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各メーカーの厚底カーボンシューズ計30足の比較(2021年新作:11足)

2017年の夏にナイキがヴェイパーフライ4%をリリースしてからはや3年。

各メーカーがこぞって厚底カーボンシューズの新製品をリリースし始めたのが2020年になってからだった。今や、メジャーなブランドだけでなく世界中のシューズブランドがこのシステムのシューズをリリースしているので、今回は19足+2021年の新作11足の比較を“各ジャンル”ごとに行うことにした。

シューズの重量は各26.5cm、各項目の評価は10点満点に対しての点数。

★ 掲載しているカーボンシューズの種類別一覧
【1〜4:中厚底カーボンレーシング(トラックレースOK)】
・1 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ)
・2 / 飞电 1.0(李寧)
・3 / フューエルセル5280(ニューバランス)
・4 / ウエーブデュエルネオ2エリート(ミズノ)※ウエーブプレート

【5〜11:万能型厚底カーボンレーシングシューズ】
・5 / VFネクスト%(ナイキ)
・6 / メタスピードスカイ(アシックス)
・7 / メタスピードエッジ(アシックス)
・8 / 飞电 2.0 ELITE(李寧)
・9 / 飞影PB(乔丹)
・10 / エンドルフィンプロ(サッカニー)
・11 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス)

【12〜20:レーシング+デイリートレーナー(汎用性+耐久性)】
・12 / メタレーサー(アシックス)
・13 / アディゼロプロ(アディダス)
・14 / ロケットX(ホカオネオネ)
・15 / ハイペリオンエリート2(ブルックス)
・16 / 飞电 CHALLENGER(李寧)
・17 / 160X 1.0(特歩)
・18 / 160X 2.0(特歩)
・19 / 飞燃(361°)
・20 / 神行者(多威)

【21〜23:超高反発ドカベン系厚底カーボンシューズ】
・21 / アルファフライ(ナイキ)
・22 / アディオスプロ(アディダス)
・23 / 160X Pro(特歩)
・(アディオスプロ2)アディダス ※10月に公開予定
・(プライムX)アディダス ※10月に公開予定

【24〜27:厚底カーボンロング系(ハーフ以上のロング用)】
・24 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)
・25 / カーボンX2(ホカオネオネ)
・26 / ジ・アーティスト(アトレイユ)
・27 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス)

【28〜29:厚底カーボンサポート系(非レーシング)】
・28 / UP30(匹克)
・29 / 绝影(李寧)
・30 / アディゼロボストン10(アディダス)※グラスファイバーロッド

【1〜4:中厚底カーボンレーシング(トラックレースOK)】

・1 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ)
・2 / 飞电 1.0(李寧)
・3 / フューエルセル5280(ニューバランス)
・4 / ウェーブデュエルネオ2エリート(ミズノ)※ウエーブプレート

公認トラックレースで履けるということは、厚さが25mm未満の中厚底のカーボンシューズであり、接地感は当然、厚底カーボンシューズよりもあり軽量である。すなわち、スパイクや従来のレーシングフラットのようなシューズに近い。

驚くように弾むようなシューズというわけでもないが、これまでの自然な反発性に近いレスポンスの速さがあるのが特徴。


1 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ / 157g / 税込25,850円)

【パフォーマンス点(70点満点)50点】
発売:2020年2月(日本は2020年秋)
反発性:6点(ミッドソール:Hyper Burst = CO2/N2+EVA)
軽量性:10点
安定性:9点
グリップ:7点
疲労軽減:4点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)16点】
汎用性:5点
耐久性:6点
コスパ:5点
【合計(100点満点)66点】

ここで書いている全カーボンシューズの中では、スパイクを履くことを前提とした練習の導入、という意味でのトレーニングに積極的に使いたいと思う1足

従来の薄底シューズの良さ(軽さ / 接地感)を持ちながらも、中厚底という公認トラックレースOKの領域のシューズは今後、トレーニング用のシューズの中では核になってくる存在ではないかと思う。

ということでこのシューズは厚底シューズではない。

カーボンプレートの剛性が高いことと(かなり硬い)、ハイパーバーストのしっとりめのライド感を考慮すると、ふんわりバウンシーな感じのネクスト%とはまた違った種類のカーボンシューズではないだろうか

自分の脚で押していく感じ、そう、従来の薄底の感覚が好きな人はこの1足が気にいるかもしれない。

ケイデンス(ピッチ)がそれなりに出るシューズなので、スパイクに近い1足であり、どちらかというと速めのスピードの練習に最適ではないだろうか。よって、マラソンのような距離で使ったり、ロングランで使うような1足ではないかもしれない。

もし、そのような長めの練習をやるなら、同じスケッチャーズでもGORun Razor 3のほうがクッションが効いているので、よほどの強い脚を持っていない限りはそうやって履きわけをするべきだろう。

私はランニングスキルを高めるうえでは、こういったケイデンスが出せるようなシューズを軽視してはいけないと思っているので、積極的にトレーニングで使用したいシューズだと考えている。

“スピードエリートハイパー”(スケッチャーズ / 157g)
【どのランナーに向いているか】
“速い動き”を必要としている人
【用途】あらゆる距離のインターバル / ダッシュやスプリントなど
【特徴】剛性の高いプレートの影響で接地感が凄い
【長所】軽い / 接地感を高めて足趾や足裏を刺激するのに良い
【短所】日本での売価が高い / アウトソールの耐久性が低い


2 / 飞电 1.0(李寧 / 178g / 約30,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2019年9月上旬
反発性:6点(ミッドソール:䨻 , BOOM= E-TPA)※Pebaのようなもの
軽量性:9点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:5点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)16点】
汎用性:7点
耐久性:5点
コスパ:4点
【合計(100点満点)67点】

このシューズの特徴はなんといってもその軽量性(26.5cm / 178g)と接地感 / 安定性の高さ(人によっては柔らかいと思うかも)あとはフィット感の良さにある。アッパーはヴェイパーウィーブと同じようTPU系合成繊維のモノアッパーで撥水性が高く、通気性も良いので蒸れにくい。

ミッドソールの䨻(中国Beng / 英語Boom)はPEBAともいえるE-TPA(熱可塑性エラストマー)である。

実際には厚底ではないので非常に軽量である

1のスピードエリートハイパーとは対象的に、屈曲性があって汎用性の高いシューズだと感じている。グリップも良くて160X 1.0(特歩)と少し似ていてこれまでのレーシングフラットの延長線上で履ける1足である。

このシューズのミッドソールは25mm未満なので(ヒール部分で21mm)、実は公認トラックレースの例えば5000mでも履くことができる。見た目は厚底に見えるが、そのカラクリについては↓の記事で詳しく解説している。

しかし、2019年に発売した当時の値段が高い(30,000円程度)のでコスパはそこまで高くない。2020年11月にこのシューズのアップデート版の飞电2.0Eliteが発売された。

“飞电 1.0”(李寧 / 178g)
【どのランナーに向いているか】
接地感もクッション性も欲しい人
【用途】インターバル / テンポラン / トラックレース / ロードレース
【特徴】クッション性をどちらかというとヒール部分に感じる
【長所】公認トラックレースで履けるがクッションがある
【短所】売価が高い / 日本での流通量が極めて少ない


3 / フューエルセル5280(ニューバランス / 138g / 税込24,200円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2020年3月下旬
反発性:6点(ミッドソール:FuelCell)
軽量性:10点
安定性:6点
グリップ:8点
疲労軽減:4点
通気性:8点(アッパー:ニットアッパー)
フィット感:9点

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【コスパ点(30点満点)12点】
汎用性:4点
耐久性:4点
コスパ:4点
【合計(100点満点)63点】

5280とは1マイルの長さであり(5280フィート)中距離用の1足である。元々は「スパイクのようにロードレースの1マイルで走れるシューズを」という開発コンセプトで作られたので、後述するが箱根駅伝の20kmという距離やペース走の8-12kmという距離で履くのはあまりオススメできない。

ニューバランスのニットアッパーといえば、フューエルセルRCエリート2からスパイクにまで多岐にわたる。このシューズのニットアッパーは足の甲の部分は耐久性の低そうな作りであるが、そのリスクの反面で軽量性と通気性が確保されている(ナイキのエアズームヴィクトリーのアッパーのアトムニットのような“脆さ”に少し似ている)

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シュータン部分もニットの一体型であるが、このシュータン部分はどちらかというとフィット感 / サポート性を重視している作りで、シューズの部分ごとに機能性を分けていることがうかがえる。

「スパイクのような」というコンセプトで作られているが、ミッドソールのフューエルセルは従来の薄底スパイクの感じとはまた違って、適度なクッション性を感じられる。

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アウトソールのダイナライドはハンゾーや初代フューエルセルRCエリートのにも使われているが、ヒール部分がミッドソール丸出しになっているのは耐久性よりも軽量性を重視していることや、スピードを出してこその1足である、ということがうかがえる。

よって、人によってはペース走やそれ以上の長い距離 / それよりも遅いペースではうまく乗りこなせないのではないかと感じている。実際に私も中距離の速度の練習では重量が軽いこともありスムーズに速いスピードに乗ることができてうまく走れると感じるが、5000mのレースペースよりも遅くなると、フューエルセルのフォームの柔らかさからか中足部あたりで少しグラつく感じがあった(トラックでの話)。

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フューエルセルMD-X(スパイク)との比較でいえば、MD-Xのほうがよりファア気味になるのと安定性が高くグリップはもちろんスパイクの方が上。

どちらかをトラックで履くのであればMD-Xの方がいいのではないかと考えており、やはり5280はロードの短い距離(800-3000m)での使用がベストではないかと感じている。

トラックよりもアスファルトのような硬いグリップのある路面では、5280のようなミッドソールのクッション性が程よく作用する。とはいえ、日本では中距離のロードレースが主流ではないので、この1足はあまり日本向きの1足ではないと感じている。

箱根駅伝の区間賞選手が使用した1足であるが、基本的には5000m以上の距離で使用することはレベルの高い選手以外はオススメできない。

耐久性に難があるのはスパイクと同じ。汎用性も高くなく、使えるシーンが限られてくるため、コスパ点は限りなく低い。

“フューエルセル5280”(ニューバランス / 138g)
【どのランナーに向いているか】
ミドル系 / スパイクの感覚を重視する人
【用途】インターバル / トラックレース / 短めのロードレース
【特徴】中〜前足部で接地してこそのスパイクのような1足
【長所】公認トラックレースで履けるがクッションがある / 軽い
【短所】耐久性が低い / コスパが良くない(=スパイクそのもの)


4 / ウエーブデュエルネオ2エリート(ミズノ / 180g / 税込25,300円)※ウエーブプレート

【パフォーマンス点(70点満点)49点】
発売:2021年7月上旬
反発性:6点(ミッドソール:Mizuno Enerzy Lite)
軽量性:9点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:4点
通気性:5点(アッパー:ニットアッパー)
フィット感:9点

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【コスパ点(30点満点)20点】
汎用性:7点
耐久性:7点
コスパ:6点
【合計(100点満点)69点】

2020年に発売されたウェーブデュエルネオ(ハイカット)を25mm未満の厚さに調整し、アッパーの編み込みを改良して通気性と軽量性がアップしたのがウェーブデュエルネオ2エリートである。

公認トラックレースで履けるということであるが、本気でパフォーマンスアップを狙うのであれば180g(26.5cm)の重量のこのシューズよりも130g前後の他社のスパイク(ドラゴンフライなど)を履くのが良い。

ドラゴンフライはウェーブデュエルネオ2エリートよりも軽量でかつ、反発性も高い。ウェーブデュエルネオ2エリートのほうが優れている点は以下。

・スパイクよりも耐久性が高い(練習やレースで長く履ける)
・スパイクに慣れていない市民ランナーが公認トラックレースに出るときに履きたい1足

トラックでもロードレースでも両方履けるというメリットに関してはそこまで大きく感じない。多くの市民ランナーはネクスト%に慣れていれば、このシューズをロードレースで履くメリットがあまり感じられないだろう。

また、通気性がアップしたが、それでもニットアッパーは夏に履けばすぐに蒸れてしまうのでその点は厳しい。冬発売であればまた印象が違っていたと思う。

では、このシューズの特徴とは?

