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クルマでお出かけ 冬の遠足 in 茨城-結城

 今回は城下町の風情を残し、水運輸送の拠点としても賑わった結城市へ。しっとりとした蔵の町に現代的なセンスが溶け合い、むしろ新しいかも? そんなスポットをご紹介しましょう。


後世まで守り伝えたい結城の町の宝もの

A|健田須賀神社

茨城県結城市結城195
駐車場:15台

 まずは結城地方の総鎮守「健田須賀神社」にごあいさつ。鎮守様とは土地の守り神で、人々の生涯を見守り、助けてくださる神様。毎年1週間かけて行われる夏季大祭(祇園祭)には、勇壮な「あばれ神輿」を見に数万の人で溢れます。

平安時代の朝廷の公的文書である「延喜式神名帳」に記載されている由緒ある神社。厄除け、病気平癒、開運などのご神徳があるとあがめられている。

 ご本殿の左隣に鎮座する甲子大黒天は、甲子日や一粒万倍日になると扉が開かれ、そこにある打出の小槌を振るとうれしいご利益が得られるのだとか。

 もう一つ見逃せないのが、ここでしか手に入らない本場結城紬の御守りです。柔らかな風合いの御守袋はなんとも形容しがたい品があり、中には樹齢200年以上の檜で作られた内符が収められています。小さな御守りでさえ、生地の温もりが伝わってくる結城紬。ぜひともその本質にも触れてみたいものです。

やさしい色合いの結城紬の御守り。長寿の印である亀甲模様が織り込まれ、文字は茨城県初代知事山岡鉄舟の書を写したもの。

B|つむぎの館

茨城県結城市結城12-2
駐車場:20台

 「つむぎの館」は結城紬のミュージアム。日本の絹織物の原点、手織りの高度な技術や結城紬の歴史を伝えています。

 軽くて温かい機能性に加え、使うほど風合いが増していくのも結城紬ならではの味わい。近頃はショールや小物などにも用いられ、より身近に感じることができるようになりました。

歴史ある結城紬を遺産として残すため設立されたミュージアム。資料館、反物の展示館、ショップ、染色・織物体験工房などがある。季節ごとさまざまに参加型企画を実施。

古き良き×現代のニーズ結城的フュージョンの楽しみ方

C|和カフェ 甘味茶蔵

茨城県結城市結城1362
駐車場:9台

 室町時代に結城の大名が作らせた「御手杵の槍」は、天下三名槍の一つと言われています。人気アニメやゲームで擬人化され、“刀剣女子”と呼ばれる人たちに大人気。そのファンの要望に応えて作られたのが、「和カフェ 甘味茶蔵」の「御手杵パフェ」。最中の皮を槍の穂に見立て、店自慢の甘味を全部乗せしたボリューム満点のパフェは、インスタで話題となっています。

SNS映え間違いなしの「御手杵パフェ」。

 「和カフェ 甘味茶蔵」は隣の和菓子屋「真盛堂」の直営店。さまざまな種類のパフェや自慢のあんこを使ったスイーツメニューがたくさんありすぎて、何を選ぶか迷ってしまいそう。飲食スペースは店の2階です。親戚の家にでも来たような懐かしい風情の和室で、盛り盛りのパフェを味わってみませんか。

和カフェ 甘味茶蔵」2階の飲食スペースは純和風で落ち着いた空間。

D|喫茶菓子 モト・ネスパ

茨城県結城市結城338-4
駐車場:28台(結城商店街・観光客一時利用駐車場2)

 スイーツと言えばこちらもおすすめ。「喫茶菓子 モト・ネスパ」は、元は昭和な雰囲気の喫茶店。2023年春に洋菓子店として生まれ変わり、明るくモダンな店内には洗練されたお菓子が並んでいます。

結城の養蚕文化に着想を得て作ったオリジナル商品なども並ぶ。

 奥久慈卵や笠間の栗など、地元茨城の素材が多く使われ、生菓子はクリームチーズケーキやキャロットケーキ、ロールケーキなどが並んでいます。養蚕文化を支えた桑の葉や実を使った焼菓子などは結城のお土産にぴったり。10種類ほど詰め合わせた缶入りのクッキーも人気です。

「モト・ネスパオリジナルクッキー缶」。看板商品「ネスパタイルクッキー」の緑色は、健康に良い桑の葉成分によるもの。人気の「塩バニラクッキー」も入っています。

 店名に「喫茶菓子」とあるのは、日常の中で一息つけるお茶の時間に、そっと寄り添えるお菓子を目指しているからだとか。さりげない甘さで毎日食べたくなる、素材の良さを感じるおいしさです。

元は「ネスパ」という名の喫茶店が名前の由来の「喫茶菓子 モト・ネスパ」店舗前。

E|KURA:SAUNA IBARAKI

茨城県結城市結城183
駐車場:18台(結城商店街・観光客一時利用駐車場1)

