紅茶と蜂蜜

好きな言葉は換骨奪胎です。公募創作。129回文學界新人賞二次通過。

紅茶と蜂蜜

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  • 小説のおもちゃ箱

    掌編~短編のオリジナル創作小説をまとめました。

  • ゆるめのエッセイ

    文字通りゆるいエッセイです。その日の勢いで書いたようなもの。

  • 五年後、十年後の理想【参加記事まとめ】

  • かためのエッセイ

    エッセイの中でもお堅い話題や、強い問題意識に基づくものをまとめました。

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    私が企画した、#言葉の展覧会 の記事をまとめています。

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掌編 夜のない世界

 部屋から出られるようになった。でも、他の人の中に混じって平然と生きていけるとは思えなかった。近くのコンビニの深夜枠求人に手を挙げたのは、サメのぬいぐるみを抱きながら、来ない睡魔を待って一晩中まんじりともしないでいるのは不毛すぎるとふと思ったからで、全くの気まぐれだった。  シフトに入る時の挨拶は、「おはようございます」で統一されていた。朝の五時でも、夜の十時でも。思えば学生時代に都下のミニストップでバイトしていた時も、夕方五時に「おはようございます」と言わされていた。全国的

    • 20240415-0419日記

       今週は良く分からないことでずっと忙しかった。フルタイムで働いている人からしたらふざけるな! かもしれないが。 4月15日  友達二人とお茶。彼女らとは二か月ぶりに会う。娘と交換日記をしているという話を聞く。いつ書いてもいい、書いた内容はノートの中だけで完結させる、親は届いたらなるべくその日に返事を書いて返す、というルールだそう。心配性の上の娘にはこれがよく効き、末っ子気質の下の娘は単なる絵日記交換のようになっていると言っていた。取り入れてみることにする。仕事もする。 4

      • 信号無視おじさん

         私は土曜日の朝刊をコンビニに買いに行く習慣がある。いくつかの新聞で書評欄がある日だからだ。  一番近いコンビニはローソンで、そこのローソンでは大体朝九時前に行けば、目当ての日経と毎日が手に入る。シーツを洗ったり毛布を洗ったりして九時過ぎになってしまう日は、日曜日の読売を狙う。そんな感じでここ二、三年その習慣を続けている。  ローソンに行くには◎◎街道という別名の付いた道を渡らねばならないが、休みの日の朝は車通りが少ない。ローソンより五十メートル離れたスーパーの前の信号は押し

        • 日記 おでかけウィークと少しの苦み

           春休み後半戦。仕事がひと段落つくかと思いきや、追加で依頼があったりであまり余裕がない日々が続いているけれど、創作がひと段落したこともあり色々出かけていた。  一つ目は老舗の和菓子屋さん。歓楽街のど真ん中にある店で、名前は知っていたのだけれどあまり行ったことがなかった。その店がInstagramで積極的に販促をしていたので食べたくなり、予約しないと買えない商品を先に予約し、後から「午後になると欲しい和菓子が売り切れているかも」と思い直して和菓子も取り置きしてもらうことにした。

        • 固定された記事

        掌編 夜のない世界

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          文藝賞に出したよ日記

           タイトルの通り、第61回文藝賞に原稿を出したよ!  今回の作品は11月半ばくらいから構想しはじめて、1月末に一度原稿が出来上がったものを、大改稿して3月末にようやく出来上がったものになる。  1~3月が繁忙期なのは分かり切っていたので、今年は1月の仕事を減らして、遅くても2月中には決着を付けるというつもりで臨んだのだけれど、1月末に人に読んでもらって「これじゃあか~ん」とテーマ変更をしたので、まあ難航しましたね。ただその分、テーマははっきりしたと思うし、作品の作り込みはで

          文藝賞に出したよ日記

          20240319日記

           子供の学校が卒業式で、在校生は休みだったので、友達親子と連れ立って某テーマパークに行った。そこへは下道で行けるはずなのだが、慌てていて自宅を出る時の方向を間違えたせいでナビが妙な道を案内してきた。それでは待ち合わせより二十分遅くなってしまう。おそらくあの道だろうという道まで自力で復帰したら、そこは朝のラッシュで長い渋滞ができていた。仕方なくGoogle先生を起動。やや遠回りだが行きだけ高速を使って現地に着くと、待ち合わせ場所のコンビニに他の三組の車はまだなかった。  この

          2023新人賞賞レース振り返り

           つぶやきでも報告したのだけれど、去年の賞レースの結果が出揃ったので簡単に振り返り。  ・文學界新人賞……二次通過 (60/2120)  ・太宰治賞……一次通過(120/1401)  いや、ボウズじゃなかった今だから言えますけど、三次くらいは行きたかったな??  ……とは思うものの、まあ頑張ったよ。頑張った私。  この二作について、簡単に振り返って次につなげたい。  まず、書き上げたときの自分の感触と、賞の結果を比べてみる。書き上げた順は文學界→太宰治なのだが、文學界の