ウェーブデュエルネオ2エリートに搭載されているウエーブプレートの特徴は屈曲性があるということである(ある程度しなる)。走っているとわかるが、接地感もそれなりにあるし、足関節付近への負担が他のカーボンシューズよりも少ない。

同じようにアディゼロプロ(アディダス)やクラウドブーム(オン)も同じようなテイスト。また、カーボンシューズでもスピードエリートハイパー(スケッチャーズ)やメタレーサー(アシックス)は一部にしかプレートが挿入されていないのでプレートは高い反発性を有むというよりかは、安定性のための補助的な位置付けである。

※アディオスプロ、アディオスプロ2、プライムXなどといったアディダスの厚底シューズはフルレングスのカーボンシューズとは違うシステムであるが、剛性が高い(屈曲性が低い)

これらの屈曲性のある(ある程度しなる)カーボンシューズの特徴は自分の足で操るということであり、剛性の高いカーボンシューズにガイドしてもらう、というものではない。

そういったことを考慮すると、継続性を念頭においたトレーニング(履く頻度が高くなるシューズでのトレーニング)にはこういったシューズは活躍するし、耐久性が低くないということは評価できる。

トレーニングでのパフォーマンスを上げたければもっと良い1足はあるが、トレーニングは全てが速く走れば良いというわけではない、ということを一考させてくれるシューズである。

そういった意味では私はメタレーサー、アディゼロプロ、スピードエリートハイパー、クラウドブーム、そしてこのウェーブデュエルネオ2エリートといったシューズはレースよりもトレーニングで重宝したいと考えているが、ウェーブデュエルネオ2エリートは公認トラックレースでも履けるのである。

“ウエーブデュエルネオ2エリート”(ミズノ / 180g)※ウエーブプレート
【どのランナーに向いているか】
スパイク慣れしていないレベルのランナー
【用途】5000-10000mのトラックレース / 幅広いトレーニング
【特徴】公認トラックレースで履ける / 自分の足で走っている感覚
【長所】デイリートレーナーとして十分の耐久性と屈曲性、汎用性
【短所】夏季は通気性に難がある / 軽量スパイクよりかはやや重い


【5〜10:万能型厚底カーボンレーシングシューズ】

・5 / VFネクスト%(ナイキ)
・6 / メタスピードスカイ(アシックス)
・7 / 飞电 2.0 ELITE(李寧)
・8 / 飞影PB(乔丹)
・9 / エンドルフィンプロ(サッカニー)
・10 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス)

万能型厚底カーボンレーシングの特徴はいずれも厚底なのに“軽い”ということ。それゆえに、それぞれにミッドソールのフォームの弾性とカーボンプレートの剛性からなる反発力でストライドをある程度出しながらも、軽いことでケイデンス(ピッチ)も出しやすい(特にラストスパートなど)。

そのような構造を考えると、多くのランナーが扱いやすい万能型の1足であり様々な練習で使用できる。また、3000mあたりからマラソンまでのあらゆる距離のレースに使用できるモデルである。


5 / ヴェイパーフライネクスト%(ナイキ / 186g / 税込30,250円)

【パフォーマンス点(70点満点)54点】
発売:2019年7月上旬
反発性:9点(ミッドソール:ZOOM X = Pebax)
軽量性:9点
安定性:7点
グリップ:7点
疲労軽減:9点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)※ヴェイパーウィーブ
フィット感:6点

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【コスパ点(30点満点)20点】
汎用性:9点
耐久性:5点
コスパ:6点
【合計(100点満点):74点】

厚底で結構弾むのに非常に軽い事が最大の強み

そして、Zoom X+湾曲したフルレングスのカーボンプレートの特徴である疲労軽減効果(適度なクッション性と下腿三頭筋の筋活動量の減少)も高く、この1足の優位性は今でも非常に高い。

5000m、10000m、ハーフ、マラソンのレースだけでなく、インターバル、テンポラン、ロングランなど幅広い練習で使用できる。

値段がもう少し安く、耐久性がもう少し高ければ完璧であるが、パフォーマンス点が高いので、当然プロダクトは良いと評価されているので売れるし、継続して使用されている。

この2年間で、ロードレースにおけるネクスト%の優位性の牙城は崩れていないと感じる。

2021年4月にヴェイパーフライネクスト%2が発売されたが、アッパーとフィット / サイズ感が少し変わっただけで、ライド感といったパフォーマンスに関する部分はほぼ同じというレビューが多いので、ここでVFネクスト%2は扱わない。

“ヴェイパーフライネクスト%”(ナイキ / 186g)
【どのランナーに向いているか】
概ねどのランナーにも向いている
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】今ではガチランナーの8-9割が所有している圧倒的なシェア率
【長所】軽い / 多くのランナーが実証済みで安心して使える
【短所】反発性の高さ故の過回内 / 過回外により故障をまねく


6 / メタスピードスカイ(アシックス / 192g / 税込27,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)53点】
発売:2021年3月下旬
反発性:8点(ミッドソール:FF BLAST TURBO= NYLON 11 / PA11??)
軽量性:8点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:6点
通気性:8点(アッパー:単層のエンジニアードメッシュ【リサイクルポリエステル】)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)21点】
汎用性:8点
耐久性:6点
コスパ:7点
【合計(100点満点)74点】

2021年3月30日オンライン先行販売。アシックスがメタレーサーからの飛躍を遂げた1足。

トータルのバランスが良く、ストライドタイプのランナーのために鉛直方向への反発性が高まるようなややモリモリのミッドソール。アシックス史上最高の反発性というフォームのFF BLAST TURBOのマテリアルはナイロン。

6月4日にはケイデンス(ピッチ)タイプのランナー向けのメタスピードエッジを発売予定。こちらはまだ履いたことはないが、スカイの5mmに比べてドロップが8mmと、こちらはより足関節のコントロールを重視しているようにみえる

その分反発性はスカイのほうが高いだろうが、そういう意味も込めてのスカイという名前なのかもしれない。

アッパーが3連編み込みともいうべきもので、アッパーのパターンが色々増えていてこちらも勉強になる。アッパーはフィット感と通気性と耐久性のバランスが良い。

アウトソールも軽量性を意識しつつもグリップに優れた素材を使用しており、厚底カーボンシューズとしての各項目のバランスがよく、以上のように高評価としている。詳しいレビューは以下より。

“メタスピードスカイ”(アシックス / 192g)
【どのランナーに向いているか】
ストライド型の人 / 前方に“乗り込める”人
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】バランスの良さが特徴で“グリップ性能”が特に優れている
【長所】オールマイティーなバランス / グリップ性能の高さ
【短所】前足部のサイズ感がタイト / ヒール接地にはやや不向きか


7 / メタスピードエッジ(アシックス / 180g / 税込27,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)52点】
発売:2021年6月上旬
反発性:6点(ミッドソール:FF BLAST TURBO= NYLON 11 / PA11??)
軽量性:9点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:6点
通気性:8点(アッパー:単層のエンジニアードメッシュ【リサイクルポリエステル】)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)19点】
汎用性:7点
耐久性:6点
コスパ:6点
【合計(100点満点)71点】

メタスピードスカイ との比較でいうと、見た目はドロップ差(スカイ5mm、エッジ8mm)以外はほとんど同じであるし、アッパーやアウトソールも同じなのでそこの部分の説明は省く(気になる人はコチラから)。

しかし、走り心地は明らかな違いを感じる。

スカイ:鉛直方向の反発性を感じる(スーパーシューズ感)
エッジ:ドロップ差で転がす感じでスーパーシューズ感は少ない

特にその差が明らかだったのが、接地から蹴り出しまでの前足部の感覚。私はスパイクを履いてそれなりのスピードを出して走る時もそうだが、前足部で乗り込む感覚があり、スカイやスパイクではその感覚がある。しかし、エッジを履いて走った時はまるで、そういった感覚はなかった。

反発(スパーン)というよりかは転がしているから(コロンコロン)それは当然なのかもしれない。結果的にスカイの方がストライドが広まり、エッジの方がケイデンスが出る。それはそうだと感じた。

そのようなことから、エリート選手でない多くの市民ランナーはヒール接地であるので、アルファフライなどとも同じく、スカイの良さを生かしきれない可能性があり、エッジのほうが合っているということも考えられる。

軽量性はエッジのほうが高いので、従来の薄底シューズのように淡々と刻んでいくような走りの選手、つまりケイデンス型(ピッチ型)の選手にあっているのだろうと感じる。

しかし、アルファフライがあれだけ売れたことを考えると(発売された初期の頃)仮に自分がケイデンス型のランナーであったとしても、人々は反発性の高い“スーパーシューズ感のあるシューズ”のほうが魅力的に感じるのかもしれない(試してみたくなるのかもしれない)

以上のことからケイデンス、ストライドが中間のタイプのランナーからすればスカイのほうがレースで使われることが多く、練習ではエッジのほうがより多く使われるのかもしれない。

このメタスピードエッジは汎用性が高く様々な練習に使用できるが、特にテンポランやロングランの速度域でリズムにすぐ乗れるような1足では無いだろうか。そう、淡々とリズム良く刻んでいくような練習である。また、上り坂のようなタイトな局面ではスカイよりもエッジで走っている時の方がエネルギーロスを少なくできるのではないか、と上り坂を走りながら体感した。

FF BLAST TURBOのミッドソールはアシックス史上最高の反発性のフォーム。アシックスのシューズでは今までに無い反発性があることもしっかり感じられたので、スカイ未満、メタレーサー以上の反発性といったところ。

私はストライド型、ケイデンス型、どちらのタイプでもない中間型のタイプだと思っているが、スカイを短い距離のインターバルやレース(5-10km)エッジをロングインターバル、テンポラン、ロングラン、ハーフ / マラソンのレースに使用したい、と感じた。もしかしたら、故障がより少なくなるのはエッジのほうかもしれない(体感的には)。

“メタスピードエッジ”(アシックス / 180g)
【どのランナーに向いているか】
ピッチ型の人 / 長距離ランナー
【用途】オールマイティーではあるがどちらかというと長い距離向け
【特徴】淡々とリズムを作るのに良い1足であるが反発性もちゃんとある
【長所】厚底カーボンシューズトップクラスの安定性やグリップ性能の高さ
【短所】前足部のサイズ感がタイト / スーパーシューズ感は少ない


