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Connected Papers:点の抄読を、面の抄読に変える。

私がより遠くを見てきたとすれば、それは巨人の肩の上に立ったからである。
アイザック・ニュートン

人類は、リレー形式で発展してきた。
すなわち、たった1人の人間がすべてを成し遂げたのではなく、1人の人間が成したポイントから次の1人の人間がスタートした。
その方法は、『勉強』。

先人が幾千年かけた開拓を、たった数冊の本から理解し、血肉にする。
そして、人類の最前線に立ち、次の一歩を踏み出す。
その勉強に求められることは、『効率』だと思っている。
「学び取る」時間を最小限にして、「つくり出す」時間を最大限にできたら最高だ。
そして、数日前、勉強の効率を爆上げするツールに出会った。
それが、Connected Papersである(以下twitter & ホームページ)。
※現在は無料ではないので注意!

今回は、このConnected Papersの凄みとざっくり使用方法を共有したい。
そして、この機能を僕の文献抄読「ARI」の1機能として追加してみようと思っている❗️

▶︎点の読書、線の読書、面の読書

このツールがどう凄いのか?
それを説明するためには、以下の概念を理解されたい。
点の読書、線の読書、面の読書
『点の読書』とは、目掛けた一冊(例えば誰かに勧められた書物)だけを読む、孤立した読書のこと。
だが、知識がそうであるように、あらゆる書物(文献)もまたスタンドアローンでは存在できない。
一冊の書物、一つの文献は、他の多くの文献と、参照関係や影響関係を介して、直接・間接につながっている。
そのつながりを追って進む読書を『線の読書』と呼ぶ。
さらに、文献同士を結ぶつながりをまたいで、あるいは逆らって、文献と文献を突き合わせ縒り合わせて、著者も予期していなかった線(結びつき)をいくつもながら、編み上げながら進む読書を『面の読書』と呼ぶ。
(📗 独学大全. 点の読書から線の読書、面の読書へ)

スライド2

では、Connected Papersの凄み。
たとえば1つの論文を抄読したときに、さらに勉強したいと思って当該論文を孫引きして行ったときに、以下のようなプロセスを辿る。

①線の読書(1つ1つ検索し、追っていく)
②線のつながりが増えてくると、立体的に理解されてくる
(どの論文がその領域でメジャー、ハブ論文となっている等・・・)
③面の読書に至る

この過程において、①→③には時間がかかる(数日〜数週間)。
だが、Connected Papersは、『1秒』でそれを為す。
いきなり、面の理解を『図』として示すのだ。

▶︎点を面に変える最強ツール「Connected Papers」

まず、使用方法の詳細は良質なサイトを参照されたい。

ざっくり、使用の流れと凄みの共有を図る。
使用方法としては、まず、点の抄読をしたした1論文のdoi.を入力する。

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すると、以下のようなページが立ち上がる。

スクリーンショット_2022-07-12_8_39_13

Connected Papersの凄みのほぼ全てが、この『関連図』だ。
この関連図こそ、面の理解そのものの可能性が高い。
たとえば、本日のフル抄読論文(🌱 >>> note.)で扱った論文について入力してみる(🔗 >>> Connected Papers.)。※ ダークモードで表示

スクリーンショット 2022-07-12 8.51.22

Zhou, 2022が今回の抄読論文なのだが、これを見るとErnber, 2020が明らかにハブ論文であることが理解できる。
そこで、Ernber, 2020をクリックしてみると「実験的筋肉痛と音楽、相互作用はあるのか?」という非常に興味深いタイトル。
抄読も表示されるのでされるのでさっと抄読してみると音楽の種類が鎮痛に与える影響について記載されてあった。
これは、Zhou, 2022の抄読で僕が気になっていたポイントの1つだった。
以上のように、通常は1つ1つ手探りでやっていく必要のある孫引きを、美しいビジュアルで一気に「点 to 面」に引き上げるのがConnected Papersの特徴だ。
まだ、少ししか使っていないので分からないが、勉強の効率性・効果性を高めることは間違いなさそうである。

▶︎Connected PapersをARIに組み込む

最新のリハ系医学論文の文献抄読「ARI」は、これまで大きく2つの構成から成っていた。

📖 文献情報 と 抄録和訳
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

だが、ここまででは「点」の抄読である。
「もう一歩進んで『面』の理解をしたい」という読者を、さらにサポートしたいと思った。
(自分自身が勉強したい、ということももちろんある)
そこでドメインを1つ加えたい。

🌲MORE⤴:研究領域についてもっと勉強してみる

このドメインは、簡単だ。
Connected Papersが示した関連図を示し、そのリンクを載せる
気になる読者は、是非そのリンクに飛んで、さらなる深度での勉強をもらえればと思う。
また1つ、文献抄読に機能が加わった。
最良への一歩か、あるいは蛇足か、しっかり経過をモニターしたい。

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