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Shirokane流自己紹介(その2)

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そんなこんなで二十歳過ぎでサックスを買ったものの、譜面を読むのは苦手。ましてやジャズなんかどうやったらいいか分からない。
サックスのマウスピースやリードのセッティングさえ良く分からないので、とりあえず学生時代吹奏楽をやっていた姉に、マウスピースの差し込む方向を聞いたのを覚えています。
マウスピースのくわえ方は、昔のジャズミュージシャンのCDジャケット(薬とかキマッて、結構目がラリッてたりする(笑))とか見ながら、参考にしてました。

そのうち少し吹けるようになると得意になって、もともと目立ちたがり屋な一面も手伝い、ヘタクソなのに語学学校のクラスで披露したり、ジャズ通の画家の展覧会や結婚式の後のホームパーティーなど、機会があれば臆することなくあっちでもこっちでも吹いてました…。
しかもアドリブなんかできないから、毎回CDの再生ボタンをポチッと押してそのままそっくりマネして演奏…。使うCDがジャズの名盤なもんで、ジャズ通の人に「ひえ~、君すごいバックミュージシャン連れてるね(笑)」と言われたことも…。

嗚呼、知らないとは恐ろしい。おまけにクラシックサックスのメッカ、パリのど真ん中で…。今考えると、穴を掘ってでも地中深く埋もれたい!

そんなこんなでなんとなく始めたサックス、彫刻と仕事をやりながら、適当に片手間で続けてればそのうちプロ並みにうまくなるだろうと高を括っていたのですが、やればやるほど楽器の奥深さに立ちくらみ、これは相当やらないと無理かも…、と感じるようになっていました。

その頃にはサックスと同時期に始めた内装業もすっかり板につき、自分で注文を取ってバンバンやり始めていたので、(この辺の話も本が一冊かけるほどあるので、またそのうちに。)練習時間を確保するべく、仕事が終わると脇目も振らずトットコ一直線に帰宅、適当に作った夕飯をマッハで掻き込んでブ~ブ~夜中まで練習、寝る前に見積もりと明日の仕事の準備を済ませて倒れ込むように就寝、次の朝また仕事に出掛ける…、みたいなボーダーシャツのピエールもベレー帽のフィリップも真っ青な灰色生活を送っていました。Shirokaneの青の時代です(笑)

(photo by 大洞博靖)

そんなわけで20代の10年間はほぼ全く遊ばず、娯楽は一切なし。週末は女の子とデートどころか引きこもりの吹きこもりで15時間練習、修行僧のように仕事と練習に明け暮れていたので、周りでは「Shirokaneはヤバい性病なのか?」とか、「多感な年頃で女に興味なくて、ホモセクシャルなのか?」と思っていたフランス人も…。

そんなこんなで華のキャンパスライフやらコンパやら甘酸っぱい想いとは縁がなく、ひたすら埃と汗と孤独のしょっぱ~い灰青色の青春を経たおかげで、今では演奏では一応お金を頂き、レコーディング等にも呼んでもらえるようになりました。
現在ではジャズを主に即興や現代音楽を演奏したり、コンテンポラリーダンスと共演したりと色々なことをしています。
つまり水漏れ修理からジャズまでハイパー総合マルチクリエイターということで(笑)

とまあ、今では笑える苦労話ですが、自己紹介を躊躇した一つの理由には、音楽をやって物作りや建築業もやって、みたいな何でも屋稼業の側面を紹介すると、全部中途半端なんじゃないの?と思われてしまう懸念があったからです。
いえいえ、私Shirokaneは全てにおいて全身全霊全速前進全部本気です(笑)!

確かに色々やるのは大変ですが、物作りは好きというか大切なライフワークですし、音楽一本で人にサックスを教えながらレッスン料で生きていく事も考えたのですが、おそらく向いてないでしょうね。上達しない生徒には多分イラっとしちゃう(笑)
それに現在では音楽だけでなく、物づくりで培った感覚を元に、もっと音とヴィジュアルの間のような共感覚的な表現ができないか、試行錯誤しながら舞台や音楽を作っているので、全て大切な活動の一環と言えるでしょう。

ちなみに共感覚というとあまり馴染みが無い、というか共感覚者をイメージしてしまう方も多いかと思いますが、そういう生理レベルのことではなく実はもっと身近なものだとShirokaneは考えています。こっから真面目に語りますよ~!
ふう、ちょっとコーヒータイム。

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その3へ続く


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