8 / 飞电 2.0 ELITE(李寧 / 193g / 約35,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)54点】
発売:2020年11月中旬
反発性:7点(ミッドソール:䨻 / BOOM= E-TPA)
軽量性:8点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:7点
通気性:8点(アッパー:モノメッシュ+ニット:シュータン)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)20点】
汎用性:9点
耐久性:6点
コスパ:5点
【合計(100点満点)74点】

飞电1.0のアップデート版。私は2021年1月から3月までの2ヶ月半着用してテストした

詳しくはこのシューズの単独の記事で書こうと思っているが、反発性、安定性その他諸々のバランスが良い。また、他のシューズのクオリティを見ていると李寧というブランドは中国メーカーの中で最も新製品への開発投資を行っているのではないか、と思わせてくれる。

それが販売価格に表れている感じで、クオリティが高いのだからそこそこの値段がするのにも納得である。中国ブランドのカーボンシューズでは今のところ李寧のみが1足3万円超えという破格の値段となっているが、総合的にクオリティの高さを感じているので値段相応といったところかもしれない。

アッパーは厚底カーボンシューズの主流であるモノメッシュであるが、通気性が良いのはともかく、フィット感が良いのはシュータン一体型でなおかつその部分がニットだからだろう。

通常、フィット感 / ホールド感を高めると通気性が損なわれ、ニットのようなフィット感の良い素材の通気性を高めようとアッパーに穴を開けると耐久性を損なう。しかし、このアッパーは通気性、軽量性、耐久性、フィット感、ホールド感を高次元で兼ね備えている。また、シューレースに伸縮性があり足に優しい。この記事に掲載したシューズのアッパーでは1番の高評価を与えることができるので、売価が高いのには納得ともいえる。

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さらに、このシューズの他の特徴は、馬の足先の構造に着想を得て開発されたApex Propulsionというテクノロジー(↑のコブの部分)。前足部と中足部の中間部分のアウトソールにコブがあり、このコブが接地から離地にかけてのスムーズな蹴り出しをサポートしてくれるので、自分の足で走っている感覚を殺さずにある程度の走速度を効率的に出すことができる。

ミッドソールのフォームがZoom Xほどふんわり弾むようなものではないが、その点安定性があり、スパイクに近いシューズとしてトラック練習でも大いに役立ってくれる。そのようなことから汎用性の高い万能なシューズであり、駅伝の短い距離から、トラック練習、ロングラン、マラソンレースまで幅広くカバーできる1足ではないだろうか。

私はこのシューズを履いて2021年3月の21.1km走の"練習"で1:07:45で走っている1年前に私がこのシューズの1代前の飞电1.0で21.1km走をしたときは1:16:48だった

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日本のトップ選手では佐藤悠基(SGH)が練習で使用している

“飞电 2.0 ELITE”(李寧 / 193g)
【どのランナーに向いているか】
中足〜前足部で接地できる競技選手
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】弾むというよりかは安定性 / 反発性のバランスの良さが際立つ
【長所】前足部を除きクセが少ない / アッパーが工夫されている
【短所】売価が極めて高い / 日本での流通量が極めて少ない


9 / 飞影PB(乔丹 / 176g / 約10,000-12,000円)

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【パフォーマンス点(70点満点)53点】
発売:2020年9月上旬
反発性:7点(ミッドソール:巭PRO, Q-KUNGFU-PRO = SupercriticalEVA+TPE)
軽量性:10点
安定性:8点
グリップ:7点
疲労軽減:7点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)26点】
汎用性:9点
耐久性:7点
コスパ:10点
【合計(100点満点)79点】

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 「平凡的你不凡人生」

「あなたの平凡な人生を非日常なものへ」

謎のメッセージが込められたこの1足...!

飞影PB:中国語読み
飛影PB:日本語読み(ひえい)
Flying Shadow PB:英語読み
Feiying PB:中国語の読み方(フェイイン)

中国の問題メーカー「ジョーダンスポーツ」(乔丹 / QiaoDan)の問題作。まず、定価が安すぎる(クーポン利用で買うと10,000円とかそれ未満で買えることがあるが基本は中国国内で約11,000-12,000円)。

ネクスト%を1足買うなら、クーポン利用だとこのシューズが3足買えるが、アッパーを除いてネクスト%よりも耐久性は高い(特にミッドソール)。

この乔丹のブランドロゴは本家ジョーダンのパクリであるが(乔丹側は卓球のラケットを持っているという主張)このシューズのアッパーも見事にネクスト%のヴェイパーウィーブを模倣しているので軽量性と撥水性が高い。

実際に走ってみると軽い(26.5cm / 176g = ネクスト%より軽い)。ビュンビュン脚が回る。。。それでいて反発性もそれなりにあるので普通に良いシューズだと感じる。ミッドソールは超臨界発砲EVA(Supercritical EVA)とTPEのミックスの巭PROで安定性は高いが、ネクスト%ほどの反発性ではない。

もし「ネクスト%に走らされている」と感じているランナーはこの1足がベストかもしれないし2020年発売のパフォーマンスシューズでNo.1だと感じる。

自分の接地の感覚を殺さずにレスポンス速く弾み推進力に変えているのをスムーズに感じる。どうやらこのシューズは足関節のロック性能が非常に高いらしい(アシックスのメタスピードエッジはそういうシューズだと思う)。

(こちらの方↑もビックリ!!)

飞影PB(乔丹 / 176g)
【どのランナーに向いているか】
概ねどのレベルのランナーにも合いそう
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】軽量性 / 安定性 / 反発性のバランスが良く、なおかつ“安い”
【長所】売価がとても安い / 履く人のレベルを問わない
【短所】ブランドの評判が悪い/ 初代のアッパーの耐久性が低い / 日本に取り寄せるのに時間がかかる(流通量が少ない)


10 / エンドルフィンプロ(サッカニー / 202g / 税込19,800円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2020年6月下旬
反発性:8点(ミッドソール:PWRRUN PB = Peba)
軽量性:7点
安定性:8点
グリップ:7点
疲労軽減:7点
通気性:6点(アッパー:単層のエンジニアードメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)21点】
汎用性:7点
耐久性:6点
コスパ:8点
【合計(100点満点)72点】

軽さがありながらもパワーが出せるシューズでもある。例えばアディオスプロうあネクスト%がグッと沈んで弾むのに対して、こちらは接地時のレスポンスが速く、ミッドソールのフォームがやや硬くなったヴェイパーフライ4%、という感覚である。

フォームはPWRRUN PB(Peba)で、Zoom Xより硬度がやや硬い(それでも柔らかい方ではある)汎用性が高く走法やレベルを問わないバランスの良いシューズだと感じる(エンドルフィンスピードの方がカーボンでなくTPUプレートで屈曲性が高いので、こちらのほうが汎用性が高いと感じるが)。

プロダクトはかなり良いしコスパも良いが、ABCマートの一部大型店舗とABCマートのオンラインにしか売ってないのが致命的(販路が小さい)。流通量が少なく、需要があるのにマーケットに供給されるまでにタイムラグがあったり、という課題を抱えている。

そのようなことから、ナイキのシューズほど知名度が高くなく、2020年に発売してからもこのシューズを履いているトップ選手が日本にあまりいないということも、流通が一部にとどまっていることに関係しているだろう。

ただ、プロダクトは良いので、このシューズを履いたランナーの評価は高い。もっと多くの人に評価されても良いシューズであるが、潜在的に多くのランナーの手元に行きついていないと感じる。

“エンドルフィンプロ”(サッカニー / 202g)
【どのランナーに向いているか】
概ねどのレベルのランナーにも合いそう
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】軽量性 / 安定性 / 反発性のバランスが良い
【長所】厚底カーボンにしては耐久性も高い / 売価がお手頃
【短所】実店舗では販売されているところが限られている

2021年6月25日に日本絵エンドルフィンプロ2が発売された。アッパーのみのマイナーアップデートで3g程度軽くなったようだ。


11 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス / 202g / 税込28,600円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2020年10月上旬
反発性:7点(ミッドソール:FuelCell = N2+EVA+TPU)
軽量性:8点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:7点
通気性:5点(アッパー:メッシュ)
フィット感:8点

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汎用性:9点
耐久性:5点
コスパ:5点

コストパフォーマンス点(30点満点):19点

合計(100点満点):70点

特徴は接地時の安定性の高さ(※前方方向への場合。横や斜めへの進行はフォームの柔らかさが影響して少しぐらつく)様々な距離の種目で使用でき、またレベルを問わない汎用性の高さ、各機能のバランスの良さが挙がる。

アッパーはやや幅広に作られているフューエルセルTCよりもフィット感、ホールド感に優れていると感じるが(幅広ではない)通気性が課題。気温や湿度が高いレース、特にマラソンだと靴の中が蒸れる可能性がある。

フューエルセルTCに似たような反発性はそこまで特筆するものではないが、これまでのニューバランスのシューズの中ではトップクラス。

カーボン入りのフューエルセル5280ほどの軽さとグリップはないにしても(つまりスパイクのようなシューズにないにしても)一定のペースで押していくような練習やレースにはもってこいの1足である。

ミッドソールのフューエルセルは、プロダクトの機能性によって硬度を微妙に変えており、このフューエルセルRCエリートのミッドソールは柔らかい。

アディオスプロのライトストライクプロのようなモッチリした感じであるが、それより少し反発性が落ちる。その分(前方方向への)安定性が少し高いミッドソールだと感じた。厚み増しのフューエルセルRCエリートv2はハーフからマラソンで良さそうな1足で日本では2021年5月下旬に発売された。

“フューエルセルRCエリート”(ニューバランス / 202g)
【どのランナーに向いているか】
概ねどのレベルのランナーにも合いそう
【用途】オールマイティー / 中距離を除くどの距離のレースにも最適
【特徴】軽量性 / 安定性 / 反発性のバランスが良い
【長所】汎用性が高い / 履く人のレベルを問わない
【短所】通気性があまり良くない / 速いスピードでは安定性に欠ける


【12〜20:レーシング+デイリートレーナー(汎用性+耐久性)】

・12 / メタレーサー(アシックス)
・13 / アディゼロプロ(アディダス)
・14 / ロケットX(ホカオネオネ)
・15 / ハイペリオンエリート2(ブルックス)
・16 / 飞电 CHALLENGER(李寧)
・17 / 160X 1.0(特歩)
・18 / 160X 2.0(特歩)
・19 / 飞燃(361°)
・20 / 神行者(多威)

概ね軽量性に優れておりレースでももちろん使用できるが、ミッドソールだけでなく、アウトソールやアッパーの耐久性もそこまで脆くないので、トレーニング用として愛用するのに適している。スパイクやZoom Xなどよりもいわゆるヘタりやアッパーの破れ等がそこまでひどくないのが特徴である。


12 / メタレーサー (アシックス / 190g / 税込22,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)49点】
発売:2020年4月下旬
反発性:6点(ミッドソール:Flyte Foam = EVA)
軽量性:8点
安定性:8点
グリップ:7点
疲労軽減:5点
通気性:7点(アッパー:エンジニアードメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ(30点満点)22点】
汎用性:8点
耐久性:7点
コスパ:7点
【合計(100点満点)71点】

ヴェイパーフライのようにフルレングスのカーボンプレートをミッドソール(Zoom X)に挿入する形ではなく、メタレーサーには中足〜前足部にかけてUの字のようなカーボンプレートをアウトソールの真上に挿入している。

スクリーンショット 2021-05-10 14.23.57

(出典:Road Trail Run:Sketch by Sally Reiley)

