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青少年アスリートの保護者は、トレーナーに何を求めているか?

📖 文献情報 と 抄録和訳

ユースアスリートの保護者のアスレティックトレーニング専門職に対する認識と知識

📕Pike Lacy, Alicia M., et al. "Youth Athletes' Parents' Perceptions and Knowledge of the Athletic Training Profession." Journal of Athletic Training 58.1 (2023): 9-17. https://doi.org/10.4085/1062-6050-0368.21
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🔑 Key points
🔹青少年アスリートの保護者は、アスレチックトレーナーが選手の健康と安全にとって非常に貴重な存在であることを示し、資格を持った医療専門家が学校ですぐに子供の治療を受けられるという知識に安心感を抱いているようだった。
🔹保護者は、練習や大会に医療専門家がいることが安全対策の最重要事項であると指摘し、子どもの医療ニーズにできるだけ早く対応できる人が欲しいという考えを強めている。
🔹アスレティックトレーナーがすぐに治療を行うという一般的な理解だけでなく、トリアージ、フォローアップや専門治療のための紹介、さまざまな怪我や病気の兆候や症状の早期発見、治療、リハビリテーション、プレー復帰プロセスの監督など、アスレティックトレーナーのスキルや資格についても保護者は議論した。

[背景・目的] 保護者は、子どもの健康と安全を擁護するユニークな役割を担っている。このような擁護は、学生アスリートのアスレティックトレーナー(athletic trainers, AT)へのアクセスを改善することができるが、アスレティックトレーニングに関する学生アスリートの両親の認識について調査した研究者はほとんどいないのが現状である。
●目的:アスレティックトレーニングに対する保護者の認識を探り、ATの役割に関する知識を評価すること。

[方法] コンカレント・ミックス・メソッド・スタディ。設定:Web上でアンケートを実施。患者またはその他の参加者:36州を代表するUSA Footballに所属する保護者(n=316:男性=53.5%、女性=46.1%、平均年齢=45.6±6.2歳[提供年齢=291])を対象とした。主なアウトカム評価項目(複数可):オンラインアンケートを作成し、Qualtricsを介して配布した。アンケートには、人口統計学的な質問、アスレティックトレーニングの価値と知識の認知度を評価する定量的な項目、および拡大の機会を提供するための自由形式の質問が含まれていた。記述統計は、人口統計データについて計算された。定量的な指標は、カウントとパーセンテージの回答として示された。自由形式の回答は一般的な帰納的アプローチで分析し、全体的な認識は参加者の引用で裏付けた。

[結果] 10763人の保護者のうち、390人がアンケートに回答した(回答率3.6%、回答完了率74.8%)。390人のうち、316人には高校生の子供がいた。回答者の約67%(n = 213)は、ATを信頼できる医療情報源と考え、青少年アスリートの健康と安全にとって「非常に価値がある」と回答した。アンケートの回答では、ATが行う技術として、傷害予防がよく認識されており(n = 307, 97.2%)、次いで応急処置/創傷処置(91.8%)、治療介入(82.3%)となった。保護者は、即時ケアにおけるATの役割を強調し、医療専門家が子どものためにすぐに利用できることが、安心感や心地よさにつながると考えている。

[結論] 直接質問されたとき、また生徒の健康と安全に対するATの効果について議論したとき、保護者はATを評価した。ATの様々な資格は認められているが、保護者は、必要なときにすぐにケアを提供できる人がいることの重要性を強調した。緊急時、非緊急時のいずれにおいても、学生アスリートに包括的な医療を提供する最も適格な医療専門家として、ATに焦点を当てた教育努力が必要である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

「あぁ、ラーメン食べたいな」

と思っていて、中華料理屋があった。
店に入り、ラーメンを注文すると、

「あ、うちラーメンやってないんすよ。麻婆豆腐が得意でしてね・・・」

これは、がっかりする。
スポーツ現場において、こんなことが保護者-トレーナー間で起こっているかもしれない。
例えば、選手が肩の痛みを訴えてきたときに、

「あ、ぼく傷害対応苦手なんですよ。パフォーマンスアップ専門なんで・・・」

これには、保護者はがっかりすることだろう。
今回の研究において、保護者はトレーナーに対して傷害予防、応急処置、治療介入を多く求めていて、そんなトレーナーが常に近くにいることに安心感を抱いていることが明らかになった。
トレーナーにおいて、保護者は、大事な被サービス提供者の1人だろう。
そんな彼らの心のうちを知ることは、重大なことと思う。

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