死角 計

作家志望。文字だけで戦うことは出来ないのか。

死角 計

作家志望。文字だけで戦うことは出来ないのか。

マガジン

  • 詩。のようなもの。

  • 「髑髏に色を塗る」

    中編第三作目。

  • 作品群

    短編やらなんやら。名刺代わり。

  • テーマ付き短文

    何か特定の単語を元に短い文章を書き連ねています。テーマを当ててみてくださると嬉しいです。

  • 「ターコイズフリンジ」

    中編第二作目。

記事一覧

ようやく「東京ヒゴロ」を読了。読み終えた感想としては、松本大洋先生はお笑い芸人ジェラードンが好きということ。

それにしてもやはり、美しい感性を持つ人の画や物語は素敵だ。綺麗事と現実の往来がたまらない。
23話と最終話の大ゴマには心を打たれる。
塩澤さんも長作さんも大好きだ。

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8日前

詩「しらゆき」

もう会えないの。もう会えないと。 分かった時にはそれほど実感は無くて。 また会いたいよ、募る想いは。 降り積もってく雪のように冷たくて。 薄氷はすぐに割れる。それ…

死角 計
2週間前
2

「ぼくのお日さま」は発表時から楽しみにしていて映画祭での数々の受賞からみても大いに期待できる作品なのだが、先日の映画鑑賞時に劇場でのマナー講座が作られていて驚いた。
何がしかのアニメ作品が担うことが多いと思うのだが、小劇場系の実写作品は珍しい気がする。
心温まる良い映像だった。

死角 計
3週間前

松田優作のスマホcmを見た。
驚きと同時に物悲しさが湧き上がった。
死者への冒涜だとか故人の尊厳破壊とまでは言わないが、生成AIなどの用途に疑問を覚える人間としては何とも言い難い。
古く凝り固まった考えと自分が一蹴されてしまう世の中が目前まで来ていると思うと恐ろしくてたまらない。

死角 計
3週間前

才能=成功 ✖️
努力=成功 ✖️
運=成功 ✖️
才能×努力×運=成功 ○

残酷。やれることはやった。以上。

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1か月前
5

創作大賞2024、一人でも多くの方に読んでいただきたいです。無名でも足掻きたい。
・希死念慮は明日の向き
・ターコイズフリンジ
・album
・首切り女学生のピアノ線とホルマリン固定
・髑髏に色を塗る
一つでも気になるものがあれば是非。

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1か月前
6

【創作大賞2024応募作品】

創作大賞2024。 どの作品も魂を込めました。原点は小学五年生から、小説を再開したのは2020年、文学に惹かれ心機一転、本気で取り組み始めたのは2022年から。必ず作家とし…

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1か月前
8

昨日は、ギリギリまで推敲を重ねて誤字脱字修正を後回しにしていたら投稿に間に合わなくなり、急いで作品を投稿しました。
審査は応募終了時点までのもので行われるので、今更の修正は意味がないのですが個人的に気になるので④以降の確認作業を最後まで行っています。
タイムマネジメントは大切。

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1か月前
4

「髑髏に色を塗る」⑦完

「ごめん、埋め合わせは必ずする。友達が大変なんだ。行ってやらないと」  木下は後藤に向かって頭を下げた。木下の後頭部を見て後藤は微笑を浮かべる。こんなことをする…