つまり、ミッドソールでカーボンプレートをサンドイッチするという構造ではなく中厚底である(ミッドソールの底にカーボンプレートがある)。

アシックスの弓状のガイドソールのテクノロジーを継承しつつ、足関節の屈曲を抑える(つまりロックする)機能を殺さずに軽さを出しているのが特徴のシューズであるが、そこまで強い反発性があるようには思わない。

ミッドソールのフライトフォームは以前のフライトフォームよりかは、粘り気があり、適度な反発性と軽量性とクッション性を持っている。

メタスピードスカイのように弾むシューズではないが、自分でコントロールできる範囲のストライドとケイデンス(ピッチ)で巡航することができるシューズだと感じる。ファルトレク、ペース走、(速めの)ロングラン、インターバルなど多くの練習に使え、デイリートレーナーとしても優秀。

最近は故障しそうな箇所(足底 / 足関節)とその原因を考えると(過回外 / 過回内による捻りの代償など)必ずしも速く走れるシューズを毎回履くことが良いと思わなくなった。

“メタレーサー”(アシックス / 190g)
【どのランナーに向いているか】
練習で“レース用”を度々履かない人
【用途】様々な種類の練習で使用できる
【特徴】軽量性と安定性と過度でないガイド機能の融合
【長所】デイリートレーナーとして優秀 / クッション性もあるが軽い
【短所】アシックス新製品の中での現在のこの1足の位置付けが不明


13 / アディゼロプロ(アディダス / 230g / 税込24,200円)

【パフォーマンス点(70点満点)47点】
発売:2020年6月下旬
反発性:6点(ミッドソール:Lightstrike = EVA)
軽量性:5点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:4点
通気性:8点(アッパー:単層のセラーメッシュ【リサイクルポリエステル】)
フィット感:8点

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【コスパ(30点満点)22点】
汎用性:7点
耐久性:8点
コスパ:7点(現在は旧品番のセール品が5,500-13,000円程度と安い)
【合計(100点満点)69点

私は2020年に夏に、ジョグやロングランといった地道な低強度の練習をこなして走力を大きく上げることに成功したが(暑熱順化に成功)その時期にたくさん履いていたトレーニングシューズがこのアディゼロプロだった。

このシューズと他の厚底カーボンシューズの大きな違いはミッドソール。

超臨界発砲製法を除きEVAベースのフォームで構成されている厚底カーボンシューズ(アディゼロプロはどちらかというと中厚底)はあまりないので、脚作りにはジョグもファルトレクもテンポランもインターバルもロングランもこの1足でじっくり(ペースを上げすぎないよう)走るのに最適だった。

2021年現在は、ロードレース用のアディダス製品ではアディオスプロがメジャーな存在であるため、アディゼロプロの旧品番はセール品を12000-13000円程度で買えるのでコスパが良くなった。

カーボンシューズではあるが、屈曲性があり強いガイド機能を持つ1足ではない。少々重量がある分、安定性や耐久性が高いのであるが、これまでのレーシングフラットの延長線上で履ける1足なので基礎練習にはもってこい。現在の値段も含めて個人的にはオススメしたい1足で、ライド感がハイペリオンテンポやGo Run Razor 3にやや似ていて走っていて楽しい。

スーパーシューズばかりを履いてしまっている人は、こういったノーマル感のあるカーボンシューズ(フルレングスではないCARBITEXカーボンプレート入り)も時にはいいかも知れない。

これまで使用されていたブーストフォームをふんだんに使用したアディダスのデイリートレーナーとの違いは少々の沈み込みがあるかどうかぐらいで、そこまで大差はないとは感じるが、アディオスプロの良さとして挙げるとしたらこのセラーメッシュのアッパーはフィット感 / 通気性 / ホールド感のバランスが良いので夏季のデイリートレーナーとしては優秀である。

“アディゼロプロ”(アディダス / 230g)
【どのランナーに向いているか】
過度なガイド機能の呪縛から離れたい人
【用途】耐久性が高く様々な種類の練習で使用できる / 練習がてらのレース
【特徴】これまでのレーシングフラットの延長線上で履ける
【長所】汎用性や耐久性がありデイリーとレーナとして優秀
【短所】重量があり短い距離向きでない / そこまで反発性が高くない


14 / ロケットX(ホカオネオネ / 204g / 税込24,200円)

【パフォーマンス点(70点満点)48点】
発売:2020年11月
反発性:6点(ミッドソール:コンプレッションEVA)
軽量性:7点
安定性:8点
グリップ:6点
疲労軽減:6点
通気性:7点(アッパー:メッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)19点】
汎用性:7点
耐久性:6点
コスパ:6点
【合計(100点満点)67点】

弾むような反発性ではないが、安定性と軽量性クッション性を兼ね備えた1足。ドロップが5mmと高ドロップでなく、緩やかなガイド機能とレーシングフラットに似たような接地感がある。つまり、ホカの他のシューズの良いところを継承しつつ軽いレース用の1足ではあるがその高い安定性からマラソン以上の距離でも良さそうな感覚がある(私はそんなに長く走れないが...)。

昨年11月にこのシューズで5kmTTを行ったが(15:48)ペース変化がそこまでなかったので、スイスイ加速できるかというとそうでもなかったが、失速もそこまで大きくないシューズというところの印象だった。

ミッドソールは少々硬いという人もいるが、それは多分Zoom Xの柔らかさに慣れすぎている人かもしれない。もちろん、ホカの他のシューズよりかはやや硬いのかもしれないが、それでも私にとっては適度な柔らかさを持っており、冒頭にも書いたが、安定性と軽量性クッション性を兼ね備えた1足であると感じている。

ボリュームのあるファルトレク(長い時間走るが、スピードを出す時もある)という練習や、ビルドアップしていくようなロングランやテンポランに最適ではないだろうか。練習用のシューズとしても優秀である。

“ロケットX”(ホカオネオネ / 204g)
【どのランナーに向いているか】
過度なガイド機能の呪縛から離れたい人
【用途】様々な種類の練習 / 故障の復帰段階や練習がてらのレース等
【特徴】高ドロップでなく、かつ軽量性と安定を両立したクセの少ない1足
【長所】安定性と軽量性が高くビギナーにオススメ
【短所】驚くような凄い反発性ではない


15 / ハイペリオンエリート2(ブルックス / 208g / 税込29,700円)

【パフォーマンス点(70点満点)49点】
発売:2020年9月上旬
反発性:7点(ミッドソール:DNA FLASH = N2+EVA)
軽量性:7点
安定性:9点
グリップ:6点
疲労軽減:7点
通気性:6点(アッパー:メッシュ【ポリエチレン75%+ナイロン25%】)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)18点】
汎用性:6点
耐久性:7点
コスパ:5点
【合計(100点満点)67点】

ハイペリオンエリート2のミッドソールのフォームのDNA FLASHはEVAを液化窒素ガスを混ぜて臨界発泡して成型したものであるが、スケッチャーズのHyper burstのように軽さとライド感がやや似ている(お風呂マットのようなフォーム)。ただし、ZOOM Xやライトストライクプロのフォームほどはバウンスしない(履いたらわかる)。

そのようなことから特段、反発性があるわけでもないが、このシューズは前足部が幅広になっていること、そしてDNA FLASHというフォームからも接地時の安定性が高いのが特徴。

ちなみに、ブルックスのシューズのなかでパフォーマンス性ならこの1足であるが、汎用性をとるならハイペリオンテンポの方がコスパは断然良い。

2022年1月にハイペリオンエリート3の発売が予定されている。

“ハイペリオンエリート2”(ブルックス / 208g)
【どのランナーに向いているか】
安定性の高い厚底シューズを探している人
【用途】ロングインターバル / テンポラン / ロングラン / 10km以上のレース
【特徴】高い安定性と反発性の良いバランス
【長所】ハイペリオンテンポ と使い分ければほとんどの練習をカバーできる
【短所】日本での売価が高い / 驚くような反発性ではない


16 / 飞电 CHALLENGER(李寧 / 204g / 約22,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2020年11月中旬
反発性:6点(ミッドソール:䨻 / BOOM= E-TPA)
軽量性:7点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:7点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ+ニット:シュータン)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)19点】
汎用性:8点
耐久性:5点
コスパ:6点
【合計(100点満点)70点】

飞电 CHALLENGERは飞电2.0 ELITEと同時発売の1足。見た目が似てるのでアシックスのメタスピードスカイとエッジの関係性に似ているかもしれない。

スクリーンショット 2021-05-24 11.43.28

飞电2.0 Eliteとの違いは
・カーボンプレートがフルレングスではない(幅広だが後足部が切れてる)
・アウトソールの厚みが0.3mm厚いが、ミッドソールは1mm程度薄い(前足部22mm / 後足部29mm = ドロップ7mm)
・後足部の横幅が3mm大きい(78mm)のと、かかとのサポート(補強)がより頑丈になっている
・クッションがほんの少し柔らかいが、反発性は少し落ち重量は少し重い(CHALLENGER 204g / 2.0 ELITE 193g)

同じ点はアッパー、アウトソール、ミッドソール、シュータンの素材。

2ヶ月ほどそれぞれ履いてみて感じたのは以下。
・エリートのほうがより軽く、ガチランナー向け。どちらかというと中足部から前足部にかけて乗り込みをよく感じられるので、逆にいうと初心者には向いていない。
・チャレンジャーのほうがビギナーや中級者向け(安定性が高くサポート機能が強いため)。後足部でのクッション性がこちらのほうが高い。

値段がエリートよりも少し安いので(CHALLENGER 22,000円 / 2.0エリート 35,000円)そういう面も含めて、中国国内ではこちらの1足の方が多くの人の手に渡るのではないかと思う。

“飞电 CHALLENGER”(李寧 / 204g)
【どのランナーに向いているか】
ビギナー / 中級者 / 復帰段階の選手
【用途】ロングインターバル / テンポラン / ロングラン / 10km以上のレース
【特徴】高い安定性と反発性の良いバランス
【長所】2.0エリートよりかは中足〜前足部のタイトさがない
【短所】驚くような反発性ではない / アウトソールの耐久性

スクリーンショット 2021-05-24 11.46.05

(エリートのカーボンプレートはフルレングス)

2足(チャレンジャーとエリート)のスペック比較。

【飞电CHALLENGER】
価格:22,000円

アッパー:クールシェル(モノメッシュ)
ミッドソール:䨻 / Boom(E-TPA)
アウトソール:GCU(Ground control unit)
カーボンプレート:フルレングスではないが幅広

重量:204g(27.0cm)
前足部の厚み:22mm
後足部の厚み:29mm / ドロップ :7mm
アウトソールの厚み:1.8mm
Apex Propulsion(前足-中足部の中間のコブの厚み): 2.8mm
後足部の横幅:78mm / 反発率:78.02%
対象:サブエリートのトレーニング用、コアランナーや初級者のレース用

【飞电2.0 Elite】
価格:35,500円

アッパー:クールシェル(モノメッシュ)
ミッドソール:䨻 / Boom(E-TPA)
アウトソール:GCU(Ground control unit)
カーボンプレート:フルレングス

重量:193g(27.0cm)
前足部の厚み:23mm
後足部の厚み:30mm / ドロップ :7mm
アウトソールの厚み:1.5mm
Apex Propulsion(前足-中足部の中間のコブの厚み): 2.5mm
後足部の横幅:75mm / 反発率:78.22%
対象:エリートやサブエリートのレース / トレーニング用


