Studio Marusan.

今は「音楽と物音のあいだ」に関心を持っています。 曲を作ったり、音楽や創作についての文…

Studio Marusan.

今は「音楽と物音のあいだ」に関心を持っています。 曲を作ったり、音楽や創作についての文章を書きます。

マガジン

  • 音日記--soundocument--

    "日々作られては誰に聴かれることもない「音楽未満の音楽」を載せて、所感や解説を書き残しておく、というドキュメンテーション、いわば「音の日記」をやってみてもいいかもしれない、と思ったのです。"

  • 創作、日常、主体感

    自分の創作論的なものをまとめました。

記事一覧

ワークショップ「規則から作る/規則を考える」レポート

このnoteでは私が何度か劇伴に携わった劇団あはひによるイベント「劇の交差点」で行ったタイトルのワークショップ(1/26、早稲田小劇場)の概略、感想、話しそびれたこと、…

Studio Marusan.
6か月前
2

middieーー二つのVaporwave、音と音楽の間の「きく瞬間」の探求ーー

00:00 | 00:00

音日記8日目。久しぶりに書く。 多くの創作者はそうだと思うが、作ったものの多くは人目に触れることはない。だが、一回一回の創作が実験で、そこには複雑な「思考」が常…

Studio Marusan.
7か月前
4

micro planetary machine α

00:00 | 00:00

「音日記」七日目。宇宙的な、機械が奏でる、雅楽、みたいな。 今回は、前からなんとなくやろうと思っていた、非-平均律的に自由に音が動き回り、交わり、重なり、すれ違う…

2

planktone(s)

00:00 | 00:00

「音日記」六日目。短いけど、小さくて可愛らしい、顕微鏡でプランクトンを覗くような、曲ができたのではないだろうか。 リズム=形がはっきりとする前に、色んな音が浮遊…

4

バッファーと創作ーー日常のきらめきとゆらめきの(再)確認へ向けて

0.意気込み僕は今、大学での卒業研究/卒業制作に向けて、動き始めている。そのテーマについては、いずれ別のところで書くかもしれないし、またなかなかうまく表現しづらい…

7

beat1122_2

00:00 | 00:00

「音日記」五日目。 低気圧には逆らえないし、逆らわない。 無理に頑張ろうとはしなかった。 でもやっぱり曲は作りたくなった。 だから、頬杖をつきながら、片手で、マウス…

2

idea1120

00:00 | 00:00

日々の創作のドキュメンテーション、あるいはそれへのコメンテーション。「音日記」四日目。 前回は、DAWにおける音と音の外在性、に言及したけど、今回は逆に、もっと音と…

3

水域

00:00 | 00:00

「音日記」三日目。 今回のはまあまあいい感じにできたと思う。 その必要があるかどうかは別として、曲を長くするのは、難しい。 少なくとも、僕は、一定のテンポや拍子、…

3

free_composition1111

00:00 | 00:00

日々生まれては誰に聴かれることもない音楽未満の何かをドキュメントする「音日記」、二回目。 曲が作りたい、となるのはなぜだろう。そしてその欲望は、他人の曲を聴くこ…

2

rhythmpattern106

00:00 | 00:00

テストです。 今日作ったビート。 こうやって、日々作られては誰に聴かれることもない「音楽未満の音楽」を載せて、所感や解説を書き残しておく、というドキュメンテーショ…

5

エラボレーションとコラボレーション ――創作における主体性、あるいは主体性の創作へ向けて

 この文章は、現代において、積極的に「努力すること」、「いいものをつくりあげること」はどのようになされ、またどのような意味をもちうるだろうか、という疑問・関心の…

7
ワークショップ「規則から作る/規則を考える」レポート

ワークショップ「規則から作る/規則を考える」レポート

このnoteでは私が何度か劇伴に携わった劇団あはひによるイベント「劇の交差点」で行ったタイトルのワークショップ(1/26、早稲田小劇場)の概略、感想、話しそびれたこと、考えたこと、などを(tweetにすると長すぎるなと思ったので)備忘録的に書いていきたい。

このWSは、前半はスライドを使ったレクチャー的なことを行い、後半は三つの実験/ゲームを行った。

前半最初に、今回話す「規則」というものがど

もっとみる

音日記8日目。久しぶりに書く。

多くの創作者はそうだと思うが、作ったものの多くは人目に触れることはない。だが、一回一回の創作が実験で、そこには複雑な「思考」が常に伴っている(「伴う」、ということが重要で、創作が思考に基づくのでも、思考が創作に基づくのでもない)。それはプロセスと呼んでもいいのだが、それを紐解き、アーカイブ化しておくことには意味があるかもしれない、少なくとも、創作者当人としては、頭