死角 計
1か月前
1

「髑髏に色を塗る」⑥

 居酒屋で柳と赤羽の二人は卓を挟んだ。普段は水で済ませることの多い柳にしては珍しい光景だ。ジョッキが三つ、うち空のものが一つある。柳が二杯目を口にするのは早いも…

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1か月前
2

「髑髏に色を塗る」⑤

 睡余に申し訳なさを感じつつ、先に起床した柳は家主に声を掛けた。シャワーは借りたが洋服は昨日のままだ。若干の不快感が皮膚に粘りつく。着心地が悪い。カーテンで遮光…

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1か月前
2

「髑髏に色を塗る」④

 足が重い。息が詰まる。淀んだ空気を吸わなければ維持出来ない生命活動に嫌気が差す。穏やかで平和主義、楽天家な和子がそんな気持ちになるのは滅多にない。今日は特別だ…

死角 計
1か月前
1

「髑髏に色を塗る」③

 木下から呼び出しを受けた土方は有楽町にあるカラオケボックスに来ていた。  何故こういう時は重なるのか。来たる渋谷での食事の日に向けて精神を統一したいというのに…

死角 計
1か月前

「髑髏に色を塗る」②

 記憶に押印されたあの美しき手を顧みる。  土方は自宅で今日の事変を反芻していた。あんなものは忘れられない。奇跡だとか運命だとかいう稚拙な言葉の使い所が今まで分…

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1か月前
4

「髑髏(しゃれこうべ)に色を塗る」①

 美しさは細部に宿る。それは物理的な意味であり、比喩的な意味でもある。  見てくれで伝わる品格は、門の入り口として最も重要だ。所作で伝わる慎重さは、軽はずみに生…

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1か月前
6

アンメット最終話。
見たかった日常。関係性の深掘り。締めくくりとしては文句なしの出来だった。
相槌の酷似からして、杉咲花と若葉竜也という二人の俳優を軸に展開したテレビドラマ。最高峰の演技・仕事の向き合い方。オチは賛否あるかも。

終盤の岡山天音さんのお辞儀の細かな演技が好き。

死角 計
2か月前
2

ようやく「東京ヒゴロ」を読了。読み終えた感想としては、松本大洋先生はお笑い芸人ジェラードンが好きということ。

それにしてもやはり、美しい感性を持つ人の画や物語は素敵だ。綺麗事と現実の往来がたまらない。
23話と最終話の大ゴマには心を打たれる。
塩澤さんも長作さんも大好きだ。

詩「しらゆき」

もう会えないの。もう会えないと。
分かった時にはそれほど実感は無くて。
また会いたいよ、募る想いは。
降り積もってく雪のように冷たくて。

薄氷はすぐに割れる。それでも美しく映る。
輝く光の中で続く儚げな記憶。
声にならない声はあなたに届くことは無くて。
音にしたところで伝える術(すべ)すら無くて。
情熱を滾らせて、音の波に変えて、奪い去った熱で辺りを凍らせて。
泣き喚きながら漕いだ、オールは既に

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「ぼくのお日さま」は発表時から楽しみにしていて映画祭での数々の受賞からみても大いに期待できる作品なのだが、先日の映画鑑賞時に劇場でのマナー講座が作られていて驚いた。
何がしかのアニメ作品が担うことが多いと思うのだが、小劇場系の実写作品は珍しい気がする。
心温まる良い映像だった。

松田優作のスマホcmを見た。
驚きと同時に物悲しさが湧き上がった。
死者への冒涜だとか故人の尊厳破壊とまでは言わないが、生成AIなどの用途に疑問を覚える人間としては何とも言い難い。
古く凝り固まった考えと自分が一蹴されてしまう世の中が目前まで来ていると思うと恐ろしくてたまらない。

才能=成功 ✖️
努力=成功 ✖️
運=成功 ✖️
才能×努力×運=成功 ○

残酷。やれることはやった。以上。

創作大賞2024、一人でも多くの方に読んでいただきたいです。無名でも足掻きたい。
・希死念慮は明日の向き
・ターコイズフリンジ
・album
・首切り女学生のピアノ線とホルマリン固定
・髑髏に色を塗る
一つでも気になるものがあれば是非。

【創作大賞2024応募作品】

創作大賞2024。
どの作品も魂を込めました。原点は小学五年生から、小説を再開したのは2020年、文学に惹かれ心機一転、本気で取り組み始めたのは2022年から。必ず作家として食べていけるよう全力で、尚且つ楽しみながら愛しながら執筆を続けていく所存です。
ぜひご一読いただけますと幸いです。

・実質的な処女作「希死念慮は明日の向き」
【オールカテゴリ部門】

https://note.com/shi

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昨日は、ギリギリまで推敲を重ねて誤字脱字修正を後回しにしていたら投稿に間に合わなくなり、急いで作品を投稿しました。
審査は応募終了時点までのもので行われるので、今更の修正は意味がないのですが個人的に気になるので④以降の確認作業を最後まで行っています。
タイムマネジメントは大切。

