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#住宅
食寝分離論というプロジェクト【1】ばばばあちゃんの就寝行為
建築計画学の教科書に必ず登場する用語に「食寝分離」があります。「食うところと寝るところを分けましょう」という意味合いのこの言葉。戦後日本の住宅計画を決定づける考え方へと発展していきました。
提唱者である西山夘三(1911-1994)は、後に、この「食寝分離」の考え方が「現状の分析からそこに隠されている法則性を発見し、これを創造的に適用しようとするリアリズムの展開」だったと回顧しています。
一方
モクチンメソッド|危機を好機に転換する現代版「計画的小集団開発」
木賃アパート。ハウジングの戦後史を辿るとき必ず出てくるこの言葉。たしかに老朽化して空室も目立った状態であちこちに見かけるよなぁ~。これは社会問題にもなっていくよな~。などなど他人事に思っていたのですが、ある本を読んで「あ、そうか!いま自分が住んでるアパートも木賃アパートだ!」って、にわかに自分事になってオドロキました。
そんなキッカケとなった「ある本」とは、『モクチンメソッド:都市を変える木賃ア
ひとつひとつの材木にも心を配る家づくりを|坂倉準三「一日本小住居」を読む
いまでは月刊化されている『新建築住宅特集』ですが、昔は散発的に組まれる『新建築』の特集号としてありました。1942年1月号もそうした「住宅特集」の一冊です(図1)。
図1 新建築 1942年1月 住宅特集号
その内容はといいますと、30坪小住居特集と題して、坂倉準三「一日本小住居」、吉田五十八「岡田氏邸」のほか、三菱地所建築課「磯氏邸」、竹中工務店「某邸」、そして住宅営団「パネル式組立住宅」が
家の条件|村上慧『家をせおって歩く:月刊たくさんのふしぎ』を読む
月刊「たくさんのふしぎ」(福音館書店)は小学生向けながらも、ときどき度肝を抜く企画があるので油断できません。
家をせおって歩くそんな一冊、村上慧『家をせおって歩く』(2016年3月号)は、わたしたちが生きることと住まうことの関係、それが持つ自由と不自由について考えるヒントを怒濤の如く与えてくれる名作(図1)。
図1 家をせおって歩く
美術家・村上慧は「移住を生活する=移動の中に留まる」という