックで知られていると思う。toeの繊細な音楽表現と感動的なメロディーは無数のリスナーを魅了し、LITEの音楽のエネルギーと創造性も―――彼らの音楽は温かさとソウルフルさに溢れ、常に心に響いてくる。 LITEやtoeのようなマスロックの先駆者とステージを共にできるのは、僕らにとって大変な名誉でもあるし、(音楽に対する今後の)インスピレーションにもなるはずさ。彼らと一緒に音楽を奏でる機会を大事にしたいと思うよ。
最後に
今回僕が住んでいる福岡にも来てくれるのはとても嬉しい!ありがとう!美味しい食べ物が自慢の街だけど、日本で食べたいものってある?
丸(vo.):実はよく日本に旅行に来ていて。一番好きのものは蟹刺身です!!!そして甘エビ、醤油ラーメン、全部食べたい!
張(gt.):1999年頃、杭州には日本食レストランがあまりなくてね。でも、僕が10歳の時に杭州で初めて行った日本食レストランは、「福岡」という名前の店だったんだ。でもね、サーモンの刺身しか食べた記憶がない・・・。サーモンは本場の福岡の食べ物ではないと思うけど・・・。
だからこそ、福岡で何か食べてみたいと強く思うよ。
最後に、日本の音楽ファンに向けて一言お願いします!
丸(vo.):海とネットの向こう側からですが、頑張って皆さんの前に立ちたいです、もし私たちの気に入っていただけたら幸いです、ライブで会いましょう!
張(gt.):みんなに会うのが待ちきれないよ。
邓(ba.):皆さんにお会いできるのをとても楽しみにしています。(^^)
龚(dr.):僕らはGriffO! この公演でみんなと会えるのをとても光栄に思います。 この公演でみんなを楽しませ、感動させたい!忘れられない思い出を一緒に作りましょう!
about GriffO
vo./synth.: 丸易玄(wang yixua)
gt.: 張一杨(zhang yiyang)
ba.: 邓择撰(deng zezhuan)
dr.: 龚啸(gong xiao)
spotify
bandcamp
youtube
x
facebook