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私生活(エッセイ)

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感じたことをテーマでまとめたエッセイです。
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2021年4月の記事一覧

異端

異端

2021年に、私はNetflixもアマプラもU-NEXTもDisnyプラスもある世界線にいる高校生で、自分以外の生き方が世の中に存在していることを様々な映画を観ることによって知っていて、すでに「大学に行かなくたってなんとかなる。死にゃあしない」という観念を知っているから結構な頻度で授業をサボったりもしていて。たとえスカートを短くしすぎて中年の男性教諭に怒られたとしても、屁でもないわ!という顔がすぐ

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孫の髪で筆を作る

孫の髪で筆を作る

先日の昼、祖母からLINEが来た。「じーじ(祖父)が●●(私の本名)の髪の毛で、筆を作るつもりでしたがかないませんでした」。最初は祖母が何言ってるのかよくわからなくて、「髪の毛送るよ? 今ちょうど伸ばしてる!」とノリで意味不明な返信をしてけど、写真が送られてきて意味がわかった。

4歳の私の髪の毛の写真。祖父は、認知症である。妻(祖母)のことも息子(父)のことも孫(私)のこともすべて忘れて、生活も

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ひとが見えない文章の危険

ひとが見えない文章の危険

ホームレス男性とデートのnote記事(リンクは貼りません)やらなんやらが話題である。私は叩いたりとか特にしたくなくて、ただ単に私が気持ちがいっぱいになってて、つらいので書く(不快に思ったらすみません)あの記事の何がしんどいのか、PRだったことを後出ししたとかそういう単純な話じゃない。みんながTwitterで言ってる批判内容もいろいろあって各々構わないんだけど、私は記事上で筆者がデートしたという男性

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"持ってる"側の人、持たざる人。フォロワー数バブルで作られる本

"持ってる"側の人、持たざる人。フォロワー数バブルで作られる本

 この前記事に書いたのですが、今あんまり仕事がない。ライターとしても編集者としても営業怠っているし、正直働く元気がない。そんななか、ありがたいことに先日仕事の依頼が来たのだけど、すごく安いギャラを提示されて、その上それで知らないタレントの本を作ってくれという。書籍に限らず、いろんな企画は所詮ビジネスだ。「役に立つ本」ではなく、「売れる本」が優先される時代で、いちばんいいのは「役に立つ本で、売れる本

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