小さな祈り 大きな願い

 グラスの取手をずっと握っていて 破片がキッチンにあって ずっと眺めている
 示唆的な光景にして 何かしら予兆を求め
 10円足りない 紙で切った指 肩がぶつかる
 そんなことで次第に涙がやってくる
 
 恐ろしいほど彼とは合っていない
 好きな食事 音も 匂いも
 何かを買ったところで満たされない やりきれない

 ベッドの前に立って 何も感じなかった
 人に見られ 「良くない」と一人責めた
 でも心は動かない
 純白の前で一生と誓った人だから

 小さな写真を現像して 記憶を辿っていて でも思い出せない
 小さな息遣い ぬくもりさえ静か
 ただ息はできなくて 次第に手が震え
 心は震えずに 手の平だけ震えていて
  
 恐ろしく彼とは会っていない
 誕生日も 結婚日も 全てが
 何かを願ったところで満たされない 個人も 世界も

 ベッドで抱かれても 何も感じなかった
 彼にみつめられて 「良くない」と二人責めた
 でも心は演じていた
 そもそも二人は他人だもの

 大きな なき声 鳥が鳴いてる
 小さな なき声 小さな命の
 大きな なき声 我慢できない
 小さな なき声 私の声を殺して

 大きな なき声 鳥が自由に
 小さな なき声 最初は愛しい
 大きな なき声 次第に大きく
 小さな なき声 私の声を殺して


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