          2023新人賞賞レース振り返り

          文學界、二次通過してました。 今度は受賞報告したい。

          文學界、二次通過してました。 今度は受賞報告したい。

          日記 20240313

           前日を創作をする日にしていたのに、憂鬱なことを考えていて寝不足だったこともあって全然書けず、仕方なく仕事を先に終わらせた。だからこの日は丸々創作に割けることになった。憂鬱な気分はホルモンバランスのせいでもあったようで、朝起きたら爽快になっていた。  しかし「丸々割ける」といっても、日中学校のボランティアの仕事もあった。正直今日も休みたい気持ちがあったが、先日、このボランティアの目玉の仕事を、通勤の必要な仕事のために欠席していたので、パソコンを一旦消して学校に向かった。  

          日記 20240313

          日記 20230308

           今週はものすごく忙しかった。普段私は在宅の仕事をしているのだが、取引先に請われて、出勤の必要な仕事をしていたのだった。実際月曜日に事務所に行ってみたら、事前に頼まれた以上の量の仕事を期日内にやって欲しいという話にすり替わっていた。時給でなくて出来高払いなので、やればやるだけ手取りが増えるのでまあいいのだが、余分の仕事をするくらいなら原稿を進めたかったので何とも言えない気分になった。子供が学校から帰ってくるまでの時間しか勤務できない私は、できれば事務所外に持ち出して欲しくない

          日記 20230308

          【ご報告】太宰治賞一次通過しました!

          【ご報告】太宰治賞一次通過しました!

          日記 20240227

           今週から趣向を少し変えて、週一回、普通の日記を書いてみることにする。  というのは、その週で思ったことを書くエッセイ方式より、ある日を抜き出して描写の練習をした方が創作のためになると思ったからだ。なお、描写する過程で多少のフィクションが混じるかもしれないことは前置きしておく。 ◇ ◇ ◇  創作を書くために仕事を後ろ倒ししていたので、一日仕事の予定だった。しかし昨晩からメルカリでやり取りしていた人が私の育てていた植物を買ったので、梱包用資材を買いに行かねばならなくなった

          日記 20240227

          先週日記

           あまりに逼迫していると、その時思ったことが言葉に出ないことがある。  という訳で先週日記。 SNSで話していい話  SNSで子供のことをいつまで話していいものか問題について、ネット上の友人と話をしていた。  幼稚園児が誤解からめちゃくちゃ可愛い発言をしたとか、歩き始めたばかりの子供が、こういう可哀想で可愛い失敗をしたとかいうツイートはバズりやすい。逆に子供がこんなひどいことを言った、どうやって育児したらいいのという相談も、SNSではよく交わされる。  それらは親本人が体

          J-POPまもる君問題

           某所でこの企画に誘われたので、めちゃくちゃ久しぶりに企画に乗っかってみる。  なるべく真面目に考察してみたいけれど、雰囲気的な考察になることが想像される。またあまりエビデンスがあるものでもないので、雑な解釈としてとらえて読んでもらえるとありがたい。  企画のため有料設定にしてるけど全部無料で読めるよ! 「君を守る」歌の実態とは  「君を守る」という歌詞のついた歌が、近年一体どういうアーティストによって歌われているのか、詳細に調査してから考察に入るべきだと思って、「君を守

          有料
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          J-POPまもる君問題

          日記 20240212~0216

          創作 進まないったら進まない  進まないんですよ、これが。いや、別に記念受験だって言うんなら途中段階で送ったっていいんだけど、そうではないから困っている。  なかでも一番嫌なのが、なんらかの人間関係について書く時、それが自分の体験の域を出ないことだ。  たとえば今困ってるシーンというか設定というかが親子関係なんだけども、主人公と私は重なっている部分もあるけれど原則別人として書いている。別人なのだから、主人公の親と主人公の親子関係と、私と私の親の親子関係は違うはずなのに、自

          日記 20240212~0216

          Twitterと料理

           Twitter時代のTwitterについて書くので、Twitterという名前にする。  そんな細かいことはさておき、私が2020年までやっていたTwitterアカウントの話をする。  そのアカウントは子育てや日常のことを発信するアカウントとしてスタートした。知らない人は知らないと思うが、子育て関係のアカウントは一種のコミュニティのようになっていた。  子育て界隈はいいことも悪いこともあった。私のそのアカウントは存在しないのだから、そこであった純粋な、人とのやり取りについ

          Twitterと料理