積聚会note

積聚(しゃくじゅ)会は、気の概念を根底とする東洋思想に基づく鍼灸治療を追及し、それを積…

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積聚(しゃくじゅ)会は、気の概念を根底とする東洋思想に基づく鍼灸治療を追及し、それを積聚治療と称し、それを発展させるための団体です。 http://shakuju.com

マガジン

  • 積聚会通信

    積聚会会報の『積聚会通信』です。2024年9月号No.107よりnoteでの公開といたします。

  • 鍼灸師のための必須英語表現

    積聚会通信No.90より掲載の「鍼灸師のための必須英語表現」を掲載。英語総合即戦学校 責任者・講師 鈴木将樹氏の執筆。

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    積聚治療に関する様々なことをまとめていきます。

  • 小論・講義録 小林詔司

    『積聚会通信』に掲載された、小林名誉会長の小論や講義録を掲載します。

  • 助産と鍼灸

    『積聚会通信』バックナンバーシリーズ。月1回程度更新予定。

記事一覧

積聚会通信 No.107 2024年9月号

目次 『積聚会通信』note版発行にあたって積聚会通信編集部 小幡智春 この度は積聚会会報『積聚会通信』を御覧いただきありがとうございます。今号より紙版を廃し、note…

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6日前
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第11回 実際の治療の際に使う表現 1 / 鍼灸師のための必須英語表現

英語総合即戦学校 責任者・講師 鈴木将樹 積聚会通信 2022年3月号 No.102 掲載 前回は治療の流れを英語で説明しました。 今回は実際の治療の際に使う英語を見ていき…

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6日前

学術大会に参加しよう

積聚会会長(当時) 小林詔司  『積聚会通信』No.32 2002年9月号 掲載 現在私は 4 つの学会に所属している。全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会、日本刺絡学会、日本…

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1か月前
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任脈の捉え方 その3/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.32 2002年9月号 掲載 身体の区分 身体を陰陽で観ると次のようにいえます。 身体の前面は背面に対して…

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1か月前
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任脈の捉え方 その2/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.30 2002年5月号 掲載 小周天を意識する   息をまず十分に、ゆっくり吐きます。吸うことはあまり意識せ…

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4か月前
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助産と鍼灸(12)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲 『積聚会通信』No.13 1999年5月号 掲載 人の育ちの良さを言う時にサラブレッドに例えることがある。「血統が良い」という言葉もよく使われる…

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4か月前
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任脈の捉え方 その1/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.29 2002年3月号 掲載 任脈の位置づけ   任脈は普段あまり意識して使うことが少ない経絡です。それは何…

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5か月前
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積聚治療の”なぜ”(10)

積聚会副会長 加藤 稔 『積聚会通信』No.12 1999年5月号 掲載 2022年11月 筆者加筆修正 『東洋医学講座第十巻』の中で「五行的な施術順序は非常に重要なもの」とうた…

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5か月前
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助産と鍼灸(11)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲 『積聚会通信』No.12 1999年5月号 掲載 Vol.9、Vol.10と出生前診断について書いてみた。今回もそれを受けて引き続き考えてみたい。   私の…

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6か月前
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積聚治療のメッセージ 後編/『積聚治療』出版記念会記念講演

文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.28 2002年1月号 掲載 治療とは何か  治療家の影響が患者さんにどのように与えられているかをみようということです。   患…

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6か月前
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積聚治療のメッセージ 前編/『積聚治療』出版記念会記念講演

文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.27 2001年11月号 掲載 2001年10月8日、日本出版クラブ会館で行われた『積聚治療』(小林詔司著 医道の日本社)出版記念会の…

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1年前
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積聚治療の”なぜ”(9)

積聚会副会長 加藤 稔 『積聚会通信』No.11 1999年3月号 掲載 2022年11月 筆者加筆修正 背部兪穴に関して不思議に思うことがある。   背中を走行する膀胱経である。…

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1年前
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助産と鍼灸(10)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲 『積聚会通信』No.11 1999年3月号 掲載 前回に続き、テーマは出生前診断。今、私たち人間は30人に1人が遺伝子に関する病気をもって生まれて…

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1年前

積聚治療の”なぜ”(8)

積聚会副会長 加藤 稔 『積聚会通信』No.9 1998年11月号 掲載 2022年11月 筆者加筆修正 背部兪穴への施術は、全施術の過程で重要な要素を含んでいると教わった。   …

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1年前
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助産と鍼灸(9)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲 『積聚会通信』No.10 1999年1月号 掲載 出生前診断という言葉がある。今回はこの言葉について考えてみたい。 厚生省の専門委員会(委員長・…

