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    あまり練らずに書いた、ピュアな文章たちです

  • #巨人の肩の上から

    不定期で、本や漫画やゲームやアニメなど、何かからの「引用」をもとに日記を書きます。

記事一覧

固定された記事

境界線について

先日、大学の卒業式があった。いろいろなことがあったが、この3月で、私は大学の学部生としての4年間の生活をひとまず終えることになる。 私の4年間を思い返せば、「境…

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1年前
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Davidson(2024)The economic institutions of artificial intelligence 要約

Davidson(2024)The economic institutions of artificial intelligenceアブストラクト(Abstract) 本論文は経済的制度の中における人工知能(AI)の役割について、ハー…

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4日前
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理性と感情のホーリズム

年明けのnoteで書いたが、最近は興味関心が広がって、いろいろな文献を読んだり、これまで考えてこなかったテーマについて考えたりするようになった。それもあって、インプ…

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3か月前
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2023ギリギリ滑り込み日記

今年の後半は全然noteを更新できませんでした。 学業のほうが普通に忙しかったのに加え、就職活動、単純に書きたいことが思い浮かばなかった、その他もろもろのモチベーシ…

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4か月前
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脱・「悪意モデル」論

悪者なき悪「悪意モデル」 ヒーローものの漫画には、ほぼ必ず「敵」がいる。通常、敵は「悪」として描かれる。彼らは何かしらの悪意を持っていて、善人を痛めつけたり、物…

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11か月前
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雑記

読んでいてずっとうんうん!!!!めちゃそう思う!!!ってなったツイートがあったので、勝手に日記に残しておく。 私自身、「多様性」も「マイノリティの尊重」も極めて…

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1年前
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ナッシュの定理と賞金付きジャンケン

これは飲みの場で聞いた話なので真偽の程は定かではないのですが、今年金融系の大企業に就職した私の友人は就活の面接でこんな質問をされたそうです。 「あなたは経済学部…

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1年前
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デウス・エクス・マキナとしての人工知能

人工知能は現代のデウス・エクス・マキナとなりつつある。 デウス・エクス・マキナとは、全知全能の力を持った神からの介入によって物語の展開を劇的に変える、古代ギリシ…

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平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話【学部生時代の思い出】

1. 経緯学部1年生1学期の特別授業 だんだんと寒さもやわらいできた2月末。卒業論文も無事提出し、私はあと1ヶ月で、4年間の学部生活を終えることとなります。2019年…

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自由。「開かれたドアの数」。

※先日投稿した記事『自由。「本質的に副産物である状態」』の後編です。先にそちらをお読みくださると幸いです。 もうひとつの「自由」この「後編」の作戦 実は先だって…

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自由。「本質的に副産物である状態」。

俺のアートには自由さが足りねー!なんの番組だったかは忘れてしまったが、以前テレビでお昼の情報番組を見ていたら、その中の企画で「ジャニーズのタレント◯◯が芸術に挑…

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【巨人の肩の上から #番外編】自己目的化する執筆

noteの公式から、今月中に記事を投稿しませんか?という勧告が届きました。あまり意識していませんでしたが、なんだかんだでかれこれ7ヶ月間、最低でも1ヶ月に1つは記事…

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あと15分で年が明けてしまう!!急いで何か書く

あと15分で年が明けてしまいますが、なんとしても今年(2022年)中に今年のnote投稿を振り返る記事を投稿したい男です。 今年は、「巨人の肩の上から」などという無駄…

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1年前
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「ギフテッド」支援、その気持ち悪さ

※本投稿はかなり怒った論調で書かれており、やや過激な主張を含みます。怒りのこめられた文章に耐性のない方は読むことをお勧めしません。 政府は来年から「ギフテッド」…

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なんとなくわかる経済学の「効用」(兼:あらB.fm Ep.71の内容の訂正)

あらB.fm Ep.71出演時の反省点本記事は、あらBさん(@ark_B)の主催するじゆうちょうアドベントカレンダー2022に、昨年度に続き寄稿させていただくための投稿です。いつも…