 次にご紹介する施設も、結城ならではの融合と言えるでしょう。町の活性化の一環として創られたユニークなサウナ施設「KURA:SAUNA IBARAKI」。結城紬を扱う呉服店の蔵だったところを改装しています。

都市部では味わえない非日常的なサウナ体験を。平日は相席利用。土日祝日は完全貸切のプライベート利用のみ(2名様以上)。

 重厚な蔵の扉をくぐり階段を上がると徐々に熱気が押し寄せてきて、そこは予想外の異空間。大型の薪ストーブが発する柔らかな熱とアロマロウリュでリラックス。温まったら中庭にある大樽の水風呂へ。酒や味噌の醸造に使われてきた鬼怒川のきれいな伏流水で満たされています。そして外気浴。あ~極楽、極楽。

この施設最大の特徴でもある大型ストーブ。プライベート利用の際は好みの温度に調整も可能。

 土日祝日は3時間単位の貸切制なので、家族や友人同士、気兼ねなく楽しむことができます。都内をはじめ関東近県からの利用客も増えているそう。半アウトドアのこの施設、単に温浴というよりも、レジャー感覚で訪れるのが正解です。


何度訪れても新しい何かと出合えるところ

F|カフェ・ラ・ファミーユ

茨城県結城市結城911-4
駐車場:20台

 開店して20年近い「カフェ・ラ・ファミーユ」は、いつもお客さまでいっぱい。予約がおすすめの人気店です。「キッシュプレート」や「ガレット」など、お皿の景色がおしゃれで素敵。とりまく環境を含め醸し出すやさしい雰囲気が、料理のおいしさをいっそう引き立てているようです。

旅にきた気分になる「カフェ・ラ・ファミーユ」店内。テラス席はワンちゃんもOK。

 元はお蚕さんのための桑畑。そこでレストランを始めようとした時にイメージしたのは、かつてオーナー夫妻が旅をしたフランスブルターニュ地方。リンゴを育て、豚を飼う農家が営むB&B(※)に滞在した経験でした。自分たちも古いものを一掃するのではなく、営々とした土地の記憶を残したまま、人が集う場所を作りたい。そんな思いを形にしたお店。年月をかけて手入れされた空間と緑が心地良く、チャボのとぼけた鳴き声も相まって空気がまろみを帯びています。

「きのことベーコン秋鮭のパスタ」(前菜、ドリンク、デザート付き)。

G|モルソー・デポック

茨城県結城市結城911-4
駐車場:20台

 隣に建つ「モルソー・デポック」は奥さまが経営するアトリエブティック。ここもまた「カフェ・ラ・ファミーユ」の世界観の一角です。店主がデザインする洋服はデッドストックのリネンや自然素材を用い、素材、縫製、染色(藍染・泥染)ともに、良いものをつないでいこうとするもの。見えない部分の端始末ひとつにしても丁寧な手仕事が施され、「持ち主とともに趣を深めていく服」とおっしゃる意味がわかります。

昔ながらの花麦片編のブレードからできた麦わら帽子は絶妙な風合い。

 ほかにもオリジナルの麦わら帽子やアクセサリー、蜜蝋キャンドルなど、いずれも自然由来の素材を用いて作られたものがセレクトされています。

昔ながらの花麦片編のブレードからできた麦わら帽子は絶妙な風合い。 「モルソーデポック」オリジナルのエッセンシャルオイルが微かに香る店内。

H|kongari BREAD&DELICA

茨城県結城市結城6378-1
駐車場:約6台

 最後においしいパン屋さんをご紹介。「kongari BREAD&DELICA」は、地元食材にこだわりつつ本場に近い味わいを届けたいと、主にフランスやドイツの食事パンを得意としています。それらに合わせたら最強の「エスカルゴバター」や「ポークリエット」などのデリカ類も取り揃え、ハード系パンがいっそう味わいが深くなる食べ方を提案。

厳選した国産小麦と自然酵母でパン自体の味の良さを追求。人気のサンドイッチは旬の野菜など、その時の素材重視による斬新な組み合わせが好評。

 お客さま一人ひとりに熱心に食の文化を伝えようとする店主の人となりもあって、店頭に並ぶ前から、予約アプリでパンが売れていきます。種類は日替わりで20種類ほど。特に具材たっぷりでインスタ映えもするお惣菜系のサンドイッチはぜひ一度お試しを。

4種のドライフルーツと3種のナッツがぎっしりで、噛むほどに味わい膨らむ「パンオフリュイ」。

新旧が織りなす紬の町、茨城県結城市へのショートトリップいかがでしたか。今回は紹介できませんでしたが、結城市にはまだまだ素敵なグルメやドライブスポットがたくさん!ぜひ足を運んでみてください。

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