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1年前
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皮膚疾患のとらえ方(4)/合宿のテーマより 

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部 『積聚会通信』No.8 1998年9月号 掲載 今回は皮膚の性状についてみてみよう。 皮膚の性状を観察するには、アトピー性皮…

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1年前
積聚会通信 No.107 2024年9月号

積聚会通信 No.107 2024年9月号

目次
『積聚会通信』note版発行にあたって積聚会通信編集部 小幡智春

この度は積聚会会報『積聚会通信』を御覧いただきありがとうございます。今号より紙版を廃し、note版での発行とさせていただきました。皆様には不便をおかけするかもしれませんが、是非ともnoteでの閲覧に慣れていただければと思っています。

『積聚会通信』No.106以前のバックナンバーにつきましては積聚会ホームページの「会員ペー

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第11回 実際の治療の際に使う表現 1 /  鍼灸師のための必須英語表現

第11回 実際の治療の際に使う表現 1 / 鍼灸師のための必須英語表現

英語総合即戦学校 責任者・講師 鈴木将樹

積聚会通信 2022年3月号 No.102 掲載

前回は治療の流れを英語で説明しました。

今回は実際の治療の際に使う英語を見ていきましょう。

まず治療を始めるには、患者さんには服を脱いで横になってもらう必要があります。その旨を伝えましょう。何かをお願いするときには Could you ~? という聞き方が丁寧です。服を脱ぐというのは take of

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学術大会に参加しよう

学術大会に参加しよう

積聚会会長(当時) 小林詔司 

『積聚会通信』No.32 2002年9月号 掲載

現在私は 4 つの学会に所属している。全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会、日本刺絡学会、日本東洋医学会であるが、そろそろ日本代替医療学会にも参加しなければならないかと思い始めている。学会とは主に鍼灸の理論的なことを追及している者の情報交換の場であるが、それ以外に身分法に基づく業に関係した団体として日本鍼灸師会、全日

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任脈の捉え方 その3/‘02 一泊研修会講義録より

任脈の捉え方 その3/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.32 2002年9月号 掲載

身体の区分

身体を陰陽で観ると次のようにいえます。

身体の前面は背面に対して陰位、任脈はもっとも陰位である。

身体の前面をさらに胸部と腹部に分け、胸部の陽位に対して、腹部は陰位である。

身体の前面は任脈で左右に分け、季肋部下縁で上下に分ける。左右は陰陽をいいにくく、逆説もある。前からみるか後か

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任脈の捉え方 その2/‘02 一泊研修会講義録より

任脈の捉え方 その2/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.30 2002年5月号 掲載

小周天を意識する
 
息をまず十分に、ゆっくり吐きます。吸うことはあまり意識せず、自由に。
 
吐き方は「あー」と1分間続くような声を出す程度の加減です。すると息が自然に入ってきます。吐く時間が延びると、入ってくる量が多くなります。
 
姿勢は立位、坐位、臥位がありますが、立位でできるようになれば一番

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助産と鍼灸(12)

助産と鍼灸(12)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲

『積聚会通信』No.13 1999年5月号 掲載

人の育ちの良さを言う時にサラブレッドに例えることがある。「血統が良い」という言葉もよく使われる。今回は何気なく使われているこれらの言葉の裏側にある問題にスポットを当てて「優生思想」というものについて考えてみようと思う。
 
今まで取り上げてきた障害児を選別する問題の根底にある、避けては通れない思想が私たちの中にひっそり

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任脈の捉え方 その1/‘02 一泊研修会講義録より

任脈の捉え方 その1/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.29 2002年3月号 掲載

任脈の位置づけ
 
任脈は普段あまり意識して使うことが少ない経絡です。それは何故かと考えると、まず任脈は陰中の陰という性質から治療の手順の最後に位置し、それまでの治療で症状が解消していれば使わないで済んでしまいます。しかしそうではない場合には治療の手順の最後に必要で、重症の患者ではとても重要になってく

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積聚治療の”なぜ”(10)

積聚治療の”なぜ”(10)

積聚会副会長 加藤 稔

『積聚会通信』No.12 1999年5月号 掲載
2022年11月 筆者加筆修正

『東洋医学講座第十巻』の中で「五行的な施術順序は非常に重要なもの」とうたい、さらに「気の不調和を整える」という観点から、背部の兪穴治療では2行線への施術を1行線の施術より優先させると論じている。

なぜ優先させるのだろうか?

