(1)女子高生が同級生に将棋の駒の動かし方を教えたら、半年後に近畿3位になった話
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※記憶に基づいた実話だが、個人情報特定を避けてストーリーに影響がないところは改変するかもしれない。
※正確には8ヶ月後である。
1999年3月。
D高校2年生から3年生になろうとしていた私たち4人は、春休みに将棋部の部室(通称BOX)にいた。
「これが王将」
「王将」
「こっちが玉将」
「玉将」
「偉い人のほうが王を使う。だから私が王」
「はー!?」
という調子で将棋のレッスンが始まった。
私(すわ)がコーチ役になり、同級生のA、B、Cに将棋を教えることになった。
目標は5月にある高校生大会の京都府予選までにルールを覚えて、出場すること。
出場さえすれば、全国大会に行ける。
なぜなら、過去30数回の京都府予選の歴史で、女子団体戦に2チーム以上エントリーがあったことがないから。
前年に全国大会に行ったM高校は、2人が卒業して団体戦のメンバーが足りないから。
私は全国大会枠が3ある女子個人戦に出て、3人が団体戦に出て、4人で全国大会に行けば、学校からの補助金が半額出るから、半額で山形旅行に行けるで。
行こう行こう。
※夏の高校の全国大会は毎年開催県が異なり、1999年は山形県天童市が会場。
※他校は満額補助されるのが普通だったとは、後で知る。
コーチ役の私は、当時3級。ただしどこから認定を受けたわけでもなく、連盟道場に行っていきなり「3級です」と言い張り、行くたびに全敗だった3級なので実際は5級くらいだった可能性がある。
5月までで終わるはずだったBOXでのレッスンは、なぜか11月まで続いてしまうことになる。
(たぶん続く)
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