「短めの非日常」

 GWが終わり、人々は再び元の日常に引き戻される。多くの人は連休から解放されて、現実に引き戻されている中、僕は頭を抱えていた。五月序盤で会社を辞めたからだ。

 会社が全く肌に合わなかった。だから今流行りの退職代行サービスを利用した。昔は三年続けろと言われていたが、合わない空気感に合わせ続けるのが苦痛だ。今の会社に順応するということは既に心が擦り切れているも同然だ。

 そんな事はあってはならない。ただこの考えと同じくらい強い感情がある。再就職への恐怖だ。再就職先は明日からだ。面接の時は悪い印象はなかった。でも勤めていた会社もそうだった。また合わない会社ならどうしよう。辞めたらそれで幸せになれると本気で思っていた。でも現実は違う。まるで違う。

「くそ」
 泣き言を吐きながら、全てから逃げるように目を閉じた。

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