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山尾悠子/山の人魚と虚ろの王
幻想小説、幻想文学とは何か、と考えたとき、幻想的であると答えるとのは全く意味がなさない、トートロジーに陥っている。
幻想小説の中では非日常が起こるわけだ、不条理である必要はなくてどこか非現実的な出来事が。
となるとSFに関しても、ファンタジーに関しても現代では再現することができない事象が起こるけど、それらを指して幻想小説だとはいわない。
なぜならSFなら科学的に不可思議が、ファンタジーなら魔
クッツェー/夷狄を待ちながら
争いは作られる
この物語の舞台になるのは帝国に属する国境沿いの町である。
そこにきな臭い事態が出来し主人公含め町全体が巻き込まれることになる。
夷狄が帝国を攻めるに当たり、まずこの町を第一の目標とするらしい。
クッツェーはこの争いというのは不可避的にどうしても起こってしまうというよりは、むしろ企図されていると説く。
戦争状態、もっというと不和、さらに言えば敵というのは作られている。
夷狄というのは
映画「ドクター・スリープ」感想
※※※壮大にネタバレあります。※※※
これはもうすでに終わっている物語。
開始30分でダニーがビリーに言う
「助けが必要だ」
ダニーは40歳を超えて家族はいない、職もなければ金もない、友人もいない。孤独なアル中だった。ただそれが自分の力だけで(ハロランがそばにいるけど、決めたのはダニーだ)そこから抜け出すことを決意し、また実際に抜け出すために新しい街に来た。
会って間もない人に「助けてく