17 / 160x 1.0(特歩 / 190g / 約14,600円)

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【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2019年12月下旬
反発性:6点(ミッドソール:动力巢 / X-Dynamic Foam = E-TPU)
軽量性:8点
安定性:9点
グリップ:8点
疲労軽減:6点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)22点】
汎用性:7点
耐久性:6点
コスパ:9点
【合計(100点満点)73点】

サンドイッチされているカーボンプレートはフルレングスではなく、このシューズは中足部がやや硬いと感じた。ただ、これまでのレーシングフラットと同じような感覚で走れるのが特徴(ヒール部分のクッション感が強い)。もちろん従来のレーシングフラットよりも反発性を感じる。

2020年1月に発売されたこの160x 1.0は合成繊維のモノメッシュアッパー。2020年の夏にニットアッパーのもの(通称:160x 1.5)が発売された。この1足はグリップ性が高いのでスパイクのように「踏める」シューズであり、5000mでも良さそうだが、厚みがあり公認のトラックレースでは履けない。

ハーフぐらいの距離でそこそこのペースで履いてみたが、ふくらはぎの疲労感はVFネクスト%よりもあり、マメが少しできていたことを考えると、どちらかというと従来のレーシングフラットに近いシューズであると感じる

値段が安い(約14,600円)のと、耐久性もあるのでコスパは高評価とした。ソーティやタクミシリーズを履いてきた人ならぜひ履いて欲しい1足である。

“160X 1.0”(特歩 / 190g)
【どのランナーに向いているか】
以前の薄底を履く“脚”がない...という人
【用途】オールマイティー / 5km-ハーフ程度のレースに最適
【特徴】ある程度の接地感と反発性、軽量性のバランス
【長所】厚底カーボンと薄底の中間でデイリートレーナーとして優秀
【短所】長い距離で使うと従来の薄底のような故障やマメができる

2021年4月にオンラインサイトがオープン!!


18 / 160X 2.0(特歩 / 206g / 約16,600円)

スクリーンショット 2021-04-20 12.16.15

【パフォーマンス点(70点満点)52点】
発売:2021年3月下旬
反発性:7点(ミッドソール:动力巢PB / X-Dynamic Foam PB = E-TPU)
※超臨界発砲製法によるナイロン粒子のフォーム
軽量性:7点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:7点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)23点】
汎用性:7点
耐久性:7点
コスパ:9点
【合計(100点満点)75点】

2021年3月下旬発売。前作の160x 1.0よりもミッドソールをモリモリにしているが前作同様に走法を選ばずに幅広く履けるといった1足。反発性という点では、同時期に発売されたメタスピードスカイよりかはやや低いと感じた。

さらに厚さモリモリの160x Proとカーボンプレートの形状がやや違う(こちらはY字繰り抜きフルレングス)。そして、屈曲性が160x 1.0よりも低くなっているが(硬くなっている)それでもデイリートレーナーとしても使えるようなバランスの硬さであると感じている(めっちゃ硬くもない)。

スクリーンショット 2021-05-21 16.57.04

(出典:Xtep Global

前作のX-Dynamic Foam(アルケマ社製のE-TPU)から今回のDynamic Foam PB(宇部興産社製のE-TPU)にフォームが変わってから反発性が落ちたと囁かれているが、そこまで大きく変わらない印象であるというのと、前作から引き続き安定性の高さが特徴。

この1足も含めて最近では反発性、安定性、通気性、フィット感、撥水性、屈曲性などバランスの良い厚底カーボンシューズが増えている印象で、反発が高ければ全てよし、というわけでもないということに気づく1足である

価格もそこまで高くないので、汎用性の高さなどトータルで見たときにオススメできる1足である。

“160X 2.0”(特歩 / 206g)
【どのランナーに向いているか】
反発性よりも安定性を重視する人
【用途】オールマイティー / レベルや距離を問わずレースで使える
【特徴】全てトップクラスでないにしろバランスの良さ
【長所】値段がそこまで高くない / どのレベルでも扱いやすい
【短所】日本での流通量が極めて少ない


19 / 飞燃(フレイム:361° / 217g / 約12,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)47点】
発売:2021年3月下旬
反発性:6点(ミッドソール:QU!CKFLAME = PU)
軽量性:6点
安定性:8点
グリップ:7点
疲労軽減:6点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)22点】
汎用性:7点
耐久性:7点
コスパ:8点(※中国で買う場合)
【合計(100点満点)69点】

日本に販売代理店がある361°は、中国のスポーツブランドではいち早く欧米で展開し、日本でも商品を展開するなど比較的海外展開をしている中国ブランドである(飞燃はFlameという製品名で欧米でも販売されている)。

このシューズのミッドソールのQU!CKFLAMEはPU(ポリウレタン)で、印象としては弾むような反発性はないが、特歩やサッカニーのPebaよりも硬く安定性の高さが特徴である。

ドロップは8mmで(前足部24mm / 後足部32mm)歩いてみると前足部のロッカー形状を感じられる。超厚底ではないため、反発性を売りにしているシューズではないが、安定性を高いことを考えると汎用性が高く、履く人のレベルを問わないのではないかと思う。

また、接地感が従来のレーシングフラットに似ていることを考えると、デイリートレーナーとしての位置付けでは良いシューズではないかと感じている。2021年においてはこの1足にスーパーシューズ感はない。

かといって、こういったシューズが全く必要ないかというとそうでもなくて、体重の軽い女子や小中学生、そして非エリート層の市民ランナーなどパワー / 筋力が比較的ないような選手には安定性の高い厚底カーボンシューズをオススメしたい(飞燃、飞影PB、160x、ハイペリオンエリート2、飞电CHALLENGER、メタスピードエッジ、メタレーサーなど)

中国ではこのシューズがセール時に10000円を切る安さも魅力的であるが、日本では2021年秋の販売が予定されている。売価はいくらになるだろうか。それによって、この1足への評価が割れるのではないかと考えている。

飞燃(361° / 217g)
【どのランナーに向いているか】
薄底と厚底の中間を探している人
【用途】幅広い練習で使用できる / どちらかというと長距離レースに最適
【特徴】前足部がロッカー形状のシューズであるがそこまでクセがない
【長所】扱いやすい安定性の高さ / 売価が比較的安い(おそらく日本でも)
【短所】カーボンシューズの中では反発性が他社製品に劣る


20 / 神行者(Speedster:多威 / 201g / 約14,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)51点】
発売:2021年3月下旬
反発性:8点(ミッドソール:SUDER F3 = PEBA)
軽量性:7点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:7点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:6点

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【コスパ点(30点満点)24点】
汎用性:8点
耐久性:7点
コスパ:9点
【合計(100点満点)75点】

ファンランナー向けのランニングというよりかは、アスリート向けの陸上競技のサプライヤーとして中国国内で知られる多威(Do-Win)というスポーツブランド。日本でいうところのアシックスのポジションであり、カーボンシューズの開発に関しては李寧や特歩といった中国他社に遅れを取っていた。

そこで2021年3月下旬(奇しくもアシックスのカーボンシューズ発売と同じタイミング)に満を持して発売されたのがこの神行者(Speedster)という1足。アッパーは中国の他社と同じくモノメッシュで変わりないが、ミッドソールのSUDER F3(反発率80%)の独特の感覚とアウトソールのグリップや耐久性の高さが特徴である。

ミッドソールのSUDER F3の反発率は80%と飞影PBと同じような反発性がある。これはアルファフライやヴェイパーフライネクスト%よりも弾むというわけではないが、アルファフライを履いてわかるように、何でもかんでも反発性が高ければ良いというものでないということは、この記事をみている皆さんはおわかりだと思う(=軽さや安定性も含めてのバランスが重要)。

神行者の走行感は従来のレーシングフラットにクッションを乗せたような感覚。重量が201g(41サイズ=26.0cm)なので飞影PBのようにスイスイ脚が回る感じではないにしろ、グイッと弾む感じがあり安定性がそれなりに高いこともわかる(メタスピードエッジとスカイの間の反発性といった感じ)。

なかでもコーナーの安定性はピカイチで、トラックレースで履けるならこの1足で走ってみたいと思わせてくれるぐらいであり、非公認レースであれば多くの市民ランナーにこの1足を勧めたい。実際、私は現状、ヴェイパーネクスト%よりもこの1足を履いたほうが3000-5000mといった短めの距離は速く走れるようだ。

前足部がタイトなので、そういう意味ではメタスピードスカイやエッジに似ているのかもしれないが、その割にはヒール部分のフィット / ホールド感がまだ甘いと感じるのでここは改善の余地がありそうだ。

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アウトソールはアシックスのソーティジャパンDUOを彷彿をさせるフルレングスの突起。これのグリップ / 耐久性が高そうで、ミッドソールの耐久性とも合わせて非常にコスパが良さそうである。そして、定価が14,500円とお値打ち。レーシングフラットのような感覚がありつつ、クッション / 反発性 / 耐久性がある(1000kmぐらいは走れそう)ということを考えると、日頃たくさん使用するデイリートレーナーとしても優秀。

以上のことから神行者は反発性、軽量性、耐久性、安定性、クッション性、汎用性、コスパに優れた1足で、短い距離からマラソンにまで使用できるバランスの良いシューズであるとの印象を受けた。

神行者”(多威 / 201g)
【どのランナーに向いているか】どのレベルのランナーにもオススメできる
【用途】幅広い種類の練習やレースで使用できる / 用途を選ばない
【特徴】従来のレーシングフラットの延長で履ける感覚ながらも反発性高し
【長所】反発性 / 軽量性 / 汎用性 / 耐久性 / 安定性 / クッション性の高さ
【短所】つま先部分がタイトでフィット感に改善の余地あり


【21〜23:超高反発ドカベン系厚底カーボンシューズ】

・21 / アルファフライ(ナイキ)
・22 / アディオスプロ(アディダス)
・23 / 160X Pro(特歩)
・(アディオスプロ2)アディダス ※10月に公開予定
・(プライムX)アディダス ※10月に公開予定

今でこそ2番バッターの大谷翔平という怪物がいるものの、野球の4番バッターといえばホームランを量産するが、体格が大きくそこまで足が速くないというドカベンの山田太郎みたいなイメージがある。

これらのシューズはまさにそのようなシューズであり、ホームランを量産できるほどの超高反発シューズである。しかし、重量が200gを超えるため、比較的軽量であるとはいえ、この記事で取り扱っているシューズの中では少々重い部類に入るシューズである。

大谷翔平のような怪物とはネクスト%なのかもしれない(それでも相当ガタイが大きいようにいえるけども)


21 / アルファフライ(ナイキ / 210g / 税込33,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)47点】
発売:2020年3月上旬
反発性:10点(ミッドソール:ZOOM X = Pebax)
軽量性:6点
安定性:5点
グリップ:7点
疲労軽減:4点
通気性:8点(アッパー:ニット)※アトムニット
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)16点】
汎用性:4点
耐久性:7点
コスパ:5点
【合計(100点満点)63点】

反発性の高さはこれらの中でもトップクラス

しかし... この暴れ馬を操ることは多くのレベルのランナーにとって難しく、マラソンで使うとなると尚更である(エリート選手でもこのシューズでマラソンを走るものは多くない)

