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【ネタバレあり】街とその不確かな壁③ :10分で読む村上春樹(#ファスト読書)

読書ノート(123日目分)
今日でGW最終日、
明日から仕事モードに戻るということで
いろいろと考えてみた結果、
今日で一気に最後まで
物語を紹介してしまおうと思い、
連続投稿することにしました。

もしかしたらですが…
僕の前回までの記事を読んでくださり、
続きが気になってくださっている方が
もしいたとしたら、とても嬉しいです…!

…と、前置きはこの程度にして
早速、続きを紹介していきます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
23年4月に発刊されたばかりの
村上春樹の6年ぶりの新刊の紹介です。

全部で650ページ超(約50万字)の内容を
約10分で読める約5000字に超要約して
紹介してみようという、
僕の「ファスト読書」への試みです。

前回までを含めて全5回に分けて
紹介をしています。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


※ここからはネタバレを大いに含みますので
 今後読む予定の方はご注意ください






前回までの話は、こちらからどうぞmm


それでは本編の紹介③です


■壁のある街の話の続き…

・隣人から「私の影」の具合が悪い様子だと聞き、
 「私」は影と再度会話をする事に
・影からは寿命が近づいていること、
 もし「私」と一体になれば影は生き続けられること、
 一体になれば街から出ないといけないが、
 門衛との最初の契約でこの街から出ることはできないため
 街から出るには街の北側にいる門衛に見つからない、
 街の南端にある、川の溜まりから抜け出すしかない
 という提案を持ちかけられる

・街の人々の話では、川の溜まりに近づくと
 吸い込まれて二度と戻れなくなるという噂がある
・そして、川の溜まりに潜り込み、
 向こう側に泳ぎ切ることで
 本当に外の世界に抜けられるかの保証もない
・ただ「私の影」が「そうであると確信している」
 と言う、その言葉だけだった

・「私」は1週間の時間をかけて
 「君」や「私の影」に相談をし
 どちらの世界に留まるべきなのかの決断をする

・「君」に、この街を出るかもしれないことを
 相談をしたところ、「君」の返事は
 「影はいずれ死んで無くなってしまうもの」
 「どうやって街から出るのか」との返答だった

・そうした発言から「私」は、
 この街の「君」は恋をしない存在なのだと悟る。
・そして、影に「この街を抜け出そう」と話にいく

・門衛が留守にしている間に、
 「私」は衰弱した影を背負いながら
 街の南端の川の溜まりに辿り着く
・影が集めた情報と仮説では、
 川の溜まりに潜り込み、その下で
 街の外に繋がっているはずとのこと

・いよいよ溜まりに飛び込む、その時、
 「私」は影に向かって
 「ここから先は影一人で行くこと」
 「私はこの街に残ること」を伝える
・そして、影とは握手をして別れ、
 影は川の溜まりの中に、
 私は街に留まるという、
 それぞれの道を歩むことを決断する

(第二部)
・「私」が目を覚ますと、
 なぜか影がある元の世界に戻っていた
・この世界に戻ってからも、
 出版流通会社の仕事はそつなく務めていたが、
 「私」は会社を辞めることを決断する

・次の仕事は特に決めておらず、
 しばらく独りの時間を過ごしていたところ、
 「私」はある夢を見た

・そこは(「古い夢」を読むのではなく、普通の)
 地方にあると思われる図書館で勤めている夢
・そして、夢から覚める直前に目にしたのは、
 周囲からは「私」の物だと教えられたけれども、
 見覚えのない紺色のベレー帽

・夢から覚めた「私」はハッと気付き、
 図書館で新たに仕事をする事を決意する
・前職の会社の後輩の紹介によって、
 図書館長の後任を探している
 福島県の図書館で面接を受けることになる