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【巨人の肩の上から #12】-熱よりも光を

※本noteは特定の個人・団体・主張などを直接的に攻撃・否定することを意図して書かれたものではありません 名画にトマトスープをぶっかける!? 最近、ヨーロッパで「環…

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境界線について

境界線について

先日、大学の卒業式があった。いろいろなことがあったが、この3月で、私は大学の学部生としての4年間の生活をひとまず終えることになる。

私の4年間を思い返せば、「境界線」というキーワードが常に関わっていた気がする。大学1年生の教養科目ではいろいろな授業を取っていた。例えば古典関係の授業で逢坂の関について調べたことがあった。「関所」は、道と道の境界線だし、こと逢坂の関は京都の中と外を隔てる特に重要な境

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Davidson(2024)The economic institutions of artificial intelligence 要約


Davidson(2024)The economic institutions of artificial intelligenceアブストラクト(Abstract)

本論文は経済的制度の中における人工知能(AI)の役割について、ハーバート・サイモンの解釈に基づく限定合理性(bounded rationality)の観点から考察をしたものである

AIはその膨大なデータ処理能力や分析・予測能力

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理性と感情のホーリズム

理性と感情のホーリズム

年明けのnoteで書いたが、最近は興味関心が広がって、いろいろな文献を読んだり、これまで考えてこなかったテーマについて考えたりするようになった。それもあって、インプットのほうが混沌としてきたので、そろそろアウトプットをしてきちんと整理をしたいと思った。

特に自分の中で、さまざまな新しい学びを経て変わったと思うのは「感情」というものの捉え方だと思う。コテコテのひよっこ経済学徒だった頃(もはや遥か昔

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2023ギリギリ滑り込み日記

2023ギリギリ滑り込み日記

今年の後半は全然noteを更新できませんでした。

学業のほうが普通に忙しかったのに加え、就職活動、単純に書きたいことが思い浮かばなかった、その他もろもろのモチベーションの不足に対する言い訳が挙げられますが、半分以上は怠惰です。

ちょうど1年前も駆け込みで投稿をしましたが、今年も結局こうなってしまいました。人というのは1年経ってもあまり進歩しないですね。来年こそはもうすこしnoteも頑張りたいの

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脱・「悪意モデル」論

脱・「悪意モデル」論

悪者なき悪「悪意モデル」

ヒーローものの漫画には、ほぼ必ず「敵」がいる。通常、敵は「悪」として描かれる。彼らは何かしらの悪意を持っていて、善人を痛めつけたり、物を盗んだり、街を破壊したりする。

「悪意を持った悪人(あるいは悪の組織)がいて、その人物(組織)が原因で悪いことが起こっている」という構図は、とてもわかりやすい。そこに複雑なメカニズムはなく、だからこそ「正義の味方」による勧善懲悪が達成

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雑記

読んでいてずっとうんうん!!!!めちゃそう思う!!!ってなったツイートがあったので、勝手に日記に残しておく。

私自身、「多様性」も「マイノリティの尊重」も極めて大事な話だと思っているけれども、(特にアメリカの)キャンセルカルチャーのようないわゆる「ポリコレ」話にはどうもついていけないなと思うこともしばしばある。

(勝手な解釈だけど、)このツイート主の問題提起はこう言い換えることができるではない

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ナッシュの定理と賞金付きジャンケン

ナッシュの定理と賞金付きジャンケン

これは飲みの場で聞いた話なので真偽の程は定かではないのですが、今年金融系の大企業に就職した私の友人は就活の面接でこんな質問をされたそうです。

「あなたは経済学部出身ということですが、大学で習った経済学の理論や定理等のなかで一番好きなものは何ですか?」

私はいわゆる就活質問(「学生時代に力を入れたことは?」とか、「あなたの強みは何ですか?」とか)には何も答えが思い浮かばず、それが原因の一部で就職

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デウス・エクス・マキナとしての人工知能

デウス・エクス・マキナとしての人工知能

人工知能は現代のデウス・エクス・マキナとなりつつある。

デウス・エクス・マキナとは、全知全能の力を持った神からの介入によって物語の展開を劇的に変える、古代ギリシャの演劇における技法である。人工知能がデウス・エクス・マキナとなることは、つまり人間の知性の模倣物であるはずのAI技術が、人間には解決不能な問題に対しても圧倒的な「正しさ」をもたらす存在として扱われる傾向があることを意味する。