反発性はピカイチだが、走法を選ぶのと、マラソンでは最後まで脚がもたないという感想も多く、幅広い練習で使用できるかというとそうでもないので、汎用性が高くない。

「テンポネクストで練習を積んでアルファフライで!」

とメーカー側は謳っているが、それをするんだったら、そもそももっとフィジカル面を強化した方がいいと思う(個人の感想です)

そして、2020年12月以降はトラックの公認レースで厚底シューズが使用できず、ロードレースでしか使えないうえに、ロードレースの開催自体があまりない。

それでも、この33,000円という高価すぎるシューズを多くの市民ランナーに買わせたナイキは本当にすごいし、テンポネクストからのアルファフライを買わせる流れは「さすが」としか言いようがない。

「シューズに走りを合わせる」という声が囁かれたが、使いこなすのが難しいアルファフライを無理に履き続けるよりも、この記事で紹介しているシューズで自分により合うのではないか?というシューズがあるとしたら、それを選択したほうが私は良いと考えている。

パフォーマンス点があまり高くないのは「扱いが難しい」ということの表れであるが、このシューズを履きこなせるランナーにとっては大きな武器になることは間違いない。しかし、その数はそこまで多くないと思っている。

このシューズは「諸刃の剣」なのだ。

“アルファフライ”(ナイキ / 210g)
【どのランナーに向いているか】
競技選手 / フィジカルレベルの高い人
【用途】インターバル / レペ / レース(おもにロードレース)
【特徴】超高反発で大きなストライドが出る。まさにトランポリン。
【長所】驚くような反発性 / 記録を狙う際のウェポン
【短所】走法や路面、コース、履く人のレベルを選ぶようなシューズ


22 / アディオスプロ(アディダス / 220g / 税込27,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)50点】
発売:2020年6月下旬
反発性:9点(ミッドソール:LIGHTSTRIKE PRO = EVA/TPUブレンド)
軽量性:6点
安定性:6点
グリップ:7点
疲労軽減:6点
通気性:8点(アッパー:単層のセラーメッシュ【リサイクルポリエステル】)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)15点】
汎用性:5点
耐久性:5点
コスパ:5点
【合計(100点満点)65点】

反発性はネクスト%よりも高く、ミッドソール(LIGHTSTRIKE PRO)の弾性はZoom Xよりもお餅のようにモッチリしている。ハーフマラソンぐらいのペースではふんわりと弾む走る感じが心地よいと感じる。

超厚底だからか接地のレスポンスが遅く、かつ重量の重さが影響してか、私のような5000m15分台レベルのランナーだと、5000mのレースペースぐらいのペースだとケイデンスが出しにくい(ピッチが高まりにくい / 高めようとすると疲労する)

前方方向の縦の動きに対しては接地時の安定感は高いが、私のレベルの基礎筋力で走ると横 / 斜め方向の安定性は高くないと感じるのでロードレースでの折り返しや、トラックレース(つまり10000m以下の距離のレース)でのコーナーワークには向いていないのかもしれない。

安定性の6点はコーナーの少ないロードレースで履く事が前提での点数。

耐久性はそこまで高くはないと感じるが、値段はそこそこするのでコストパフォーマンスが高いとはいえず、汎用性も高くないので限られた局面で使用するシューズだといえる(他のシューズとの履きわけが重要)。

シューズは良さと課題の明暗がはっきりしたような感じで今後のアップデートに期待したい。

このシューズを履いた選手がハーフマラソンで男女ともに世界新を出しているが、そもそもアディダスの契約選手は、元から実力が高かったということを考慮しなければならない(あくまで高い能力を持つ選手が良いシューズを履くから記録が出る)

2021年の6月あたりにアディオスプロ2が発売されるのではないか、といわれている。

“アディオスプロ”(アディダス / 220g)
【どのランナーに向いているか】
PB向上を目指す競技選手 / パワー系の選手
【用途】インターバル / レペ(長い距離) / レース(おもにロードレース)
【特徴】アディダス史上最高の高反発素材のライトストライクプロを採用
【長所】ライド感がそれまでのアディダスシューズとは別格
【短所】他社のカーボンシューズと比較して重量が少しある


23 / 160X Pro(特歩 / 245g / 約21,600円)

【パフォーマンス点(70点満点)48点】
発売:2021年7月予定
反発性:10点(ミッドソール:动力巢PB / X-Dynamic Foam PB= E-TPU)
※超臨界発砲製法によるナイロン粒子のフォーム
軽量性:4点
安定性:7点
グリップ:8点
疲労軽減:4点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)19点】
汎用性:4点
耐久性:7点
コスパ:8点
【合計(100点満点)67点】

まさに「中国版アルファフライ」という感じの1足。2021年7月に中国で一般発売であるが、こねくり回してゲットした(一応、自費購入)。

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見てください、この前足部のミッドソールの厚みを...!

碳板 → カーボンプレート

カーボンプレートの硬さはマックスというところで、もろアルファフライのシステムのように自動フォアフット形である。そのようなことから、走法を選ぶシューズであると感じている。

また、重量が245g(26.5cm)あり、そこまで重いとは感じないが、ストライドがかなり伸びている代わりにケイデンス(ピッチ)は落ちる。そこはトレードオフなので、どのバランスが良いかは各自が良いと思う1足を見つけるべきだと思う。

とはいえ、このシューズのポテンシャルはすごい。2020年の南京マラソンで、それまでサブテンすら出したことのない2人の中国人選手がいきなり、いきなり2:08分台後半で2人も走破した。

そして、このシューズのプロトを履いていた。

前足部 / 中足部接地の選手にあっている1足であり、プレートの剛性も高く反発性も高いのでより高いフィジカルレベルが要求される。よってエリート向けの1足であるが、価格は21,000円程度なのでアルファフライよりも安いのが魅力である。

アルファフライ同様に、パフォーマンス点があまり高くないのは「扱いが難しい」ということだが、このシューズを履きこなせるランナーにとっては大きな武器になる。

コーナーのようなカーブでもその安定性は維持できるものであり、前作のX-Dynamic Foam(アルケマのPeba)から今回のDynamic Foam PB(宇部興産のPeba)にフォームが変わって反発性が落ちたと囁かれているが、その分厚みを出してモリモリにしているのと、安定性が相変わらず高いと感じる。

“160X Pro”(特歩 / 245g)
【どのランナーに向いているか】
上級者 / ストライド / パワー系
【用途】インターバル / レペ / レース(エリートレベル以外はハーフまで)
【特徴】中国版アルファフライ。前足部の自動フォアフット感が凄い
【長所】アルファフライに匹敵する反発性 / 分厚さと見た目のインパクト
【短所】重さがありケイデンス(ピッチ)を出しにくい / 販売していない


【24〜27:厚底カーボンロング系(ハーフ以上のロング用)】

・24 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)
・25 / カーボンX2(ホカオネオネ)
・26 / ジ・アーティスト(アトレイユ)
・27 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス)

これらのシューズはそこまで高い反発性を感じることはない(19 / 20)、もしくは安定性がイマイチで(21)、短い距離ではなくハーフやマラソンといった長い距離に向いていると感じる1足である。

また、練習では様々な種類で使用できるというよりかは、淡々とボリュームをこなしていくような練習に向いていると感じた。


24 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈 / 211g / 約14,000円)

パフォーマンス点(70点満点)47点】
発売:2020年11月
反発性:6点(ミッドソール:NYLON 12 / PA12)
軽量性:7点
安定性:7点
グリップ:7点
疲労軽減:7点
通気性:6点(アッパー:メッシュ)
フィット感:7点

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【コスパ点(30点満点)21点】
汎用性:7点
耐久性:7点
コスパ:7点
【合計(100点満点)68点】

必迈はビーマイ(bmai)と読む中国のランニングブランドで2014年に元リーニンの社員が創業。“惊碳”は中国語でカーボンプレートという意味である。

アッパーにある“驚”という文字が印象的で、デザインもはっきり言ってダサ○が、シューズ自体は厚底カーボンシューズとしてはバランスの良いシューズだと感じる。

そこまで反発性は高くないと感じるが、これぞローリング!と言わんばかりの“ゆりかご感”は厚底カーボンシューズではトップクラス。

カーボンシューズではないがアシックスのグライドライドの感じに似ていてハーフの距離からロングラン、マラソンに良さそう。効率的に走るシューズではあるものの、ガンガンスピードを出していくというシューズではないように感じた。

ミッドソールのナイロン12という素材は別名PA12と呼ばれ、Pebaxの主原料となるナイロンポリマー(ポリアミド樹脂)である。

素材の感じはそこまで大きく変わらないようにも思うが、Zoom Xのようにふんわりバウンシーに弾むようなフォームではないので、反発性はそこまで高くないと感じた。

“Mile 42K Turbo 惊碳”(必迈 / 211g)
【どのランナーに向いているか】
ピッチ型 / ビギナーや中級者
【用途】ロングインターバル / テンポラン / ロングラン / ハーフやマラソン
【特徴】凄まじい爪先の反り上がり度とローリング度。まさに“ゆりかご”
【長所】練習後のダメージが少ない / ロングランを楽しくさせる
【短所】反発性が高くなく速い練習にあまり向いていない


25 / カーボンX2(ホカオネオネ / 233g / 税込27,500円)

【パフォーマンス点(70点満点)47点】
発売:2021年1月上旬
反発性:5点(ミッドソール:コンプレッションEVA)
軽量性:5点
安定性:9点
グリップ:6点
疲労軽減:8点
通気性:6点(アッパー:エンジニアードメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)16点】
汎用性:5点
耐久性:5点
コスパ:6点
【合計(100点満点)63点】

私がこの1年間で20km以上のロングランをしたのは20-25回ぐらい(たぶん)そのうち、30km以上走ったのは2回だけで、1回が42.2kmのタイム測定(という名の練習)、そしてもう1回がこのカーボンX2を履いた時だった。

このシューズの特徴はホカらしいと言ってしまえばそれまでだが、その安定性の高さとロッカー性能の融合だろう。ラバライズドEVAのアウトソールとミッドソールの厚底のコンプレッションEVAの組み合わせは特にロングランといった長時間の着地衝撃を和らげるクッションの効果が高いと感じる。

そのようなこともあり、私のロングランは通常100-110分が上限だが(年間で20回20km以上のロングランをしても30kmを超えることは滅多にない)カーボンX2を履いた時だけ4:00/kmで120分以上走ったので32kmを走破した。

シームレス(継ぎ目のない)のアウトソールのラバライズドEVAは、ミッドソールのコンプレッションEVAとの独特の反発性は短い距離向けのものではないが(スピードを上げたら逆に疲れた)長い距離を走っていることを忘れさせてくれるような快適なロングランをサポートするように感じた。

それ故に100kmウルトラマラソン世界記録への挑戦でアメリカのホカ契約選手達がこのシューズを履き、ジム・ウォームズレーが世界記録に肉薄した。

欠点はアウトソールの耐久性が低いこと(ロングランやウルトラ向けではあるが...)。

ホカは独特の厚底由来のクッション性やライド感、そして幅広ならではの安定性を持つシューズが多いが、その一方ではリンコン2、マッハ4、このカーボンX2とアウトソールの耐久性が低いモデルがあるので、今も昔も特徴的なブランドであるのはいうまでもない。

