〇〇税は富の再配分。税金について何を感じますか?
「親子間のお金のやりとりに、何で税金を払わなければいけないの?」
20代の時、マンションを購入するにあたって関連書籍を読み漁っていた頃に初めて「相続税・贈与税」という税金がある事を知った時の私の感想。
正直、「そこで税金を取るなんて、けしからん!」という感情でした。
皆さんは税金を納める事について、どう感じますか?
節税がビジネスになる世界
最近読んでいるこの本。
税制改正が気になって読み始めたのですが、本に出てくる「相続対策」について考えてみたのです。
まず大前提として、残された家族の手を煩わせない事や揉めない事。
次に「なるべく節税したい、できれば税金を払いたくない」という心理があると思う。
実際に、金融機関や不動産業が「相続対策」と称したビジネスを展開して、成立している。
特に地主さんの所には多くの不動産業者が営業に入り、大き目の戸建を壊してちょっとしたマンション(5階建て位)に建て替えられたりする。
「税金を払いたくない」というニーズと、それに堪える供給側のアイディアは強烈だと思う。
そして、「あからさまな節税ビジネスに対して金融庁が業務停止命令を出す」様な事態は度々起きる。
これって 払いたくない国民 VS 払わせたい国
みたいな構図になっている。
私達は敵対する存在なのだろうか?
社会は少しづつ良くなっているという側面もある
それで思い出したのはこの本。
核家族が増えて、家庭内で介護を解決できなくなった。
だから2000年に「介護保険」がスタートして、社会全体で介護が必要な人を支える事になった。
そして子供に関しても、小児医療費助成の年齢は徐々に上がってきている。
長男出産直後には毎月多額の保育料を払っていたけど、今では「幼児教育・保育の無償化」によって、給食費の様な実費負担だけになった。
高校や大学の教育費が無償化される自治体も出てきている。
財源は税金だけではないとしても、確実に私達は税金の恩恵を受けている。
政治不信
それでも税金を払いたくない。
そう思うのは、税によって受ける恩恵と負担のバランスが相応なのか分からないから。
そして度々起きる「政治不信」にならざるを得ない不祥事を目にする機会が多いから。
誰が失言したとか。
〇〇派が不正会計を行っていたとか。
〇〇知事が長年不倫していましたとか。
そういうスキャンダルはワイドショーで延々と取り上げられたりする。
私はそういうニュースを目にするたびに、嫌悪感を抱いていました。
それは政治家に対するものは勿論ですが、それ以上にスキャンダルばかりを取り上げる野党やマスコミに対する嫌悪感でした。
「もっと他に取り上げるニュースがあるだろう」って。
当事者意識の欠如かもしれない
でも、ふと考えてみたのです。
「ネガティブなニュースばかり流すメディアが悪い」
そう思っていたけれど。
では、実際に私は自分で確かめた事があるのか?
税収がいくらで、支出はいくらなのか。
項目の全てを理解する事は難しいけれど、そこから「税に対する折り合い」をつける作業をしたのか?
自分で調べる事もなく、誰かのせいにするのは「当事者意識の欠如」かもしれない。
そう思って、調べてみました。
誰のバイアスもかかっていない。
国が公表している一次情報です。
税の内訳については、それぞれ思うところがあると思います。
面白いのはデータ集の最後に世界の「消費税の標準税率」が掲載されている所。
この表で見ると日本の税率は下から数えた方が早いので「税率低いでしょう?」というアピールなのかもしれないですが(笑)
税率トップは北欧諸国。
私の2023年ベスト本の舞台だった「デンマーク」も25%でトップです。
でもデンマークを始めとする北欧諸国の多くは、国民が喜んで税金を払うという。
それは、医療費や教育費が無償化されている事に加えて、国民と政治家の間に信頼関係があるから。
「自分たちの声で社会を変えられる」という意識があるから。
前出の本の感想記事にも書きましたが、「自分は社会の一員として何ができるか?」という視点で情報に触れるようにしたら、この生きづらい社会をほんの少し動かせるかもしれない。
そんな気がするのです。
「勝ち組になりたい」という心理
誰だって自分が可愛い。
なるべく税金は払いたくないけど、恩恵は受けたい。
1円でも安く買いたい。
利益を出したい。
20代の頃、私は物凄く勝ちたいと思っていました。
恥ずかしながら「勝ち組になりたい」と本気で思っていました。
今も勿論、豊かに生活したいという思いはあります。
でも、最近色々な本を読む中で個人や国としての「勝ち組信仰」に違和感を抱くようになりました。
経済が活性化する為に、環境が破壊されても良いの?
発展途上国の労働力を安く利用する事は人権侵害じゃないの?
広い意味で、「勝ち組信仰」は持続可能ではないのではないか?
そう思ったのです。
富の再配分
実は、相続税・贈与税には「富の再配分」という意味があるそうです。
これは、「経済的に恵まれた家に生まれた者だけが代々恵まれた生活が続く」という事を避ける為。
「親の財産」であり「子供の財産」ではないので、税という形で恵まれない家庭に生まれた人にも配分するという事。
勿論、親の介護に尽力したとか、親の財産を築く為に公私ともに貢献した。
そういうご家庭もある。
だから、その分を還元する制度もある。
もちろん私だって、なるべく負担を抑えたい。
でも、税に限らず自分のお金の使い道や、他人に使い道を委託していること(マンションの管理費、PTA会費、組合費)に対して、もっと当事者意識を持てたら「自分は社会の一員だ」という意識や、「社会を変える事ができる」という自信に繋がるかもしれない。
そんな事を考えた週末でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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