『第十巻』の「背部兪穴治療」の「腹部における五臓配当」の中では

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助産と鍼灸(11)

助産と鍼灸(11)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲

『積聚会通信』No.12 1999年5月号 掲載

Vol.9、Vol.10と出生前診断について書いてみた。今回もそれを受けて引き続き考えてみたい。
 
私の鍼灸院の患者さんに二分脊椎症の人がいた。この人の障害は人工肛門に人工膀胱、多少歩行がしにくいという程度で、日常はそれほど問題は無いように見える。もちろん鍼灸に来るのだからそれなりの症状もあるし、気の偏りも当然ある。

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積聚治療のメッセージ 後編/『積聚治療』出版記念会記念講演

積聚治療のメッセージ 後編/『積聚治療』出版記念会記念講演

文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.28 2002年1月号 掲載

治療とは何か
 治療家の影響が患者さんにどのように与えられているかをみようということです。
 
患者さんは治療を受けるに当たり、まず家を出発し、治療所に着いて、治療院のベッドに上がり、治療を受けて、ベッドを下りて、帰る。こういった時間的流れがあります。治療家の立場から見ると、受付があり、治療を開始して、治療を終えて、受付

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積聚治療のメッセージ 前編/『積聚治療』出版記念会記念講演

積聚治療のメッセージ 前編/『積聚治療』出版記念会記念講演

文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.27 2001年11月号 掲載

2001年10月8日、日本出版クラブ会館で行われた『積聚治療』(小林詔司著 医道の日本社)出版記念会の当時積聚会会長の小林詔司先生の講演をまとめたものです。

1.はじめに

今日は「積聚治療のメッセージ」と題しましてお話していきたいと思います。

まず初めに、鍼灸治療といわれるものには経絡治療、中医学、奇経治療など、

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積聚治療の”なぜ”(9)

積聚治療の”なぜ”(9)

積聚会副会長 加藤 稔

『積聚会通信』No.11 1999年3月号 掲載
2022年11月 筆者加筆修正

背部兪穴に関して不思議に思うことがある。
 
背中を走行する膀胱経である。この経絡で背中にある馴染みのある名前の経穴がでてくる。
 
膀胱経1行線の肺兪をはじめとする兪の名がつく経穴である。この兪穴は十二経絡それぞれの名前が経穴名と表現されている。また、下腿の部位には兪の名がつく経穴は、井

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助産と鍼灸(10)

助産と鍼灸(10)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲

『積聚会通信』No.11 1999年3月号 掲載

前回に続き、テーマは出生前診断。今、私たち人間は30人に1人が遺伝子に関する病気をもって生まれてくる。この事をどう考えたらいいのだろうか。
 
ある遺伝性の障害者は、遺伝子の変異は、生物として当然あるもので、今、遺伝病と呼ばれているものは、将来人類が進化していく過程として必要なものであるという。
 
私たちの星の生命は

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積聚治療の”なぜ”(8)

積聚治療の”なぜ”(8)

積聚会副会長 加藤 稔

『積聚会通信』No.9 1998年11月号 掲載
2022年11月 筆者加筆修正

背部兪穴への施術は、全施術の過程で重要な要素を含んでいると教わった。
 
腹部の積に応じた選穴、そして取穴を自分の押し手の感触( 感性、感受性、硬軟、時に視覚 )で施術していく。
 
積聚治療は、腹証や病症から理論的に必要な穴を割り出すことを選穴とし、選穴に基づいて身体に施術する位置を決め

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助産と鍼灸(9)

助産と鍼灸(9)

風の子堂鍼灸院 中谷 哲

『積聚会通信』No.10 1999年1月号 掲載

出生前診断という言葉がある。今回はこの言葉について考えてみたい。

厚生省の専門委員会(委員長・古山順一 兵庫医科大学医学部教授)が12月9日、母親の血液を検査し、胎児に障害があるかどうかを確率で示す「母体血清マーカー検査」について、医師が妊婦に検査について積極的に知らせる必要もなく、検査を受けることを勧めるべきでもな

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皮膚疾患のとらえ方(4)/合宿のテーマより 

皮膚疾患のとらえ方(4)/合宿のテーマより 

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.8 1998年9月号 掲載

今回は皮膚の性状についてみてみよう。

皮膚の性状を観察するには、アトピー性皮膚炎が典型的で分かりやすい。

重症のアトピー性皮膚炎の症状は次のようにまとめられる。

皮膚が非常に厚い。 

手を近づけると火照りを感じる。

皮膚が厚いにもかかわらず患者は非常に寒がる。

表面に亀裂が入ったり赤く爛れ、

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