カーボンX2”(ホカオネオネ / 233g)
【どのランナーに向いているか】マラソン / ウルトラランナー / ビギナー
【用途】遅くない持久走 / ロングラン / (ビギナーなら)ハーフやマラソン
【特徴】接地面の大きさからなる安定性の高さとロッカー性能の融合
【長所】ロングランの単調な“退屈さ”を軽減してくれる
【短所】スピードを出して走るようなシーンに不向き / 売価が高い


26 / ジ・アーティスト(アトレイユ / 217g / 約10,800円)

【パフォーマンス点(70点満点)46点】
発売:2021年4月中旬(先行予約は2020年秋から)
反発性:7点(ミッドソール:Supercritical EVA)
軽量性:6点
安定性:5点
グリップ:7点
疲労軽減:7点
通気性:6点(アッパー:スウェード生地のような肌馴染み)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)23点】
汎用性:6点
耐久性:7点
コスパ:10点
【合計(100点満点)69点】

2020年にアメリカテキサス州のオースティンで立ち上がったばかりのランニングブランドのATREYU(アトレイユ)。先日発売されたばかりのこのジ・アーティストはミッドソールにSupercritical EVA、オーソドックスなフルレングスのカーボンプレートをサンドしたドロップ6mmシューズ。

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アウトソールはアディオスプロと似たようなスリックタイヤ的な1mm厚のもの。アッパーは前作のATREYUお馴染みのスウェード素材のようなものを継承し、上履きみたいな感じで肌に馴染む。

で、1足$100という破格の安さ。

発送時に箱がついていないので経費削減。販促も広告費はほぼゼロ。販売方式はクラウドファンディング方式。また、アッパーがシンプルな設計で、補強のためのサポート材が入っていないものである(ふにゃふにゃである)。

色々とシンプルなので、売価を$100にできるんだろう。

すごい。

フォームはSupercritical EVA(超臨界EVA)であり、走り心地はアディオスプロの沈み込むようなフォームに似ている。しかし、そこまで大きく反発があるとは感じないが、ここまでシンプルで安価なシューズがこれほどの機能を備えていることに驚く。

デザイン性よし、アッパーも他とは違うし、人と違う1足を探している人にはオススメ。

そこまでモリモリ系の厚底ではないが重量がちょっとある(217g / 26.5cm、十分軽いけど...)。前方方向への安定性はそこそこあるが、アディオスプロと同じく横方向や斜め方向への安定性が高くない。

トラックで走ったら確かに“ふにゃふにゃ”すぎて安定感に乏しいと感じた。中国メーカーの厚底カーボンシューズと同じく安い製品であるが、こちらの完成度はそこまで高くないと感じたが、デザイン性やオリジナリティはあるブランドなので今後の成長に期待したい。

“ジ・アーティスト”(アトレイユ / 217g)
【どのランナーに向いているか】
(どちらかというと)長距離ランナー
【用途】(ロードでの)テンポラン / ロングラン / ハーフ / マラソン
【特徴】シンプルながらも補強弱めで安定性が低いが安い(現在売切れ中)
【長所】売価が安い / デザインが他社の製品とは違う
【短所】安定性が高くない / 安いが故にシンプルな作りで脆い


27 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス / 211g / 税込28,600円)

【パフォーマンス点(70点満点)49点】
発売:2021年5月下旬
反発性:7点(ミッドソール:FuelCell = N2+EVA+TPU)
軽量性:6点
安定性:6点
グリップ:7点
疲労軽減:8点
通気性:7点(アッパー:穴あきニット)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)18点】
汎用性:6点
耐久性:6点
コスパ:6点
【合計(100点満点)67点】

アッパーは5280から継承して小さいな穴あきで通気性を高めたニットアッパー。フィット感が良く足に馴染む。ミッドソールは規制範囲の40mm厚ギリギリの厚さに調整。前作よりもクッション性と反発性をやや向上させている(アルファフライのような驚くような反発性ではない)。

このシューズに使用されているフューエルセルのフォームはふんわりとした素材なので、39mmの厚みがある分、安定性がそこまで高くない。重さも前作よりかは重く、短い距離でガンガン使うというよりかはテンポランやロングラン、マラソンやハーフマラソンに最適であるといえる。

スピード練習で履けないことはないが、コーナーでの安定性が高くなく、加速する局面での“沈み込み”が気になる。こういったことから急加速を要するラストスパートにはあまり向いていないかもしれない。

アウトソールは前作よりもグリップ性を落として、繰り抜きが随所に見られることから軽量化を意識して作られている。前作はハンゾーにもあったようなグリップ性に優れたダイナライドというアウトソールを使用していたが、今作でグリップ性が落ちたことからも短い距離よりかは長い距離向けの1足にシフトしていることがうかがえる。

フューエルセルのフォームについて、例えばフューエルセル5280のアウトソールのヒール部分はミッドソールが剥き出しになっている。これは耐久性を落として軽量性を重視していることがうかがえる。つまり、スパイクのような1足である(ちなみに5280はロードで履けるスパイクという設計であり、中距離用シューズなのでそれは当然といえば当然)。

フューエルセルRCエリートv2においてはロードでの長い距離の走行でもしっかりと使えるように、こちらにはヒール部分にきちんとアウトソールがついている。カーボンプレートのおかげでハーフマラソンやマラソンペースぐらいの速度であれば、そこまで走行時の安定性がどうこうは気にならかった。

これがフューエルセルレベルv2だとまた違う感じ方となる。

何度か履いていてわかったことは、アシックスのFF BLAST TURBOのフォームとはまた違って、フューエルセルは柔らかいフォームではあるがもっちりというよりかはふんわりしているので、ZOOM Xのような感じに近いのかもしれない。

“フューエルセルRCエリートv2”(ニューバランス / 211g)
【どのランナーに向いているか】
ハーフかマラソンで頑張りたい
【用途】テンポラン / ロングインターバル / ロングラン / 長めのレース
【特徴】高いクッション性と反発性、フィット感の良さ
【長所】一定のペースでストレスなく走行するペースに最適
【短所】短い距離でスピードを出すと安定性があまり高くなくフワフワする


【28〜30:厚底カーボンサポート系(非レーシング)】

・28 / UP30(匹克)
・29 / 绝影(李寧)
・30 / アディゼロボストン10(アディダス)

重量が他の厚底カーボンシューズよりも比較的重いものの、安定性や耐久性の高さが特徴である。カーボンシューズ=レーシングシューズとはならないことを感じさせてくれる。


28 / UP30(匹克 / 270g / 約7,000-10,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)45点】
発売:2020年夏
反発性:5点(ミッドソール:P-POPUP = E-TPA+PEAK TAICHI)
軽量性:3点
安定性:9点
グリップ:6点
疲労軽減:7点
通気性:7点(アッパー:モノメッシュ)
フィット感:8点

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【コスパ点(30点満点)23点】
汎用性:5点
耐久性:9点
コスパ:9点
【合計(100点満点)68点】

バッシュが有名な中国の匹克(ピーク)社のカーボンプレート入りシューズ。

このシューズの総合評価を出すには結構悩んだ。ということで3-4ヶ月は履いてみた。カーボンプレートの剛性がそこまで高くなく(めちゃ硬くなく)屈曲性のある重いズームフライという感じの第一印象だった

重いけど...安定性が高い。

ロッカー性能は感じるので、確かに速くない程度のイージーテンポランあたりの走速度(マラソンペースよりも1kmあたり+15-25秒程度)でちょうどよく、スムーズに重心移動できていることに気づく(努力度よりもタイムは速くなる印象を受けた)。

ただ、26.5cmで270gと重いのでインターバルで使うシューズでもない。ということで初心者の練習 / レース用に良いかも。と思い始めたのはゲルカヤノにカーボンプレートを入れた感じ、だと感じるからだ。

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ミッドソールの白い部分はP-POPUP(E-TPA)というフォーム。硬さと接地感がアディダスのブーストに似ている。黄色い部分はPEAK TAICHIというアシックスのゲル(GEL)のような粘り気のあるフォームが使用されている(右の赤いのがピークタイチ)。

結果的に、安定性が高いがヒール部分のクッション性も高い(一見、相反する要素を両立している)。ゲルカヤノと同じくヒール部分に比重が置かれていることを考えると、やはり初心者向けの1足かもしれないが、いわゆる競技志向でないランナーの場合であればマラソンレースやロングランでも十分使えると思うし、そういう大半のファンランナーにオススメしたい1足である。

中級 / 上級者にはその安定性の高さを考えると故障あがりや基礎構築段階のイージーテンポやロングランに良いと感じる(わざわざカーボンシューズを普段のジョグでは使わなくてもいいとは思う)。

定価がおおよそ1万円未満、耐久性もスニーカー並みのガッチリとした感じなのでコスパが高いと感じる。

一見するとネクスト%などと比較してガチレースに使えそうな1足でないように思えるが、基礎的な練習の方が時間を割くことを考えると、あながちこういった重さのあるトレーニング用のカーボンシューズは侮れないと感じた。

ハーフで1:10を切る私の走力だと、このシューズで3:40-4:00/kmぐらいのペースの15-25kmぐらいの持久走やロングランによくこのシューズを使用した。このペース帯で反応が良く、あまり重さは気にならなかったし、効率的な重心移動を感じられた(感覚よりもペースが速く走れていた)。

“UP30”(匹克 / 270g)
【どのランナーに向いているか】
ビギナー / 中級者 / 体重が重い人
【用途】ジョグ / ロングラン / (ビギナーであれば)ハーフやマラソン
【特徴】高重量とはいえその高い安定性 / 耐久性 / ロッカー性能
【長所】マラソンペース以下では努力感よりも速く走れる
【短所】重い / 流通量が極めて少ない


29 / 绝影(李寧 / 239g / 約29,000円)

【パフォーマンス点(70点満点)43点】
発売:2020年8月
反発性:6点(ミッドソール:䨻 / BOOM= E-TPA)※2層ともに
軽量性:4点
安定性:8点
グリップ:8点
疲労軽減:4点
通気性:6点(アッパー:ウーブン+モノメッシュ)
フィット感:7点

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コスパ点(30点満点)18点】
汎用性:4点
耐久性:8点
コスパ:6点
【合計(100点満点)61点】

このシューズのコンセプト(カーボン2枚使い)を最初に知った2020年春に私は驚愕した。

世はアルファフライが発売され始めた頃で盛り上がっていた時に、李寧というメーカーはあらゆる英知を結集して、レーシングシューズとして知られている厚底カーボンシューズを、さらに先のゾーンへともっていったからだ。

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先にいっておくと、このシューズはエリートランナーのためのレーシング用のシューズではない。日本のフリマサイトではこのシューズの説明で「アルファフライよりも反発がある」という“デタラメ”なことを書いている輩がいるが、そもそもシューズのコンセプトが違う。

私が3:30-4:00/kmである程度の時間走った感想としては、

・いうほど軽くないので(239g / 26.5cm)レーシングシューズじゃない(現状のルールではカーボン2枚入りは公認レースで履けない)
・ヒール部分の比重が高くフォア部分の乗り込みがほぼ感じられないので、どちらかというとビギナーや中級者向け(少なくとも私には合わなかった)
・アッパーの高級感、カーボン2枚使いといった見た目や話題性を重視(プレミアム感)
・反発性はあるが重量がありスピードを出す1足ではない(速いペースで走ると"リアルに"疲れる)

といったところ。

アッパーはシームレス(継ぎ目のない)のウーブン(ポリエステル)+モノメッシュの複合アッパー。全メーカーの中でもアッパーの繊細さについて今は李寧の開発力が頭1つ抜けていると思うし、スニーカーというジャンルでブランディングにある程度成功したブランドという強みが生かされてる。

