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積聚会通信 No.107 2024年9月号

目次


『積聚会通信』note版発行にあたって

積聚会通信編集部 小幡智春

この度は積聚会会報『積聚会通信』を御覧いただきありがとうございます。今号より紙版を廃し、note版での発行とさせていただきました。皆様には不便をおかけするかもしれませんが、是非ともnoteでの閲覧に慣れていただければと思っています。

『積聚会通信』No.106以前のバックナンバーにつきましては積聚会ホームページの「会員ページ」で随時公開していきます。また記事ごとに抜粋したものもnoteで公開していきますのでご覧ください。

今後とも変わらず、積聚会、積聚治療に関心を寄せていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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「積聚会セミナールーム」の設立

事務局長 横山季之

積聚会は1980年の創立以来、気の概念を根底とする東洋思想に基づく鍼灸治療を追及し、技術の研鑽、更なる治療理論や臨床的研究を行い、鍼灸の有効性を活かし広く社会に貢献することを目的とする基本理念のもと、講習を基幹として活動を進めてきました。気づけば今年で早44年の月日が経ちました。これもひとえに皆様方のご協力ご努力によって、会が尚存続していることに深く感謝いたします。

積聚会は1つの新しい会の形式を模索しているともいえます。会員は年度始め4月の登録制とし、いわば会は1年単位で動いています。

これは極力組織に人を縛り付ける方式を避け、できるだけ各人の時間を各人に自由に有効に使用してもらおうという発想から出たものです。

この発想は、積聚治療そのものがそのような発想に基づいていることから生まれたものとも言えます。つまり積聚治療は気とか陰陽の視点を背景にした治療法ですから、基本的に患者さんを病名や症状で固定化して診るということをしませんし、その動的な視点に基づいて背部兪穴への施術を治療の主眼とするという治療法です。そのため色々な動きや変化に敏感に順応できることを最も大切なことだとしています。

初期の頃は毎月1度集まって研究会を開いていましたが、その後は年2回の研究会と講習会となり、そして年1度の研究会と3部制の講習会、その後キャリアを積んでこられてきた先生方がたくさん増え、会員の層や地域が徐々に広がり第1部講習会、第2部講習会と臨床討論部会の3部制の講習会をするようになりました。

さらに年月が経って現在では、年間講習会として基礎1・2、基礎集中、応用1・2、臨床実技コースを設け、初学者から効果的に積聚治療を学べるように、基礎から応用と内容を4段階に編成し、各講習会とも鍼灸の身体への影響を実感することに重点を置き、段階に応じて臨床に生かせるものがあります。

また、積聚治療は易に発想の基礎を置いていることもあり、易経入門講座も1年を通して盛んに行われており、さらに積聚治療家としての成長を積み上げていくというものもあります。

さてかねてよりセミナーハウス設立を準備しておりましたが、このたび2024年4月1日付けで積聚会事務局の隣に「積聚会セミナールーム」を開設し発足いたしました。

これは今の積聚会の状況から生まれ出た、会員相互を結び付ける重要な場所ではないかと考えます。この場所は会員相互の情報伝達の場であることはもちろんですが、ある程度積聚治療を知っている人あるいは知らない人の双方を対象にし、積聚治療の臨床家になることを目指して勉強したい方に情報を提供する場とするつもりです。セミナーハウスの機能が安定するまでには主として年間講習会の他、数多くの研修とイベントを行っていくこととしたいと思っています。みなさんも積極的に参加していただきたいと思っています。

セミナールームでの講習会の様子

もうすでに今年度も5月より始まった年間講習会ではたくさんの会員の皆さんが、より積聚治療を追究し深めたいとセミナールームに集まって講習を受けられています。参加者からのフィードバックも反響が良く、当初から意図していた、まず積聚治療を肌で感じて学んでもらおうという目的は十分に果たせているのではないかと非常にうれしく思います。

これからもひとりでも多くの人に積聚治療を知っていただくための会運営をしていきますので、皆さんのご協力を心からお願い申し上げます。

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2024年度 積聚治療夏期セミナー報告

基礎1コース土曜クラス 助手 髙木 友子

2024年8月17、18日の2日間、浅草橋にある東京文具共和会館で、2024年度積聚治療夏期セミナーが開催されました。前日は台風による悪天候でしたが、当日は台風一過の青空で夏の暑さも戻っていました。朝の交通機関の運行状態が心配されましたが、無事開催することができました。

東京文具共和会館

これまでは鍼灸学校の学生を対象としていましたが、今年度からすでに卒業した鍼灸師の方の参加も可能となり、学生22名鍼灸師6名の合計28名の方が参加しました。中には今回初めて積聚治療に触れる方、すでに積聚会の講習会に参加し勉強している方、講習会を修了し経験を積んでいる方と幅広い層が集まりました。

まず、高橋大希先生による積聚治療の概要の講義がありました。この治療を考案した故小林詔司名誉会長の話では、東洋的思想に基づいた鍼灸治療を求めて専門学校や大学で様々なことを学んだこと、その過程でいろんな先生方やお仲間と出会い切磋琢磨した時代が語られました。そして易を東洋的思想の礎に置き、鍼灸学校の教員として実技を教える中で、自らが求めていた鍼灸治療を生み出したことがわかりました。

