第11回 実際の治療の際に使う表現 1 / 鍼灸師のための必須英語表現
英語総合即戦学校 責任者・講師 鈴木将樹
積聚会通信 2022年3月号 No.102 掲載
前回は治療の流れを英語で説明しました。
今回は実際の治療の際に使う英語を見ていきましょう。
まず治療を始めるには、患者さんには服を脱いで横になってもらう必要があります。その旨を伝えましょう。何かをお願いするときには Could you ~? という聞き方が丁寧です。服を脱ぐというのは take off という動詞を使います。例えば
Could you take off your shirt and sox ?
シャツと靴下を脱いでもらえますか ?
というふうに聞きます。続いて横になってもらうわけですが、その場合には lie という動詞を使います。積聚治療の場合は仰向けにもうつ伏せにもなってもらうことになりますので、それもあわせて覚えておきましょう。 on your back で仰向け、 on your stomach でうつ伏せです。 on は「~の上に」という意味ですが「背中の上に寝る」で仰向けなので、イメージしやすいですね。
Could you lie on your back ?
仰向けに寝てもらえますか?
のように言ってみましょう。もちろん、 Please lie on your back のように Could you ~ の代わりに Please を使っても構いません。
患者さんが準備をしている間、施術室の外で待っているケースが多いと思います。準備ができたかどうか聞くには Are you ready ? と聞けばOKです。
治療に入る際に、問診票を確認して、主訴を確認すると思いますが、直接尋ねたい場合には
What seems to be the problem ?
どうなさいましたか?
という聞き方をします。これは決まり文句のようなものですが、 seems to ~ というのは元々「~のように見える」という意味です。直訳すると「何が問題のように見えますか?」という聞き方になります。 What is the problem ? でもいいのですが、ややつっけんどんな感じもありますし、何となく体の調子が悪くて、どこがとはっきり言えない患者さんもいるので、この聞き方がよく使われます。
また、鍼治療を受けたことがあるか、聞く場合もあるでしょう。その場合には、
Have you ever received acupuncture treatment ?
鍼治療は受けたことがありますか?
と聞くといいでしょう。治療のことは treatment と言いますので、覚えておくといいと思います。
初診の患者さんでなければ、前回の治療後の経過を聞いたりすると思いますので、その場合には
How is your back ?
腰の調子はどうですか?
と How is ~ ? を使って、会話を始めるといいと思います。
今回は治療開始前の会話で出てくる表現を紹介しました。次回は治療中の会話を見ていきます。