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カーボン2枚使いの李寧が誇る弜(Jiang)テクノロジー。ミッドソール(䨻 / Boom)の素材とその2層構造を生かした衝撃吸収の技術。 股関節や膝などの関節の故障のリスクを減らす効果がある。

そのようなことを考えると、ランニング人口としては最も多いファンランナー(初心者)向けの1足で、特に土踏まずのない人、扁平足のランナーの膝など関節の故障を防ぐのに有効で安定性が高いのが特徴。

人間の足のアーチにはランニング時に発生する振動をやわらげる機能性があるが、その機能を生かし切れていないランナーに対して、弓状の湾曲した2層のミッドソールと2枚のカーボンプレートがサポートしてくれる1足。

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アウトソールを見ればわかるが、左2つの飞电 2.0 ELITEと飞电CHALLENGERの“レーシングシューズ”と違って、右の绝影は幅広で安定性が高い(その分だけ重量が重い)。当然、安定性とは重量にある程度比例する。

そして、左の2つのアウトソールが軽量化に比重が置かれているのに対して绝影のアウトソールはグリップの良さと耐久性の高さが挙げられる。つまり、長く使える1足でありビギナー層が持っておきたいシューズともいえる。

“绝影”(李寧 / 239g)
【どのランナーに向いているか】
ビギナー / 扁平足の人
【用途】ジョグ / ロングラン / (ビギナーであれば)ハーフやマラソン
【特徴】カーボン2枚使いとその見た目などの“プレミアム感”
【長所】見た目のプレミアム感 / カーボン2枚使いの特別感
【短所】売価が高い / 流通量が極めて少ない

3万円弱ほどする绝影の廉価版として1万円代の绝影Essencial↑という製品があるがここでは紹介しない。しかし、いざ履いてみると廉価ではあるがそのクオリティの高さには驚いた。ここに李寧というブランドの凄さがわかる。


30 / アディゼロボストン10(アディダス / 268g / 税込15,400円)

【パフォーマンス点(70点満点)43点】
発売:2021年7月
反発性:6点(ミッドソール:LIGHTSTRIKE PRO / LIGHTSTRIKE)※2層
軽量性:3点
安定性:7点
グリップ:7点
疲労軽減:6点
通気性:7点(アッパー:メッシュ)
フィット感:7点

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コスパ点(30点満点)20点】
汎用性:5点
耐久性:8点
コスパ:7点
【合計(100点満点)63点】

前作のボストン9とは見た目もミッドソールも走り心地も全然違う1足。

ミッドソールは2層のセパレートとなっており、下層はライトストライク(EVA)で安定性を、上層のライトストライクプロは反発性をそれぞれ感じさせる。

厚さ40mmギリギリの厚底になったことで、アディオスプロの練習用という、テンポネクスト%の発売時のような位置付けとも感じさせるが、テンポネクスト%の発売当時の定価は税込24,200円...!

それとは違って定価15,400円のお手頃価格なのは消費者は嬉しい。私はこの1足を6月中旬にコイケスポーツのオンラインで11,999円だったので即ポチした(かなりお手頃だったと思う)。

中足部から前足部にかけて2層のミッドソールの間にあるのはカーボンロッドではなく、グラスファイバーロッド。

そこまで剛性の高いものではなく、シューズの屈曲性はちょっとあるので、テンポネクスト%というよりかはズームフライの位置付けに近いのかもしれない。ただ、重量が270g程度(26.5cm)あるので、インターバル走やテンポ走に使うかというとそうでもないように感じた。

とはいえ、上層のライトストライクプロの反発性はよく感じる。グラスファイバーロッドによって反発性 / 推進力が高まっているのは正直わからないと思った。これだけの厚底であるが、下層のライトストライクによって安定性を確保しているのは十分に感じられた。

クッション性もあるのでジョグ、ロングラン、そこまで速くないテンポ走にで十分に使えそう。

とはいえ、ここまで厚底なのでレース用もインターバルでもジョグでもヴェイパーフライやアディオスプロといった全て厚底のガイド系シューズで統一すると足底などの足関節周りへの負担があり、故障につながるのではないかと感じる(それを補うためのフィジカルトレーニングが必要になってくる)

そのようなことから、私はそこまでボストン10を今後積極的に使用したいとは思わなかった。もうちょっと練習量が増えれば(週100-160kmぐらい走るようになれば)使用したいかもしれないが。

このシューズの良い点といえば、店によっては新品で12,000円ほどで買えるということでコスパは高い。アッパーのデザインもシンプルな感じで普段ばきにも良さそうであるし、アッパーの肌触りはとてもよく長く履けそうな1足であるとも感じた。

“アディゼロボストン10”(アディダス / 268g)
【どのランナーに向いているか】
概ねどのレベルのランナーでもOK
【用途】ジョグ / ロングラン / 速くないテンポ走など
【特徴】クッション性 / 安定性 / 反発性 / 屈曲性を兼ね備えている
【長所】お手頃価格 / 耐久性も悪くなさそう=コスパが高い
【短所】重さがある / 夏季は気温が高くライトストライクプロが柔らかい

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【これからテスト予定の厚底カーボンシューズ】
・アディオスプロ2(アディダス)
・プライムX(アディダス)テスト済
・タクミセン8(アディダス)
・スピードフリーク(スケッチャーズ)テスト済
・神行者SE(多威)
・260x(特歩)テスト済
・斯飙 / HI RACER(海尔斯)
・驫碳1.0(初将)

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【掲載しているカーボンシューズのブランド別一覧】

【日本ブランド】
アシックス:メタレーサー / メタスピードスカイ / メタスピードエッジ
ミズノ:ウェーブデュエルネオ2エリート ※ウエーブプレート

【欧米ブランド】
ナイキ:VFネクスト% / アルファフライ
アディダス:アディゼロプロ / アディオスプロ / アディゼロボストン10
(アディオスプロ2)/(プライムX)
ニューバランス:フューエルセル5280 / フューエルセルRCエリート+v2
サッカニー:エンドルフィンプロ
ブルックス:ハイペリオンエリート2
ホカオネオネ:ロケットX / カーボンX2
スケッチャーズ:スピードエリートハイパー
アトレイユ:ジ・アーティスト

【中国ブランド】
李寧:飞电 1.0 / 飞电 2.0 ELITE / 飞电 CHALLENGER / 绝影
特歩:160X 1.0 / 160X 2.0 / 160X Pro
乔丹:飞影PB
匹克:UP30
必迈:Mile 42K Turbo 惊碳
多威:神行者
361°:飞燃


【総合比較結果】

【パフォーマンス点】
1 / VFネクスト%(ナイキ)54点:揺るぎない最高の1足!

1 / 飞电2.0 ELITE(李寧)54点
3 / メタスピードスカイ(アシックス)53点
3 / 飞影PB(乔丹)53点
5 / 160x 2.0(特歩)52点
5 / メタスピードエッジ(アシックス)52点
7 / 160x 1.0(特歩)51点
7 / 飞电1.0(李寧)51点 
7 / エンドルフィンプロ(サッカニー)51点
7 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス)51点
7 / 飞电CHALLENGER(李寧)51点
7 / フューエルセル5280(ニューバランス)51点
7 / 神行者(多威)51点
14 / アディオスプロ(アディダス)50点
14 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ)50点
16 / ハイペリオンエリート2(ブルックス)49点
16 / メタレーサー (アシックス)49点
16 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス)49点
16 / ウエーブデュエルネオ2エリート(ミズノ)49点
20 / ロケットX(ホカオネオネ)48点
20 / 160x Pro(特歩)48点:この1足を扱えれば話は別
22 / アルファフライ(ナイキ)47点:この1足を扱えれば話は別
22 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)47点
22 / カーボンX2(ホカオネオネ)47点
22 / アディゼロプロ(アディダス)47点
22 / 飞燃(361°)47点
27 / ジ・アーティスト(アトレイユ)46点
28 / UP30(匹克)45点
29 / アディゼロボストン10(アディダス)43点
29 / 绝影(李寧)43点

【コスパ点】
1 / 飞影PB(乔丹)26点:あり得ないレベルでコスパ最強!🔥 🔥

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【飞影PBの購入方法↓】

2 / 神行者(多威)24点
3 / ジ・アーティスト(アトレイユ)23点
3 / 160x 2.0(特歩)23点
3 / UP30(匹克)23点
6 / 飞燃(361°)22点
6 / 160x 1.0(特歩)22点
6 / メタレーサー (アシックス)22点
6 / アディゼロプロ(アディダス)22点
10 / エンドルフィンプロ(サッカニー)21点
10 / メタスピードスカイ(アシックス)21点
10 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)21点
13 / VFネクスト%(ナイキ)20点
13 / 飞电2.0 ELITE(李寧)20点
13 / ウエーブデュエルネオ2エリート(ミズノ)20点
13 / アディゼロボストン10(アディダス)20点
17 / 160x Pro(特歩)19点
17 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス)19点
17 / ハイペリオンエリート2(ブルックス)19点 
17 / 飞电CHALLENGER(李寧)19点
17 / ロケットX(ホカオネオネ)19点
17 / メタスピードエッジ(アシックス)19点
23 / 绝影(李寧)18点
23 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス)18点
25 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ)16点
25 / 飞电1.0(李寧)16点
25 / アルファフライ(ナイキ)16点
25 / カーボンX2(ホカオネオネ)16点
29 / アディオスプロ(アディダス)15点
30 / フューエルセル5280(ニューバランス)12点


【合計点】
1 / 飞影PB(乔丹)79点:2020年最高の1足!!

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「あなたの平凡な人生を非日常なものへ」

2 / 160x 2.0(特歩)75点
2 / 神行者(多威)75点
4 / メタスピードスカイ(アシックス)74点
4 / VFネクスト%(ナイキ)74点
4 / 飞电2.0 ELITE(李寧)74点
7 / 160x 1.0(特歩)73点
8 / エンドルフィンプロ(サッカニー)72点
9 / メタレーサー (アシックス)71点 
9 / メタスピードエッジ(アシックス)71点
11 / 飞电CHALLENGER(李寧)70点
11 / フューエルセルRCエリート(ニューバランス)70点
13 / 飞燃(361°)69点
13 / ジ・アーティスト(アトレイユ)69点
13 / ウエーブデュエルネオ2エリート(ミズノ)69点
16 / Mile 42K Turbo 惊碳(必迈)68点
16 / UP30(匹克)68点
16 / アディゼロプロ(アディダス)68点
19 / 160x Pro(特歩)67点
19 / ハイペリオンエリート2(ブルックス)67点
19 / 飞电1.0(李寧)67点
19 / フューエルセルRCエリートv2(ニューバランス)67点
19 / ロケットX(ホカオネオネ)67点
24 / スピードエリートハイパー(スケッチャーズ)66点
24 / アディオスプロ(アディダス)66点
26 / アディゼロボストン10(アディダス)63点
26 / カーボンX2(ホカオネオネ)63点
26 / アルファフライ(ナイキ)63点
26 / フューエルセル5280(ニューバランス)63点
30 / 绝影(李寧)61点

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2021年はアシックス以外にも様々なブランドが新作のカーボンシューズを投入してくることが予想されるので、適宜こちらにアップデートしていく。


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