お昼休みを挟んで、いよいよ積聚治療の実技に入っていきます。それぞれの治療段階毎に手順とその意味を説明し、デモンストレーションを見学、質問、実習と進みました。初めは遠慮しがちだったものの、段階を追うごとに見学する距離も近くなり、積極的に質問の手が上がり、それに応えて先生方も熱心にひとりひとり丁寧にアドバイスしていました。

1日目セミナー後の懇親会では、原会長も出席し受講生20名程の参加がありました。鍼灸学校に入る前は社会人の経験がある方も多く、いろんな希望を持って新しく鍼灸師への道をチャレンジしている姿を垣間見ることができました。参加者の方も先生や同志との新しい出会いがあり、いろいろなお話ができたのではないでしょうか。

講義の様子

さて、2日目は前日に引き続き治療手順を学び、一通り基本治療ができるようになりました。受講生同士で治療する中、それぞれ課題を見つけて先生に質問し真剣に取り組んでいました。

それは臨床経験を重ねる上でも同じです。自分の課題を見つけ、自分なりの仮説を立てて患者さんに還元していく。そして患者さんの身体がその答えを教えてくれます。その中で、喜びがあり悔しさがあり内省することもあり面白さも感じます。真剣に取り組んでいるからこそいろんな感情を味わいます。こんなに一生懸命になれる仕事に出会えたことは、きっと生きる喜びに値することですし、一人ではないのでこれからも同志と一緒に歩みを進めていきましょう。

2日間助手として参加して、私自身いろんなことを感じ、思い出し、改めて勉強し直すいい機会となりました。受講生のみなさんが積聚治療を好きになる一助ができていれば嬉しいです。ありがとうございました。

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鍼灸師のための必須英語表現 第16 回

治療中の会話 5 未来の話をする時の表現

英語総合即戦学校 責任者・講師 鈴木 将樹

前回は2択を聞く質問を紹介しました。

今日は、これから先の未来の話をする時の表現を見てみましょう。未来形というとwillを使うものが有名ですが、他にもいくつか言い方があります。

① I will watch a movie this weekend.
② I am going to watch a movie this weekend.
③ I am watching a movie this weekend.

①と②と③の違いは、それがどれだけ確度が高い未来か、言い換えると、どれだけ準備や調整が進んでいるかというところになります。週末は何するんですか?と聞かれて「そうだなー決めてなかったけど、映画でも見ようかな」という感じなら①、聞かれる前にすでに友達と約束があって映画に行く予定になっているなら②、友達と約束があってチケットも押さえているような場合には③という感じになります。そこまではっきりとした使い分けがあるわけではありませんが、相手に与えるニュアンスが異なります。ちなみに②の文は、going toのところをgonnaと省略形で表すこともあります。

未来の話は、上のような未来形ではなくとも他の形で表すことも可能です。

 ④ l plan to go abroad next year.
 ⑤ I may take a day off tomorrow.

④のように現在形でありながら、動詞の性質上これからのことを表現できるものがあります。planの他にはwantやneed、hope、expectなどがあります。

⑤は助動詞を使っています。willも助動詞ですが、mayやmightも「〜かもしれない」という意味で、未来の可能性を表すことができます。また、shouldやhave to(〜しないといけない)も未来の話でも使用可能です。

英語では、雑談というと週末の話が定番です。先週末はどうだった?とか今週末の予定は?と聞かれることがよくあります。週末の予定を聞かれたら

I am going to meet my friend.
I should study English.
I want to go shopping.

のように上であげた表現をうまく使って答えてみましょう。こちらからも「治療の後は何をするんですか?」などと聞いてみるといいですね。その場合はWhat will you do after this treatment?という感じになります。

今回はここまでです。未来形をマスターして会話に活かしてみましょう!

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だれでもできる「ツボ療法」note公開

積聚会通信編集部 小幡智春

故小林名誉会長が著した『だれでもできる「ツボ療法」』は1988年7月(別冊は同年8月)に発行された本で、絶版となっていましたが、この本の噂を聞いて読んでみたいという声があり、それを受けて小林名誉会長から再販できないものかという話がありました。

出版社がなくなってしまったこともあり、どのようにしていいか逡巡していましたが、この度noteで公開させていただくことといたしました。

2024年10月頃から、複数回に分けて公開していく予定です。しばらくお待ち下さい。

だれでもできる「ツボ療法」

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今後の予定

第32回 日本刺絡学会学術大会
日程:2024年2024年9月29日(日) 
会場:タワーホール船堀(東京都江戸川区)
原オサム積聚会会長が登壇いたします

第52回 日本伝統鍼灸学会学術大会  東京大会
日程:2024年10月26日(土)・27日(日)
会場:タワーホール船堀(東京都江戸川区)
原オサム積聚会会長、積聚会講師の髙橋大希氏が登壇いたします

第19回 日本鍼灸師会 全国大会 in 福岡
日程:2024年10月26日(土)・27日(日)
会場:みらいホール&カンファレンス(福岡市)
積聚会講師の藤原典往氏が登壇いたします

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編集後記

最後までご覧いただきありがとうございました。皆さん、どのようなデバイスを使用してご覧頂いたでしょうか。よろしければ下のアンケートにお答えください。

次号は2025年3月発行予定です。引き続きよろしくお願いします。

積聚会通信編集部 小幡智春

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