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奇妙な死に方が流行っている。

隣の爺さんはやせ細り、白くなり、脚が1本に統一され、頭から豆、つま先から根が生えて死んだ。

もや死だ。

火葬場で、近所の子供が「もやし炒めだ!」と言っていて可笑しかった。

隣町では、身体が黄色く、ぶつぶつと10センチ大のブロックに別れて死んだ若者がいたらしい。

とうもろこ死だ。

もちろん、焼きとうもろこしとなって葬られた。火葬場には良いにおいが立ち込め、近所の野良猫が集まって来たらしい。

ニュースでは、銀色に輝き顎がしゃくれて死んだ「カタクチイワ死」や、赤黒くスライス状になって死んだ「ばさ死」も紹介された。

何だこれは。
ん?
全部食べ物だ。
自然による人類への復讐か、はたまた呪いか?

最近内臓が痛い。
俺の死も近づいているのか?

入院した私の元へ、子と孫が集まった。

ひとつぶひとつぶ重ねなさい
小さくてもいびつでも
いつか実り 目立たぬとも花は咲くから

どういう死に方をするかわからないが、最後に「とうもろこ詩」を詠めてよかった。

面白いもの書きます!