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スタッフたちは考えるシリーズ

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たけし文化センター連尺町のシェアハウス&ゲストハウスを舞台に日々繰り広げられる生活の一幕、そこに関わるスタッフたちが生活や自立やシェアや人生のあれやこれやについて巡らせる思いや思…
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記事一覧

発足、日曜お出かけクラブ!

発足、日曜お出かけクラブ!

シェアハウスで暮らす壮さんは、ヘルパー事業所ULTRAのサービスを使って、毎週日曜日に遠出を楽しんでいる。

野外ライブに参戦したり、海岸に行って展望台に登ったり、エアーパークや浜名湖周辺といった観光スポットを歩き回ったり……ヘルパーが変われば行先も変わる。そこに「お客さん」が加わると、流れる時間や関係性も揺れ動く。日曜のお出かけは、人を巻き込めば巻き込むほど、誰にとっても豊かなものになっていくの

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まーくんと街へ

まーくんと街へ

昨年からレッツでは、ULTRAのヘルパーサービスに馴染みのない利用者・スタッフ双方が、移動支援の枠組みで外出をしてみる「わくわく日曜ULTRA」という取り組みを行っています。生活介護で過ごすアルス・ノヴァおなじみのメンバーも、マンツーマンでお出かけすると一味違った表情が見られることも。いつもは平日の日中しか邂逅することのないアルスメンバー「まーくん」と、スタッフ渡邊。2人が過ごしたある日曜日の記録

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浜松まつり ―連尺町より愛を込めて―

浜松まつり ―連尺町より愛を込めて―

浜松の市街地は、もともと職人の町がひしめきあって出来ている。こっちの角から鍛治町、向かいの通りは紺屋町と、隣り合っている敷地であっても、所属している町内は異なっていたりする。かつてはそんな町の広場ごとに凧を揚げていたのを、やがてひとつの会場で合流しようということになって、凧を運ぶ台車が御殿屋台になって、興奮冷めやらぬ想いを夜の練りにぶつける、という今のカタチに至る(詳しくはウェブで検索ください)。

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「ヘルパーのなつめさんです」

「ヘルパーのなつめさんです」

「ヘルパーのなつめさんです」と、紹介された。
えっ?と思って、私を紹介したヘルパー事業所ULTRAのチーフ、ユーイチさんを見たが、平然としている。

2024年4月のことだ。これまでずっと、バックオフィスとして働いてきた私だが、志願してこの4月からレッツのヘルパー事業所「ULTRA」のスタッフに異動し、初めてヘルパーとして高橋舞さんの支援に入った初日だった。

「ヘルパーのなつめさんです」。紹介さ

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ULTRA誕生前夜 その1

ULTRA誕生前夜 その1

どうも〜、レッツのヘルパー事業部アルス・ノヴァULTRAのさまよえるチーフ、ササキです。 ぼくがいまのようにパーソナルアシスタンス*的な支援を志向するようになったのには、その「種」となったようなできごとがいくつかある。折にふれて、話してきたつもりだけど、ちゃんと形に残したことはなかったなと、先日人と話していて気付いたので、そのうちのひとつのことを今日は書こうと思います。
*パーソナルアシスタンスと

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きっちりしつづける

たしか小学校低学年のころ、わたしはときどきてるてる坊主をつくり、晴れてくれと願かけをした。
それが叶ったあるとき、感謝するつもりだったのか、わたしはてるてる坊主に紙でつくった服を着せた。そしてそのまま、壁掛けのポケットに飾るかのように、収めた。
その後も何度かてるてる坊主に願掛けし、晴れたり晴れなかったりして、ワンピースだけだった服にエプロンがつき、そこに装飾が施され、王冠のようなものがつき、さら

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「生活」し、時々で私が想ったこと。

「生活」し、時々で私が想ったこと。

2017年1月22日
夜遅くまで浜松中心市街地にある、
『「表現未満、」実験室』でイベントがあって、車を転がして職場に戻って行く中、飲み屋街に往来するイケイケなお兄ちゃんやお姉ちゃんを車から眺めていると、最近色んな人に話聞いてもらっている事がモクモクと湧いてきて、自分で自分に問いかけをしている自分を見つけました。
それというのも、至極単純な話で、決してイケイケなお兄お姉を否定して自己満足していると

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「女」ブーム

「女」ブーム

さいきん私に「女」ブームが来ている。
きっかけは「表現未満、Webマガジン」に掲載された、作家の川内有緒さんが書いたエッセイ、「その名を呼びながら~クリエイティブサポートレッツの断片集~」である。
これは、たけし文化センターに滞在した川内さんのたけぶん体験記なのだが、筆の力ってこんなに確かに存在するんだ!と心底びっくりした。出会って見聞きしたことと時間と記憶と自分の奥底の大事なところを絹糸でつなげ

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「ウンチ奇談」

「ウンチ奇談」

ある気づき数年前にふとした気づきがあってから、そうではないかという思いが拭いきれず、頭から離れないある考えがある。順を追って説明しよう。トイレで用を足しているときに、ふと匂った、そして思った「俺のウンチが、たけしのウンチの匂いに似てきてる?」。似ていることは確かだった。それが以前からそうだったのかどうか。確かめる術はないのだけれど、きっと違った気がした。もちろん、その時々の体調によって匂いは違う。

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リレーエッセイが始まる

リレーエッセイが始まる

リレーエッセイが始まる、長い前置き「たけしと生活研究会」のnoteで、レッツスタッフのリレーエッセイが始まります。
このリレーエッセイでは、「たけし文化センター連尺町」のシェアハウス&ゲストハウスを舞台に日々繰り広げられる生活の一幕や、そこに関わるスタッフたちが生活や自立やシェアや人生のあれやこれやについて巡らせる思いや思考、それらが極私的にかつ自由で雑多で気ままな文体で――時には4コマ漫画で、な

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