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SDGs史 連載中

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SDGs を『Oh. 工学者、時々、哲学』的な視点で概説します。 SDGs が流行りだした潮流のトリビア的な知見を提供しています。
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2021年1月の記事一覧

SDGs史#番外編 セヴァン・スズキ世代にとってのSDGs

SDGs史#番外編 セヴァン・スズキ世代にとってのSDGs

 SDGsへと国際社会が合意に向けた一つの山場は、1992年のリオネジャネイロ地球サミットだったことは、疑いようのないことだ。その意義については、別途、記事にするがここでは、リオと私の個人的なつながりに着目したストーリーを書く。これは、後程、このnote寄稿する『私のサステイナビリティとの、出会い①』の最初のシーンを解説するコラムである。気軽にご覧いただきたい。

SDGsにつながるRio+20を

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SDGsの科学的な裏付け#3 感性との融合

SDGsの科学的な裏付け#3 感性との融合

 SDGsの科学的な裏付け#1、#2でSDGsを裏付けるプラネットバウンダリーの考え方と科学的な対話を紹介してきました。
#3では 、科学と感性との融合をテーマに書いていきます。
 というのも、物事を「科学的」に全部を理解できる人って私も含め、ほとんどいないんです。私は、大学で偉そうに教えていますが、多分野の専門的な内容を理解するのは、容易ではありません。顕著さと未知への敬意は、個人の感性の中で育

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SDGsの科学的裏付け#2  対話する科学 SBT(科学に基づく目標)

SDGsの科学的裏付け#2 対話する科学 SBT(科学に基づく目標)

 科学者は「対話」と「協働」の道を模索しつつあります。もともとアカデミックの世界はその中ではオープンな世界です。ただ、外から見ると閉鎖的かもしれません。科学者の相互理解への努力の一端を伝えたいです。

1.プラネットバウンダリーをめぐる科学的な対話
プラネットバウンダリー・地球の境界線の指標をめぐり、科学者たちは、科学者間のみならず、政策担当者、ジャーナリスト、市民、企業等々と、繰り返し繰り返

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SDGsの科学的裏付け#1 プラネットバウンダリー

SDGsの科学的裏付け#1 プラネットバウンダリー

 突然ですが、皆さんは、科学・サイエンス、数値、専門知を信じますか?
 それとも、自分の感覚、センス、地域の知恵を信じますか?

 私は、どちらも信じています。科学の流れをくむ工学の世界で暮らし、なおかつ普段は生活者なので、どちらも信じています。なんとなく、その感覚はわかるのでは、と思います。。
 でも、その二つの確固たるものが矛盾するときが往々にしてあります。そんなとき、何を基準に「今」を選択し

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SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ #2

SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ #2

『SDGsのロマンチックな良心 インクルーシブ①』で国際社会が目指す理想を書いた。今日は、理想をもつことの意義を考えたい。

 改めて、SDGsのロマチックな良心、理想を紹介する。
「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」
インクルーシブ 包摂的であること。
である。

 そして、それを支える「5つのP」。People 【人間】, Prospe

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SDGsのロマンティックな良心 インクルーシブ #1

SDGsのロマンティックな良心 インクルーシブ #1

 「サステイナビリティを哲学する意義#2」の解説で、スチュワード・ブランド氏の世界の見方を振り返ろう。ロマンチスト、科学者、エンジニアの3者の関係性を示し、その役割と相互理解の大切さを期待を込めて述べた。SDGsが持つロマンチックな姿勢を伝えるのが、この記事の目的だ。

 そう、それは、SDGsの理念
「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」
 インクルーシブ

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