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(2)女子高生が同級生に将棋の駒の動かし方を教えたら、半年後に近畿3位になった話

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※記憶に基づいた実話だが、個人情報特定を避けてストーリーに影響がないところは改変するかもしれない。

※正確には8ヶ月後である。

1ヶ月後なう

4月になり、我々は高校3年生になった。

将棋部は確かもともと部員が私のほかに同学年の男子がひとりいただけで、「確か」というくらいなのでその男子が4月時点でいたかも記憶があいまいである。
必然的に私が部長になった。
さらに、3月から始めた女子3人が入部して5人に。(4人だったかもしれない)

さらに、6人目(5人目かもしれない)がやってきた。新1年生の男子である。

彼は車椅子生活だった。付属の中学校では3年前、彼のためにバリアフリーの工事が行われた。

当時、高校は別の敷地にあった。
高校にはもともと車椅子の先生がいたので(通称よこぽん)、まあまあバリアフリーだった。エレベーターもあったし、教員室から一番近いよこぽん専用の教室にはスロープがついていた。

が。

将棋部BOXは、階段しかない建物の2階だった。

どういう経路で私のところに入部希望の話が来たか覚えていないが、とにかくこのままでは彼は将棋部の活動に参加できない。

生徒会に相談したところ、1階に入っている部とBOXを交換することになった。

相手は確かサッカー部である。

彼らは期日までに部室を空けなかった。

こちらは当然文句を言う。

顧問が出てきて、部員をうながした。

「空けました」と連絡があった。

見にいった。

わざわざ部屋の中央に、ゴミを山積みにしていた。

さらに文句を言った。

彼らは、顧問に雷を落とされていた。

そりゃそうだ。

というわけで、最終的に空っぽのBOXを譲り受け、2階から1階に、女子だけで荷物を移動させた。

それでも砂まみれの元サッカー部。ひたすら箒で床を掃いた。

あいつらゆるさん。

そうして車椅子男子を迎え入れたが、女子ばかりの将棋部では水が合わなかったらしく、短期間で来なくなった。

将棋を指した記憶はあまりない4月。

個人戦に出る私は自分の練習はぼちぼちやって、NHKの将棋講座は見ていたが、府予選はまあ勝つだろうと思っていたし。

団体戦の3人は、エントリーして当日会場に行けば、1チームだけなので通過。「せっかく来たから」と個人戦で指すことになるだろうけど、そこの勝ち負けは団体戦の全国大会出場に全く影響がない。
ルール通りに対局できればいいのだ。

私も含めて全員、兼部しながらの将棋部だったので、まともな活動はしておらず、BOXはただのたまり場だった。

そんなんだから1年生男子が来なくなるわけだ。

そうしているうちにゴールデンウイークが終わり、1学期の中間試験よりちょっと前に、いよいよ府予選の日がやってきた。

(3に続く可能性もある)

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