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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】

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あらゆるアートやフィクションは人に影響を与えると思います。 つまり人の心が清く安らかになる様なフィクションがあれば、良い世の中になると言えます。 どんなに下手で稚拙であろうと気に… もっと読む
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#小説

【グッドプラン・フロム・イメージスペース】 「百年の姑息」 (No.0246)

「投資だっ!!」

ケシマルは抜けるような青空を仰ぎながら叫んだ。
同じようにそれまで長く頭を悩ませていたカルイシも、親友のその言葉を聞いて自分の心の中で混ぜ続けていた言葉のパズルがピタリと嵌った感覚を覚えた。
カルイシはケシマルの顔に目を向ける。
ケシマルの顔はまるで自分の顔のように見えた。
彼のその爽やかな表情はまさに今の自分の心の中のようだった。

「間違いないよケシマル。絶対に投資だよ。そ

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第11章 まとめ記事

 新しい政府が出来上がるよりもはるか昔から、過去の政府達と結託していた世界中の悪人たちが準備していた愚かな計画が数年前に実行されました。

しかしそれ故に、彼らに騙され続けてきた人たちも悪人たちの正体と本性と計画に気づき、大勢が立ち上がりました。

それによってこの新しい政府が生まれ、今もなおより良く正しい世界にするために人々が日夜活発に活動を続けている状況なのです。

そんななか、ある地方都市で

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第11章 Last Part (No.0225)

Part.3のつづき

Part.1

Part.2

Part.3

「これが大切なのです。

必ずこの『私は・・・』を意識してください。

科学的だとか論理的だとかそんなことは関係ありません。
あなたがどう思い、どうしたいか、どうなって欲しいか、どうなるべきと考えているか、これが大切なのです。
現在の新しい政府になるまで、長いこと私達人々はこの事を教わることが出来ずにいました。
いえ、それどこ

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第11章  Part.3 (No.0224)

Part.2のつづき

(Link: Part.1 , Part.2)

「詐欺師というのは必ず数字を使います。
『数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う』というように詐欺師というのは数字、つまり情報、データを駆使して相手を論破し言いなりにさせ自分たちの主張を通させます。
そこに善人も負けじと正しいデータや情報を使って闘います。
これは確かに大切なことです。
これを否定なんてしませんし、してもい

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第11章 Part.2 (No.0223)

Part.1のつづき

下手側から現れた男たちは講演台を挟んで反対側にいるミドリミチを、やって来るなり黒い32口径スナブノーズで撃ち始めました。

2丁の拳銃による計12発の乾いた発砲音が撃ち終わるまでのその僅かの間に、舞台上で唐突に繰り広げられた惨劇を目の当たりした聴衆達は即座に行動を起こしました。

全ての聴衆が隣り合う者たちとアイコンタクトと、一言二言のやりとりで役割を決めました。

全体の

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第11章 Part.1 (No.0222)

ある地方都市で講演が行われ、約1,000人ほどの人々が集まりました。

講演のタイトルは 「悪の正体:その手法と対策」

現在の新しい政府が出来上がるよりもはるか昔から、過去の政府達と結託していた世界中の悪人たちが準備していた愚かな計画が数年前に実行されました。

しかしそれ故に、彼らに騙され続けてきた人たちも悪人たちの正体と本性と計画に気づき、大勢が立ち上がりました。
それによってこの新しい政府

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】「口癖はヤンス」:前編(No.0185)

 この記録的な灼熱の日に男は電車に乗りました。

車内はキツイ冷房をかけながらも窓を開けるという矛盾した状況でありましたが、しかしそれでもホームよりよっぽど涼しく、男は帽子を取ってパタパタと涼みハンカチで汗を拭っておりました。

夏のさなか、通勤時間を避けたといってもまだ午前中です。かなり空いてましたが利用客はそこそこいます。

しかし男の乗った車両は座席の端が全て埋まった程度でしたから、座ろうと

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】 「視野の味」 まとめ記事

 雑なウイルス騒動のせいで学校はやっていませんでしたが、飼育しているウサギやニワトリ、花壇の草花が気になっていたヒナタは、同級生のナツオと一緒に毎日世話をしに来ていました。

花壇の水やりなどが終わり、2人は飼育小屋に向かいました。

元々飼育係でない2人でしたが、毎日やって来ては掃除から餌から遊び相手から何でもやってくれるので、小屋の動物たちもすっかり彼らの顔を覚えなついてしまいました。

「お

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.7 「生きたくない人たちがいるなんて」 まとめ記事

 図書室の整理をしているユウタは、委員でもないのに手伝ってくれているトオルに一冊の本を見せました。

「この本はここが汚れているんです。」

ユウタの開いたページにはジュースのシミみたいのができていました。

「そうですね。」

トオルは何か意味があるのかと思いしばらくそのシミを眺めていたが、よくわかりませんでした。

「トオル、このシミには特に意味はないのです。」
「では何故見せたのですか?」

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】「狩人の朝」 まとめ記事

全く世の中は忙しい。
何にでも金が必要だし、その金を手に入れるには仕事が必要だし、仕事には嫌な事がついて回ってくる。

やっとの思いで金を手に入れ欲しい物を買っても、それが必ずしもその苦労に見合うとは限らない。買ってすぐにゴミになっちまうものも普通にある。

そのゴミになっちまうものだって、買うのに苦労したってのに今や捨てるのにも一苦労する。

やれ燃えるだ燃えないだ、金属だ粗大だっていちいち面倒

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】 「狩人の朝」:中編 (No.0169)

前編のつづき

俺は四角く包まれた油紙を剥がした。

中には弾丸の箱が2つあった。なんと両方とも満タンだった。
せしめた時も少々酒が入っていたし、今までキチンと弾丸まで確認してなかったが、なるほどどうりで重いわけだった。

俺は弾丸を幾つか取り出して眺めた。
綺麗な輝きを放っていた。
できればこの綺麗な弾丸をあの汚らしいカラスに撃ち込んでやりたいが、この弾丸は使えないだろう。

撃ち落としても死体

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】 「狩人の朝」:前編 (No.0168)

全く世の中は忙しい。
何にでも金が必要だし、その金を手に入れるには仕事が必要だし、仕事には嫌な事がついて回ってくる。

やっとの思いで金を手に入れ欲しい物を買っても、それが必ずしもその苦労に見合うとは限らない。買ってすぐにゴミになっちまうものも普通にある。

そのゴミになっちまうものだって、買うのに苦労したってのに今や捨てるのにも一苦労する。

やれ燃えるだ燃えないだ、金属だ粗大だっていちいち面倒

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第10章 : 後編 Part.15(No.0150)

後編 Part.14のつづき

「これまでの過去の学校はわざと間違った教育を続けたのです。
考えることをさせず、考え始めたら邪魔をして成長を妨害する。

学校ではただの一度だってゆっくりと考える時間は与えられません。そして全てにおいて答えは既に用意されており、子供達の思考も発想も想いも全て悪質に誘導され踏みにじられるのです。

考える行為とはとても個人的で、しかし複数の人との交換がその個人的な力を

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【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第10章 : 後編 Part.14 (No.0149)

後編 Part.13のつづき

やはり成長には真剣さと失敗が必要だったのです。

教師は翌日に休みを取り、先日の経験を考えながらまとめました。
彼はこの経験が、今後の教育方針の改善にきっと役に立つと感じました。それと同時にこれまでの教育がどれほど悪質であったかを痛感し、怒りに震えました。
学校に居たら成長が出来ないと言うことが解ったからでした。

そして明らかにその事実を学校や教育者側は知っていた

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