もっとみる
00:00 | 00:00

「音日記」七日目。宇宙的な、機械が奏でる、雅楽、みたいな。
今回は、前からなんとなくやろうと思っていた、非-平均律的に自由に音が動き回り、交わり、重なり、すれ違うようなコンポジションのアイデアを試してみた(ピッチはMIDIのピッチベンドで動かしている。)。
とはいえ、いきなりぐちゃぐちゃ音を動かしてもよく分からなくなってしまうから、まずはコードを想定して、それを元に動かすことにした。
Dm7 →

もっとみる

planktone(s)

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

「音日記」六日目。短いけど、小さくて可愛らしい、顕微鏡でプランクトンを覗くような、曲ができたのではないだろうか。
リズム=形がはっきりとする前に、色んな音が浮遊しながら登場・通過していく。何か起きそうだけど、何も起きないかもしれない。

僕が音楽をはじめとする諸々の創作でやろうとしていることを考えてみると、それは思いのほか、至って単純かつ軽薄で、「快」を作ることなのではないかと思われてくるが、さら

もっとみる
バッファーと創作ーー日常のきらめきとゆらめきの(再)確認へ向けて

バッファーと創作ーー日常のきらめきとゆらめきの(再)確認へ向けて

0.意気込み僕は今、大学での卒業研究/卒業制作に向けて、動き始めている。そのテーマについては、いずれ別のところで書くかもしれないし、またなかなかうまく表現しづらいのだけれど、大まかに言えば、僕がやりたい(やっている)のは、「創作」をすること、またそれについて考えること、を通して、創作と創作でないもの、あるいは理論と実践、アカデミックなものとそうでないもの(公的なものと私的なもの)、といった(僕らが

もっとみる

beat1122_2

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

「音日記」五日目。
低気圧には逆らえないし、逆らわない。
無理に頑張ろうとはしなかった。
でもやっぱり曲は作りたくなった。
だから、頬杖をつきながら、片手で、マウス(Macのトラックパッド)だけで、ぽちぽちと音を打ち込んだ。
常に減速しているような、低気圧の夜にぴったりな曲になった。
このLogicに付属のドラムキットはいいな。
ピアノのサンプルなどが組み込まれていて、キット単体でビートを作ること

もっとみる

idea1120

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

日々の創作のドキュメンテーション、あるいはそれへのコメンテーション。「音日記」四日目。
前回は、DAWにおける音と音の外在性、に言及したけど、今回は逆に、もっと音と音が緊密に関係づけられているものを。
まず、プロジェクトのテンポ自体が常に変化していて、BPM=120から240まで移行した後に、30まで下がる。多くのトラックがこれに影響を受ける。
キックは、テンポとは独立して、加速しては減速し、また

もっとみる

水域

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

「音日記」三日目。
今回のはまあまあいい感じにできたと思う。
その必要があるかどうかは別として、曲を長くするのは、難しい。
少なくとも、僕は、一定のテンポや拍子、パートなどを、意図的に排除するというわけではないが、少なくともそれを確固としたものとしては前提しない、というやり方で曲を作ってみているので、とりあえずの全体像、みたいなものを先に作ってしまって、その後でディティールを考える、みたいなことが

もっとみる

free_composition1111

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

日々生まれては誰に聴かれることもない音楽未満の何かをドキュメントする「音日記」、二回目。
曲が作りたい、となるのはなぜだろう。そしてその欲望は、他人の曲を聴くことによっては満たされない。むしろ聴くことによって増殖しさえするかもしれない。
まあそんなに身構えることはないだろう。でも僕は曲を作るのが怖い。
一度作り始めたら一定の形が確立されるまでは中断できないのではないか。あるいは、今作ったフレーズを

もっとみる

rhythmpattern106

StudioMarusan.

00:00 | 00:00

テストです。
今日作ったビート。
こうやって、日々作られては誰に聴かれることもない「音楽未満の音楽」を載せて、所感や解説を書き残しておく、というドキュメンテーション、いわば「音の日記」をやってみてもいいかもしれない、と思ったのです。
今回のビートは、(普段の僕の音楽はどれもそうですが)断続的に、拍節、テンポ感、リズムが変化していく、ということを、キック・スネア・(オープン/クローズド)ハットのシン

もっとみる
エラボレーションとコラボレーション
――創作における主体性、あるいは主体性の創作へ向けて

エラボレーションとコラボレーション ――創作における主体性、あるいは主体性の創作へ向けて

 この文章は、現代において、積極的に「努力すること」、「いいものをつくりあげること」はどのようになされ、またどのような意味をもちうるだろうか、という疑問・関心のもとで書かれている、とひとまず言うことができる。私自身は音楽制作や、プログラミングを使った作品の制作をしており、また大学生になってから、文化的・人文学的な知に関心をもち、色んなテクストを読みながら創作について日々様々なことを思索しており、ま

もっとみる