祖母と勉学の話、あるいは身の丈の話
母方の祖父母の家は岐阜の片田舎にある。稲作とミカン栽培が盛んな地域で、ご多聞に漏れず祖父母の家も兼業農家だ。私の父方祖父母はとうに亡く、血のつながっていない継祖母は子供の目から見ても性格に問題がある人だったから、私は遠くに住む母方の祖母にとりわけ強い愛着を抱いた。
私たち子供は盆と正月しか行けなくて、秋、ミカン採りの手伝いに一人帰省する母を恨めしく思ったりもした。子供を持つ今では、農作業の手伝いをしに行くのに子供なんて連れて行ったら仕事が増えるから置いていく一択だよなあと分