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小さな祈り 大きな願い
グラスの取手をずっと握っていて 破片がキッチンにあって ずっと眺めている
示唆的な光景にして 何かしら予兆を求め
10円足りない 紙で切った指 肩がぶつかる
そんなことで次第に涙がやってくる
恐ろしいほど彼とは合っていない
好きな食事 音も 匂いも
何かを買ったところで満たされない やりきれない
ベッドの前に立って 何も感じなかった
人に見られ 「良くない」と一人責めた
人が見つめなかった足元
誰しもが幼いことをしている。
幼いこと自体が世界の生き甲斐になっている。
それは感情に起因する、およそ功利的なものを排除して残ったもの。
私たちは感情を波打たせてしか、生を体現できない。
そこに孤独や承認は介在しない。
身体は感情中毒であり、いつでも感情に飢えている。
演出することで、その感情を消費する。
そのとき、人は退行する。
人間の上位存在へと先行する努力を重ねた分、その反動として成功した後
どんなに飲んでも減らないカルピス
“いい大人になって、ワインとビールとコーヒーをやめたらどうなるのだろう”思う時が遂に来た。
この9日間、飲み物は水と牛乳だけを摂取してきたけど、時には甘いものを飲む日があったって良い。ダイエットをしているわけじゃないのだから。寧ろ筋トレが捗っている。
そんな私はいま、“どんなに飲んでも減らないカルピス“と向き合っている。ここはミスタードーナツカフェの真ん中の席で、ドーナツは全て食べ切って、それでも
【archive】danse macabre
・ 私は夜の淵に立ち、雨上がりのまだ冷ややかに濡れた道路の交差点に立ち、悲しみに暮れていた。その悲しみは友人と分かち合った、ある時を永遠に失った悲嘆によるものに在り、そこにはある女性(それは複数だったかもしれない)が介在しており、私たちはその他者の大きな元凶の元で捉えどころの最初から全く無かったものを失い、そして泣いていた。
{私たちに身にかかる「重力」というものは月のそれと同じく、言い得て表現す
【archive】私と私の為の素敵な省察
桜に雨の降る、夕陽の屋根の上で水が斑点を描く、斜陽に焼かれた屋根の持つ静かな熱にふつふつ、雨水は瞬時に熱を施られては小さく小さく蒸発する蒸気に還元され。
コーヒーを口元へ運ぶ間その三秒も経たぬうち、雨水の戯れはフロイト的な転移を圧倒的に凝縮したようなスピードを持ち、熱鉄板的屋根を冷やし、結婚式場で振る舞われるフランス料理の前菜のあらかじめ冷蔵庫で一日冷え冷えと過ごしたプレートの様相を呈していく。
【archive】白のフレーズ、灰の赤
>目を開いたかどうかも判別の難しいほどに、私は横たわっていた。五感はおよそ考え/思考という行為を巡らせる事も出来ず、甘く蕩けていた。アスファルトは縦軸だけに織られた絹糸に濡れ、私の右半身は湯で作った氷の様に音も無く、形があるのに溶けていた。<
彼女は吹き抜けのテラスで倒れ込んでいた。それは不可思議な事である。周囲は雨に篠突き曇天、16:53にはそこも夜の気配に包まれ全てが灰色に在り、テラスに並
少し大人な主人公がいなくなった日
時代は”退行し続ける空気の歯車”であって、その歯車は一生噛み合うことはない。なぜならそれらは透明であり絶対的な感触が無く、明らかに、圧倒的に空気だからだ。
私の席の周囲を眺めてみる。
①遠くでワインを片手に静かに会話を連ねている秘密めいたあの2人の恋人
②ビールを傾けることで持て余した時間を隠そうとしているtシャツの男性
③生命保険の上乗せ額を狙って電話の先の商談相手と大袈裟な会話するスー