骨粗鬆症者のための運動ガイドライン
📖 文献情報 と 抄録和訳
ポジションステートメント:骨粗鬆症患者の骨粗鬆症管理と転倒予防のための運動ガイドライン
[背景・目的] 骨粗鬆症や骨減少症と診断された患者における骨粗鬆症改善や転倒予防のための運動の有効性については、十分にまとめられていない。韓国骨代謝学会と韓国運動生理学会は、骨粗鬆症または骨減少症の患者に対する運動ガイドラインを作成し、エビデンスに基づいた推奨を行っている。
[方法] システマティックレビューにより、骨粗鬆症や骨減少症におけるレジスタンス、インパクト、バランス、有酸素トレーニング、身体活動が骨質、身体パフォーマンス、QOL、転倒予防に及ぼす効果を評価したランダム化比較試験(RCT)を同定した。PubMed、Embase、KoreaMed、RISSを2000年1月から2022年8月まで検索した。エビデンスをレビューし、推奨を策定するために10の重要な質問を設定した。
[結果] 50のRCTは、骨粗鬆症や骨減少症であっても、筋力トレーニングや衝撃トレーニングは一貫して骨強度を最大化し、体幹とバランスを改善し、最終的には転倒発生を減少させることを報告した。3~10種類のフリーウェイトと主要筋群の機械的運動を組み合わせたレジスタンス運動を、1反復最大強度50~85%、5~12回/セット、週2~3日、3~12ヵ月間行うことが推奨される。落下着地を伴う顎関節跳びや縄跳びなどのインパクトエクササイズは、少なくとも6ヵ月間、50回/回、3日以上/週行うことが推奨される。さらに、体重を支える有酸素運動、バランストレーニング、習慣的な身体活動は、骨粗鬆症や骨減少症の患者において、さらなる骨量の減少を防ぎ、骨密度を維持または改善し、転倒のリスクを軽減する。
[結論] 骨粗鬆症と骨減少症の危険因子を軽減するためには、レジスタンス運動とインパクト運動を中心とした多成分運動が効果的である。運動ガイドラインと個人に合わせた運動計画の統合は、骨粗鬆症の罹患率と死亡率を減少させる大きな可能性を秘めている。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
最近の文献抄読において、人工関節周囲骨折についての論文を抄読した。
昨今、骨粗鬆症という魔物が暴れ出している感が否めない。
つい最近の担当患者の経験。
スムーズに治療が進みやすい圧迫骨折において、重度の骨粗鬆症によって圧壊が著しく、在院日数の延長を経験した。
こいつは直接目に見えないから、注意しにくい、厄介だ。
“動けること”と、“動くことでの負荷に骨が耐久できること”は、全くの別問題と捉える必要がある。
そして、後者に大きな影響を与えているのが骨粗鬆症だ。
なんとかこの魔物自体を予防しておきたい。
今回のガイドラインは、その部分に焦点を絞った推奨を与えてくれた。
個人的に疎かになりがちな運動に「衝撃エクササイズ」があると思った。
ラジオ体操を推奨したい。
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