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ショートショート

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ショートショートらしきものを書いてます。後味悪いでしょ。気持ち悪いでしょ。気味悪いでしょ。
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#19 ショートショートらしきもの「マッチングアプリ」

#19 ショートショートらしきもの「マッチングアプリ」

「あ。いた!ミクさんですか?」

「・・・・はい。タカユキさん?」

プロフィール写真よりも、目鼻立ちがハッキリとした自分好みのイケメンが目の前に現れ、かなり驚いた。印象がほとんど違ったが、良い方に違うのは大歓迎だ。

「あーよかったー。ミクさん来てくれなかったらどうしようかと思いました。」

「ドタキャンされたことあるんですか?」

「ぼくはミクさんが初めてなんで無いですけど、友達がけっこうみん

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#18 ショートショートらしきもの「契約」

#18 ショートショートらしきもの「契約」

ガンッ

「いっっって!!ふざけんなよ!!なんで朝から小指ぶつけなきゃなんないんだよ!あーーもう!!ぜんっっぶあのクソ上司のせいだ!!!」

ピンポーン

「この時間から誰なんだよ。」

ピンポーン

ピンポンピンポンピンポーン

「うわ。うるせーな!」

ガチャッ

「はい?」

「あなたを助けに来ました。」

「え?どちら様ですか?」

「死神です。」

「は?」

「お困りのようでしたので助

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#16ショートショートらしきもの「映画」

#16ショートショートらしきもの「映画」

「なんか飲む?コーヒーでいい?」

「ありがと。いやー。あんなにリアルで重たい映画だと思わなかったよ。おれ結構グサっときたなー。とくに倦怠期の部分とか。」

「ちょっとそれ彼女の前で言う?私は倦怠期なんて無いと思ってますけど。」

「ごめんごめん。別にそういうことじゃなくてさ。もっとキラキラした恋愛映画だと思ってたから。」

「私は原作知ってたから驚かなかったけど。言ったでしょ?カップルで一緒に観

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#15ショートショートらしきもの「野次馬」

#15ショートショートらしきもの「野次馬」

「うわぁ。すげぇ燃えてる。」

「すごいですよね。通報から30分近く経ってるんですよ。」

「え!そんなに経ってるのにまだ燃えてるんですね。」

「今燃えてる家は通報があった家の隣なんですよ。最初は奥の岡田さん家が出火元なんです。ここよくとおるんですか?」

「そうなんですよ。この道真っ直ぐ行ったとこが家でして。しかし隣の家の人はまさに災難ですね。」

「そうですよね。ちなみに岡田さんの息子が放火

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#11 ショートショートらしきもの「女神」

#11 ショートショートらしきもの「女神」

「あれ?タケルこのノートなに?」

「あ!それダメ!」

「いいもん見つけちゃった〜。彼女に隠し事はいけませんよ〜。」

「ダメだって。」

「どれどれ、『今日ぼくは素敵な人と出会った。講義に遅れて入ってきた彼女をひと目みた瞬間に、ぼくのものにしたいと思った。』なにこれ小説?」

「いや、そういう事じゃ無いんだけどさ。恥ずかしいからもうやめてよ。」

「いいじゃん。ちょっと読ませてよ。」

『綺麗

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#10 ショートショートらしきもの「ホテルで朝食を」

#10 ショートショートらしきもの「ホテルで朝食を」

危ない。時間ギリギリセーフだ。

ここのホテルのカフェのモーニングはかなり美味いらしい。同期の佐々木が出張で、たまたま泊まったホテルで、朝食を食べてから会社内に噂が広がっている。

それからこの周辺に出張に行く人間は、別のホテルに泊まっていたとしてもわざわざここに来るらしい。
ちょっといいホテルなので普段は泊まれないが、時期的に安いホテルが満室であったため、たまたまここに泊まれた。

それなのに、

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