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なぜホカやリーニンの「厚底シューズ」の厚さが世界陸連のシューズリストで25mm未満なのかを細かく解説します。

2020年8月に発表された12月1日以降の公認トラックレースでの25mmルール。いわゆる厚底シューズが12月1日以降の公認トラックレースで履けないというものでランナー界隈で大きな議論が起きた。

10月や11月になって世界陸連は認可されたシューズリストを更新しており、それらのシューズの厚さが25mm未満なのか、それ以上なのかが一眼でわかる。ここに、元祖厚底のホカオネオネのシューズで25mm未満となっているシューズがいくつかある。

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(出典:World Athletics

もちろんボンダイという最厚クラスやロケットX、カーボンXになると25mm以上であるが、クリフトン7といった「厚底シューズ」として広く認識されているシューズなどが25mm未満となっているのは見逃せないところだ。

これにはツイッターなどで「???」という投稿が多くみられている。

ということで、李寧(Li-Ning、リーニン)のFei Dian(飞电1.0、日本語で書くと飛電1.0)を所有している私が以下に、なぜこのシューズやホカのシューズが25mmであると世界陸連に公認されたのかを説明してみる。

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ちなみにこのシューズのヒール部分の厚さはメーカーの公式HPには21mmと記載されており、25mm未満なのでトラックレースで問題なく使用できる。

(2021年5月12日追記)

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「厚底シューズ」だといわれていても、実際には厚底でないシューズが存在する

以下の中国メーカーのシューズ(飛電1.0)はあまり日本では流通しておらず、ほとんど情報がない。

そして、ミッドソールの見た目の厚さがネクスト%に似てるという人もいるかもしれないが、ネクスト%でもこのシューズ(飛電1.0)でも21.1km走をした私の感想としてはこの2足はそこまで似ていない

似ているとしたら、ミッドソール素材(ナイキのZoom XとリーニンのBeng)がやや似ているぐらいで、そもそものシューズの厚さが違う

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(ネクスト%は37mmで、飛電1.0は21mm)

この2足の厚さは1.5cm以上も差があるので、当然接地の感覚は違う。もし、この2足が同じような接地の感覚であると感じる人がいたら(ほとんどいないとは思うけど...)、その人は薄底のシューズを全然履いていなくて、本来の裸足に近い薄底の接地感覚を失っている人ではないだろうか。

この飛電1.0はどちらかというとは従来の薄底に近い接地感であるが、ネクスト%が決してそうではないということは、この記事をご覧の皆さんならご存知だと思う。

さて、見た目が同じぐらいの厚さなのに、飛電1.0はなぜ21mmの厚さなのか?その秘密は以下で説明するとして、この記事を読んでいくにあたって、このように「厚底シューズ」だといわれていても、実際には厚底でないシューズが存在することを頭に入れておきたい。


ミッドソールの外からの見た目の厚さと実際の厚さは必ずしも同じではない

さて、ここからがタネ明かしになる(恐らく貴重な情報なので有料記事)。

まずは、以下のツイートを見ていただきたい。

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