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オーラルフレイル。5項目チェックリスト


📖 文献情報 と 抄録和訳

オーラルフレイル5項目チェックリストによる地域在住高齢者の有害な健康転帰の予測:柏コホート研究

📕Tanaka, Tomoki, et al. "Oral frailty five‐item checklist to predict adverse health outcomes in community‐dwelling older adults: A Kashiwa cohort study." Geriatrics & Gerontology International (2023). https://doi.org/10.1111/ggi.14634
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※ Connected Papersとは? >>> note.

[背景・目的] オーラルフレイル(多面的な口腔機能の重複したわずかな低下)をどのような環境においても容易に評価できるようにするため、我々はオーラルフレイル5項目チェックリスト(OF-5)を開発し、地域在住高齢者における身体的フレイル、身体障害、死亡のリスク増加に対する予測妥当性を検討した。

[方法] この集団ベースのコホート研究では、柏市に住む要介護のない住民2044人を無作為に抽出した。ベースラインデータは2012年に収集され、追跡データは2013年、2014年、2016年、2018年、2021年に収集された。OF-5には、歯の数、咀嚼困難、嚥下困難、ドライマウス、構音性口腔運動能力の低さの5項目が含まれる。

✅ オーラル・ディアドコキネシスとは?
・オーラル・ディアドコキネシスとは、口腔機能(特に口唇、舌)の巧緻性および速度を評価する方法である。
・被験者に「パ」「タ」「カ」の単音節をそれぞれ10秒間ずつにできるだけ早く繰り返し発音させて、1秒あたりの発音回数を測定する。
・正常値は、「パ」が6.4回/秒、「タ」が6.1回/秒、「カ」が5.7秒である。
・被験者に無理をさせないために、評価時には途中で息継ぎをしてもよいことを伝える必要がある。

🌍 参考サイト >>> site.

身体的フレイルはCardiovascular Health Studyの基準に従って定義された。要介護認定と死亡率は、介護保険受給者データベースから決定し、9年間追跡した。

[結果] 対象者2031人(平均年齢73.1±5.6歳、女性51.1%)のうち、OF-5ポイントが2ポイント以上であった39.3%の人は、身体的フレイルの有病率および新規発症率が有意に増加していた。潜在的交絡因子を調整した結果、OF-5ポイントが2点以上と定義されたオーラルフレイルは、要介護認定(調整ハザード比1.40;95%信頼区間1.14-1.72)および死亡(調整ハザード比1.44;95%信頼区間1.11-1.87)のリスク上昇と関連していた。調整ハザード比が最も高かったのは、身体的フレイルとオーラルフレイルを併発している高齢者であった。

[結論] OF-5は、日本人高齢者における身体的フレイル、身体障害および死亡率の予測に強い妥当性を示した。この評価ツールは、様々な場面で実施可能であり、専門職間の連携による包括的な予防を促進することができる。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、歯周病と認知機能に関する文献抄読を行った。

最近、口腔の健康とその他のアウトカム(身体機能など)との関連が続々報告されている。
歯といえば、母親を思いだす。
いつも、「歯の健康は本当に大事。ものをしっかり噛めなくなることは、人生の楽しみが減ってしまうんだよ。」と言っていた。
その母は、今回の定義によれば、完全にオーラルフレイルになっていて、実体験に基づく助言だったのだろうと思う。

入院してくる患者群の中には、オーラルフレイルをすでに持っている方、そのリスクが高い方がいる。
運動器、脳血管、関係なくスクリーニング検査をOF-5によって行い、必要があればオーラルフレイル予防に努める。
そんな体勢が整えられたら、理想だろうと思う。
理想を追いたい。

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