・その図書館は山や森に囲まれた町立図書館
・灰色の髭を生やした老人男性の元館長による
 採用面接がされ、「私」の図書館での勤務が決まる

・面接を終え、元館長が外出する際に手にしたのは
 夢で見た物と同じ紺色のベレー帽だった
・「私」はこの時点で、
 何かと何かがつながっていると息を呑む

・その後、図書館長として福島県に引越し、
 前任の館長から業務引継ぎを受けながら
 徐々に新たな仕事に慣れていく
・元館長は自身のプライベートを自ら話す人ではなく、
 図書館の職員も元館長の話をするのは避けている様子
・分かっていることは独身で、
 この図書館は元々は元館長が所有していた建物で、
 ベレー帽は甥っ子がパリで買ってきてくれたことくらい
・そして元館長に連絡先を聞くが教えてはくれず、
 数日おきにふらっと図書館に訪れては、
 館長としての業務を「私」に教えてくれる

・季節が冬になるにつれて館長室が冷え込む中、
 元館長が半地下に暖かい部屋があることを教えてくれる
・冬はそこで仕事をすると良いとのことで、
 一緒に半地下の部屋に行くと、そこにあったのは
 見覚えのある薪ストーブ
・それは、壁に囲まれた街の図書館で
 「君」と「私」が暖をとっていた
 あの薪ストーブにそっくりだった

・その数日後、
 半地下の部屋で元館長と話している際に、
 ふと元館長の腕時計を見ると、
 その時計には針が無いことに気付く

・その時、壁に囲まれた街の時計台には
 その針が無かったことを思い出すものの
 ただし、その理由は尋ねない方が良いと
 本能的に察知し、
 その場は腕時計の話題は避けて終わった

・その後、ある日の夜22時過ぎに元館長から
 「今から図書館の半地下の部屋で会えますか?」
 との電話があり、夜中の図書館に行くことに

・元館長からの告白は
 「自分には影が無いのです」という言葉に始まり、
 約1年前に心臓発作で既に他界していること、
 死後にこの世界に戻ってきたときに影を失ったこと、
 いつ姿を現せられるかは自分には分からないこと、
 そして、
 この世界で姿を保っていられる時間に限りがあること
 を伝えられる。

 さらに、この姿は全員に見える訳ではなく、
 「私」と、以前から元館長と信頼関係にあった
 図書館の司書の女性だけは、
 この姿が見えて会話ができることを告白される


・「私」は図書館の勤務時間の合間に
 人目につかないように
 司書の女性から元館長の昔話を聞かせてもらう
・そして
 元館長には運命的に出会った女性が過去にいたこと、
 後に2人は結婚し、男の子を授かったが
 5歳に交通事故で亡くしてしまい、
 その後、妻であった女性も自死を選んだこと。
・その後、元館長は複数の見合いを断り続け
 ずっと独身でいたことを知る


・「私」は図書館の休館日の月曜日に
 元館長の家族のお墓参りに行くことにした。
・そこには元館長と妻と息子の3人の名前が彫られた
 墓石があり、元館長が亡くなっていることを確認し、
 元館長は既にこの世にはいない存在なのだと理解した

・その日の夜、「私」は寝つくことができず
 夜中に図書館まで散歩をする
・鍵を使って図書館の中に入り
 例の半地下の部屋に行くと、
 そこには元館長が薪ストーブを温めて待っていた。

・元館長は、お墓参りに来てくれた御礼を伝えた後、
 自分は図書館以外の場所には姿を現せられないこと、
 亡くした妻を心から愛していたこと、
 そして、館長の採用面接の時に「私」を見て一目で
 過去に影を失ったことがあることを見抜いていたこと、
 最後に、
 「何かを強く信じる事ができれば、
  進むべき道は自ずと明らかになってくる。
  そしてそれによって、
  決たるべき激しい落下も防げるはずです」
 と伝え、元館長はその部屋を後にした。


いよいよ、物語が動き始め
「私」の身に起きる不思議なことにも
少しずつ繋がりが出てきました。

ということで、今回はこの辺で!
次回④に続きますー!😉

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