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「大人」になれなかった。

小さい頃憧れていた「大人」にはなれなかったと気が付いたのは、最近のこと。
大人になれなかった、という表現をしたのは、これ以上いい「大人」にはなれないと自覚しているから。もう成長の見込み無し。だからなれなかったし、なることもない。

私の考えていた「大人」っていうのは、働いていて結婚をして子どもを産んで育てて両立できる格好いい大人のことを指していた。
ちょっと前までは、そんな「大人」を目指していた。
正社員として働いて、お金を貯めて結婚や子どもも……って、1年前までは目標を持っていた気がする。

去年から今年にかけて、病気も悪化、仕事もできない、ほぼ引きこもって人と関わらずに過ごす、だめだめな人間になっていた。
毎日家でぼーっとしていて良くないなあとは思いつつ、今も大して状況は変わっていないし、じゃあ、はたしてこれって「大人」なのかな?

もう20代半ばとなり、社会的には立派な大人であって、子どもではない。
見た目も前より「大人」だし、中身だって「子ども」と比べたら「大人」だ。
でも、なんだろう。理想と現実のギャップにやられそうになる。

悔しくて毎日考え込んでいるわけではないが、ふとした時に、私ってこのままでいいのかなって思う。
格好いい「大人」にはなれなかったけど、誰かに認めてもらえるのかな。
それとも、私はまだ「子ども」らしさを求めているのかな。

守られて過ごすのは、心地いい。
責任をほとんど持たないというのは、楽でいい。
でも、もしかしたら、私も誰かに頼られたいのかも。
仕事を任されてみたり、家族を守る役目を負ったり、そういった頼られる自分にちょっと憧れちゃうなぁ。

私はまだ、自分が納得する「大人」にはなれていない。
理想が高いんだと思う。
毎日のんびり暮らしてぼーっとしていたら、あっという間におばあちゃんになってしまう。
それはそれで、いいんだ。
今はこのあいまいな気持ちをぶらさげて、てきとーに、楽に生きる。
病気で不安定な私に一番大事なこと。
「大人」っぽくないな、他の人と比べちゃうな、って気持ちは遠くにぽいして、自分が大事にする今を一番にする。
そういった積み重ねで、「大人」な考え方ができるんだと思うんだ。
人生ってそんなもんでしょ。

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