「髑髏に色を塗る」⑦完

「ごめん、埋め合わせは必ずする。友達が大変なんだ。行ってやらないと」
 木下は後藤に向かって頭を下げた。木下の後頭部を見て後藤は微笑を浮かべる。こんなことをする男性には出会ったことが無かった。たったこれだけのことをしてくれる男性の存在を知らなかった。
「急ぎなよ」
 後藤が木下の肩を押す。再び合った瞳の中には慈愛が宿り、聖母の眼差しを備えていた。彼女にもう辛い思いはしてほしくない。一層強くなる決意

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「髑髏に色を塗る」⑥

 居酒屋で柳と赤羽の二人は卓を挟んだ。普段は水で済ませることの多い柳にしては珍しい光景だ。ジョッキが三つ、うち空のものが一つある。柳が二杯目を口にするのは早いものだった。
「お前が酒、か」
 含みを持たせて言う赤羽。事情を聞いて年齢差の問題や心配、和子に降り掛かる責任が齎すものの大きさに同情する。既知のことであり、早いうちに諦めると踏んでいた。
 柳がここまで荒れている様子をみると、いかに本気で和

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「髑髏に色を塗る」⑤

 睡余に申し訳なさを感じつつ、先に起床した柳は家主に声を掛けた。シャワーは借りたが洋服は昨日のままだ。若干の不快感が皮膚に粘りつく。着心地が悪い。カーテンで遮光されている黄色いペイズリー模様が綿のように膨らみを見せていた。
 一度家に帰り、着替えてから大学へ出向く。そうすれば何とか講義の時間には間に合う。単位が気になるわけではなくとも欠席は避けたい。黙って出て行くことも考えたが、鍵を閉めてもらう必

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「髑髏に色を塗る」④

 足が重い。息が詰まる。淀んだ空気を吸わなければ維持出来ない生命活動に嫌気が差す。穏やかで平和主義、楽天家な和子がそんな気持ちになるのは滅多にない。今日は特別だった。それは一本の電話が掛かってきたせいだった。
 和子は離婚を経験していた。そんな和子へ元夫は半年に一度ほどの頻度で連絡を寄越した。今日は「店へ立ち寄る」とのことで、不本意だが大好きな仕事場で憂鬱な表情を浮かべてしまう。
 例年は温暖化の

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「髑髏に色を塗る」③

 木下から呼び出しを受けた土方は有楽町にあるカラオケボックスに来ていた。
 何故こういう時は重なるのか。来たる渋谷での食事の日に向けて精神を統一したいというのに。土方は不機嫌そうな顔を隠そうともしないで木下の前に鎮座している。こちらの気も知らぬ木下は呑気に世間話に現を抜かしていた。
「でさ、作戦練ってるわけ。どう? 今の俺の髪色いけてるかな」
 木下はパーマをかけた金色の頭髪を指した。檸檬のように

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「髑髏に色を塗る」②

 記憶に押印されたあの美しき手を顧みる。
 土方は自宅で今日の事変を反芻していた。あんなものは忘れられない。奇跡だとか運命だとかいう稚拙な言葉の使い所が今まで分からなかったが、あれがそうであるべきだった。
 一つの部位があれほど上品な輝きを放つとは。意識したことなどただの一度もない。白蛇を見ているかのような神々しさがあった。厳かでいて、触れたら消えてしまいそうなほど繊細で。
 土方は夢見心地で翌日

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「髑髏(しゃれこうべ)に色を塗る」①

 美しさは細部に宿る。それは物理的な意味であり、比喩的な意味でもある。
 見てくれで伝わる品格は、門の入り口として最も重要だ。所作で伝わる慎重さは、軽はずみに生きていない証左として。言葉を交わして伝わる感性は、己との距離を測る物差しとして。
 入りたくなれば、近ければ。立ち寄ってみたいと思うのが動物として自然と言えるのだろう。

 花を生ける。青々とした茎や葉は力強く生い茂る一面の緑を彷彿とさせ、

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アンメット最終話。
見たかった日常。関係性の深掘り。締めくくりとしては文句なしの出来だった。
相槌の酷似からして、杉咲花と若葉竜也という二人の俳優を軸に展開したテレビドラマ。最高峰の演技・仕事の向き合い方。オチは賛否あるかも。

終盤の岡山天音さんのお辞儀の細かな演技が好き。