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ヴェイパーフライ関連

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シューズの考察やシューズに関する戯言を書きます。
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#ランニング

競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その①:クレイトン・ヤング🇺🇸(アシックス)

競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その①:クレイトン・ヤング🇺🇸(アシックス)

(写真:Instagram Clayton Young ©︎kevmofoto)

今日からこのテーマの記事をシリーズとして毎日書いていく。

1回目はアシックス契約のプロ選手、クレイトン・ヤング(アメリカ)について。

(3月21日の全米15kmロード選手権で優勝したクレイトン・ヤング)

スーパーシューズの“アドバンテージ”を授かった選手私が彼のことを知ったのは、2019年6月の全米学生選手権

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今後、ランニング用カーボンシューズの評価項目で「価格」と「重さ」を重視するのがいいだろう。

今後、ランニング用カーボンシューズの評価項目で「価格」と「重さ」を重視するのがいいだろう。

2020年は本当に多くのメーカーがカーボンプレートを挟んだ新製品をリリースして、ランニング界が盛り上がりのあった1年だった(一部違う素材のプレート内蔵の製品もあるが)。

それでも、王者ナイキの牙城は崩されず、ネクスト%、アルファフライがロードレースや12月までのトラックレースでは選手たちの足元を支えた。

また、来年には東京五輪を控え、アシックスの厚底シューズ(プロトタイプ多数...メタフライな

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なぜホカやリーニンの「厚底シューズ」の厚さが世界陸連のシューズリストで25mm未満なのかを細かく解説します。

なぜホカやリーニンの「厚底シューズ」の厚さが世界陸連のシューズリストで25mm未満なのかを細かく解説します。

2020年8月に発表された12月1日以降の公認トラックレースでの25mmルール。いわゆる厚底シューズが12月1日以降の公認トラックレースで履けないというものでランナー界隈で大きな議論が起きた。

10月や11月になって世界陸連は認可されたシューズリストを更新しており、それらのシューズの厚さが25mm未満なのか、それ以上なのかが一眼でわかる。ここに、元祖厚底のホカオネオネのシューズで25mm未満とな

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各メーカーの厚底カーボンシューズ計30足の比較(2021年新作:11足)

各メーカーの厚底カーボンシューズ計30足の比較(2021年新作:11足)

2017年の夏にナイキがヴェイパーフライ4%をリリースしてからはや3年。

各メーカーがこぞって厚底カーボンシューズの新製品をリリースし始めたのが2020年になってからだった。今や、メジャーなブランドだけでなく世界中のシューズブランドがこのシステムのシューズをリリースしているので、今回は19足+2021年の新作11足の比較を“各ジャンル”ごとに行うことにした。

シューズの重量は各26.5cm、各

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厚底カーボンシューズ戦国時代履き比べレビュー【2020年秋場所】

厚底カーボンシューズ戦国時代履き比べレビュー【2020年秋場所】

5社の厚底カーボンシューズの5種のテストランを9月6日の朝に行った。

よく会う人に「おはようございます」と言われたけど、内心「あの人何してんねん」と思われたかもしれない。笑

“2020年秋場所”

左から(L to R)
① RACE 160x(Xtep)
② Endorphin Pro(Saucony)
③ Fei Dian(Li-Ning)
④ Adios Pro(adidas)
⑤ VF

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VFはストライドを伸ばし、ふくらはぎの疲労を軽減する【ブリガムヤング大学の研究より】

VFはストライドを伸ばし、ふくらはぎの疲労を軽減する【ブリガムヤング大学の研究より】

VFがすごいシューズであるというのは疑いようがない事実であるが、それは実際のレースという現場でも、研究というアカデミックな場においても、どちらでも数字というデータが実証している。

レースでの数字に関しては先日のnoteで書いたので省略するとして、私なりに感じたVFを履いて走った時の感覚と論文で報告されている実験結果をもとに考察してみたい。

ストライドが伸び、ふくらはぎが疲れにくくなるVFを履く

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それでもナイキは超えてきた。

それでもナイキは超えてきた。

2/1の有料note:それでもナイキは超えてくる。

で書いたように、
ナイキは2/5に「アルファフライネクスト%」など今年の新シューズについて発表した。

(出典:NIKE)

なかでも、INOES 1:59の時点ではソールの厚さが50mm以上、カーボンプレート3枚と言われていた「アルファフライ」が、「アルファフライネクスト%」として、世界陸連のレギュレーション内で使用できるようにきちんと作り直

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それでもナイキは超えてくる。

それでもナイキは超えてくる。

1/31に世界陸連はレギューレーションの変更を発表した。

(内容は以下です)

今後の見どころとして、4/30以降のプロト使用不可を受けて、ナイキのαFLYやプロトスパイクが今後どうなるか(発売されるとしたらいつ発売されるか?)というところである。

キプチョゲが履いていた「αFLY初期版」は、ミッドソール50mm、カーボンプレート3枚という構造でどちらもレギュレーションに反しているため1/31

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果たして厚底シューズは規制されるのか?③

果たして厚底シューズは規制されるのか?③

VF規制報道が1月中旬にあったが、今週の金曜日(1/31)には世界陸連(以下WA)の調査団(委員会)が調査したVFについてのレポートの内容をもとに、世界陸連が何らかの見解を述べる見込みである。

英国・ガーディアンのVF規制報道に関する1/29の記事によれば、
・今週金曜(1/31)にWA(世界陸連)がVFのレポートを内容をもとに見解を発表
・VFネクスト%の禁止はない(予想通り)
・WAは東京オ

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中国版ヴェイパーの「ポテンシャル」を探る①

中国版ヴェイパーの「ポテンシャル」を探る①

現在、ナイキのαFLYやプロトスパイクへの規制がかかるかどうかが、ランナーたちの間で大きな関心ごととなっており、世界陸連が発足させた委員会(調査団)が今月末に発表するというVFレポートの発表待ちとなっている(※この記事は2020年1月に書いた記事です)。

そんな矢先、アシックスやミズノは新プロトをこぞって第96回箱根駅伝で投入し(ミズノは出雲駅伝から、アシックスはニューイヤー駅伝から)、サッカニ

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「果たして厚底シューズは規制されるのか?②」についての引用ツイートを紹介します

「果たして厚底シューズは規制されるのか?②」についての引用ツイートを紹介します

先日公開しました、

ですが、テレビで報道されるような内容で特需があったのでアクセス数が多かったのでしょう。

それでも、ご覧になっていただきありがとうございます。

そして、昨日公開しました有料(250円)の記事↓

果たして厚底シューズは規制されるのか?②

ですが、たくさんの方にご購読いただいており、とても励みになります。

ありがとうございます。

購読された何人かの方が感想をツイートされ

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果たして厚底シューズは規制されるのか?②

果たして厚底シューズは規制されるのか?②

VF規制について1/16のTwitterトレンド上位になるなど、世間がざわついている。それもそうだ。多くのランナーの2019年のPBをアシストしてきたであろうシューズだから、今回の件を自分ごととして考える人が多いのだろう。

それでもビクビクしているあなたへ。心配なかれ。招待選手レベルならまだしも、一般のランナーのシューズが規制されるということは法律の観点からいえばかなりリスクの大きいこと。それに

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