記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレあり】街とその不確かな壁④:10分で読む村上春樹(#ファスト読書)

読書ノート(124日目分)

23年4月に発刊されたばかりの
村上春樹の6年ぶりの新刊の紹介です。

全部で650ページ超(約50万字)の内容を
約10分で読める約5000字に超要約して
紹介してみようという、
僕の「ファスト読書」への試みです。

前回までを含めて全5回に分けて
紹介をしてみます。


※ここからはネタバレを大いに含みますので
 今後読む予定の方はご注意ください






前回までの話は、こちらからどうぞmm


それでは本編の紹介④です


・図書館でいつものように勤めていたある日、
 イエローサブマリンのイラストが描かれた
 緑色のパーカーを着た高校生ほどの少年が
 突然「私」に向かって生年月日を尋ねてくる
・「私」が生年月日を答えると、
 「あなたの誕生日は水曜日」と少年は言った

 司書の女性の話によると…
・少年はサヴァン症候群により
 読んだ本を正確に記憶することができること、
・突然、相手の生年月日を尋ねては
 その曜日を答えることを得意としていること、
・少年は高校にはほとんど行かずにほぼ毎日、
 図書館で様々なジャンルの本を読み漁っていること、
・家族には出来の良い兄が2人いて
 少年の父親は、兄2人を誇りに思う一方で
 高校受験に失敗した少年への関心は薄いこと、
・母親は少年を愛しているが、少年の特異な才能を
 開花させたい想いはなく自分の傍に置いておきたいこと、
 などの事情を聞く

・ある日、「私」は司書の女性から白紙の封筒を受け取る
 その封筒は、あの少年が「私」に渡すようにと
 依頼したものだった

・「私」は館長室に戻り、封筒の中身を確認すると、
 A4用紙の紙が1枚だけ入っていて、
 その紙には、手書きの地図が描かれていた

・そしてそれは
 所々に「私」の記憶違いの所はあるが、
 間違いなく「壁に囲まれた街」の地図だった

・「私」はなぜ少年が壁のある街のことを
 知っているかについて思いを巡らす

・すると一つの可能性として、
 以前、休館日に元館長のお墓参りをした際、
 墓石に向かって独り言で
 壁に囲まれた街の話をしていた際、
 墓地の遠くにその少年がいたことを思い出す

・ただし、少年とは距離的にも離れていたし、
 その少年に聞かせるように話した訳では無いが、
 でもそれ以外には、
 少年が壁に囲まれた街のことを「私」経由では
 知る由は思いつかなかった

・「私」は少年が描いた地図を丁寧に確認し、
 そして自分の記憶を辿りながら、
 少年が描いた地図に7箇所の訂正を記入し、封筒に入れ、
 司書の女性に、あの少年にこの封筒を渡すように伝える

・それから数日後、(司書を経由して)少年が
 「私」と話したいことがあると声を掛けてくる。
 そして、2人は館長室で話をする

・少年は終始、言葉数は非常に少なく、
 特には持参したメモ帳に筆談をするように
 「私」との会話をする
・少年は、その少ない言葉を通じて、
 壁に囲まれた街に行きたいということ、
 その街まで「私」に案内をして欲しいこと、
 その街の図書館で「夢読み」の仕事をする資格が
 自分にはあることなどを訴えた

・「私」からは、
 街に一度入れば影を引き剥がされ、
 二度と外には出られなくなる可能性があること、
・そのまま街に滞在して影を失えば
 現実の世界での存在が消滅してしまう可能性が
 あること等を伝えたが、
 少年の意思は強く、一貫して揺るがなかった

・「私」も司書の女性から聞いていた
 少年の家庭環境を思い出し、
 壁のある街に少年が自ら行きたいという気持ちに
 一定の共感はするものの、
 それは人間としての道理に反しているのではないか
 との思いを抱き悩む

・そして何より、
 「私」が壁に囲まれた街に辿り着いたのは
 偶然であり、どうやったら壁のある街へ
 行けるかは自分にも分からないことを伝えたところ、
 少年はしばらく無言になり、
 そのまま振り返らずに館長室を出ていった

・「私」は図書館の休館日の月曜日は
 元館長の墓石に毎週お参りに行き、
 近況を報告することが習慣になっていた
・そしてお墓参りの後は、決まって近くの
 名前の無いコーヒー屋で
 コーヒーとマフィンを食べるように
・そのコーヒー屋では「私」より10歳ほど若い
 30代半ばの女性が店主として
 店を一人で切り盛りしていた
・「私」は毎週のようにその店に通うことで、
 少しずつ2人の間の会話が増えていった
・そしてある日、
 「私」はとても自然に、その女性に
 「今夜一緒に夜御飯でもどうか」と誘っていた

・2人は食事をしながら、いろいろな話をした
・女性は数年前に離婚をして
 故郷の札幌を出ることを決意したこと、
・知人がいない場所でかつ、自分のコーヒー店を
 オープンできる条件が揃ったので、
 この土地を選んだことなどを聞く

・18時過ぎから会っていた2人の会話は弾み、
 気付けば時間は21時を過ぎていた
・次回また会うことを確認し、2階を自宅として
 住んでいる彼女のコーヒー屋(自宅)まで見送る
・別れ際、ふいに彼女から頬にキスをされ、
 その感触と温もりに「私」は少なからず心が動いた
・そして心のどこかで
 16歳の少女「きみ」との思い出を思い出していた

・その夜、「私」は気が付くと自宅ではなく
 図書館に辿り着いていた
・そのまま深夜の図書館に入り、
 いつもの半地下の薪ストーブがある部屋で
 しばらく時間を過ごすことに
・そこでは、元館長がつい先程まで居たであろう
 薪ストーブを使った形跡があるものの、
 呼びかけても姿を現すことはなかった
・数時間の間、その半地下の部屋で「私」は、
 先程まで会っていた
 コーヒー屋の女性のことを考えていた

・そして深夜0時を過ぎたころ…
 「お待たせをいたしました」という声と共に、
 元館長が姿を現す


さて、
図書館通いの謎の少年の登場、
主人公の心を動かすような女性との出会い、
そして幽霊のような元館長が深夜に現れる…

今後どうなるのか、
読んでいてハラハラする展開です。

…ということで、次回⑤に続きます!😉


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?