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「君達にはこの新型冷蔵庫を大阪支社まで運んでもらう。運び方は自由。費用はこちらで負担する…
高い、細い声が夜明けの寝室につうと引かれて、私たちの時間は終わる。窓のへりに穴をあけて…
テレビをつけると、昼のニュースバラエティが放送されている。 スタジオにいる司会者が…
「おめでとうございます。厳正なる抽選の結果、あなたは今回の実験クルーに選ばれました」 …
真実の愛とは、現在においてつねに理解されぬもののことである。 …
妻は、僕のストーカーだった。 僕は三十代のころ、ラジオパーソナリティの仕事をしていて…
※約7300字小説です。 1.足跡 夜、残業帰りに雪道を歩いていると妙な足跡を見つけた。 その足跡は一見〈一人の人間〉が歩いた形跡のように見える。左右交互に一定間隔で踏みつけられているのだから。 しかし本当に〈一人の人間〉だろうか。 その奇妙な足跡に、僕は気温の低さとは別の寒気を感じた。 その足跡はバラバラであった。 バラバラ、というのは靴の種類が一歩一歩異なるのだ。 種類だけではない。サイズも違う。 大柄の男性サイズの右足が付いているかと思えば、次に踏み出
この短編は812文字、約2分で読めます。あなたの2分を頂ければ幸いです。 *** 「えー、明…
「最近、思わず泣いてしまったことってある? 私は、――」 この街は、散歩に向かない。 …
仕事を変えることになった。新卒採用されたが一年を待たなかった。今度は遠方だ。実家から引…
ホテルに泊まった。由比ガ浜の。 朝、起きて、テラスに出た。 海が見えた。 着替えて…
僕の中学校には、一風変わった授業がある。 「わからないもの」の時間だ。 道徳の時間を使…
奇妙な死に方が流行っている。 隣の爺さんはやせ細り、白くなり、脚が1本に統一され、頭から…
梨を買うことにしたから、お弁当は安い方にした。手の中のざらっとしている梨が妙に重く感じる。前に並ぶおばさんは、梨の何倍もの重さのカゴをレジ台に乗せて、大きくためいきをついた。ぴ、ぴ、ぴ。店員さんは息つく間もなく商品を手にとって、レジに通していく。あろうことか、手を止めないまま顔を上げて、にこやかにおばさんに話しかけ始めた。 「今年は、梅雨が長いですねぇ」 「ほんとうね、いつまで降るんだか」 おばさんは、大きく頷いて笑っている。店員さんも笑うと、髪と名札が揺れた。名札には