人工知能

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平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話【学部生時代の思い出】

平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話【学部生時代の思い出】


1. 経緯学部1年生1学期の特別授業

だんだんと寒さもやわらいできた2月末。卒業論文も無事提出し、私はあと1ヶ月で、4年間の学部生活を終えることとなります。2019年の4月に入学をしてから、振り返ってみればコロナ禍の影響もありあまり大きなイベントもない大学生活でしたが、それでもいくつか楽しい思い出は存在します。もう4年近く前のことですが、今回は私の大学時代の思い出の一つとして、大学1年生の春に

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自由。「開かれたドアの数」。

自由。「開かれたドアの数」。

※先日投稿した記事『自由。「本質的に副産物である状態」』の後編です。先にそちらをお読みくださると幸いです。

もうひとつの「自由」この「後編」の作戦

実は先だっての記事(『自由。「本質的に副産物である状態」』、以下、「前編」)では、私はズルをしている。前編の前半では、私はプロの芸術家と初心者の男性アイドルの芸術対決のエピソードを提示し、あの時「自由」を有していたのは男性アイドルの方だったと主張し

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自由。「本質的に副産物である状態」。

自由。「本質的に副産物である状態」。

俺のアートには自由さが足りねー!なんの番組だったかは忘れてしまったが、以前テレビでお昼の情報番組を見ていたら、その中の企画で「ジャニーズのタレント◯◯が芸術に挑戦!」のようなものがあった。内容としては①ある男性アイドルが、SNS上で人気のあるプロの芸術家から簡単な指導を受ける ②実際に作品を制作してみる ③スタジオに二つの作品が運び込まれてきて、どちらがプロの作品でどちらがそのアイドルの作品かを他

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【巨人の肩の上から #番外編】自己目的化する執筆

【巨人の肩の上から #番外編】自己目的化する執筆

noteの公式から、今月中に記事を投稿しませんか?という勧告が届きました。あまり意識していませんでしたが、なんだかんだでかれこれ7ヶ月間、最低でも1ヶ月に1つは記事を公開するというペースを守って投稿をしていたようで、それが1月31日までに新しいものを書かないと途絶えてしまいますよ!とのことです。

この通知を見て、「これは確かに、ここで毎月投稿を途絶えさせてしまったら残念だ。なにか月末までに、人様

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あと15分で年が明けてしまう!!急いで何か書く

あと15分で年が明けてしまう!!急いで何か書く

あと15分で年が明けてしまいますが、なんとしても今年(2022年)中に今年のnote投稿を振り返る記事を投稿したい男です。

今年は、「巨人の肩の上から」などという無駄に形式的なタイトルをつけて、noteの執筆活動を頑張った気がします。読み返してみると、ああ、あの時はこんなことを考えていたのだなあということを振り返れてとてもいい感じです。今年は国際情勢でかなり衝撃的な出来事が続きましたが(一番関連

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「ギフテッド」支援、その気持ち悪さ

「ギフテッド」支援、その気持ち悪さ

※本投稿はかなり怒った論調で書かれており、やや過激な主張を含みます。怒りのこめられた文章に耐性のない方は読むことをお勧めしません。

政府は来年から「ギフテッド」、すなわち「特異な才能がある子ども」の支援に乗り出すらしい。このニュースを目にした時、心の底からモヤモヤが湧いてきた。このモヤモヤの正体は何なのか。なぜ自分はこれに対してここまで不快感、怒り、絶望を覚えるのか。すぐには言語化ができなかった

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なんとなくわかる経済学の「効用」(兼:あらB.fm Ep.71の内容の訂正)

なんとなくわかる経済学の「効用」(兼:あらB.fm Ep.71の内容の訂正)

あらB.fm Ep.71出演時の反省点本記事は、あらBさん(@ark_B)の主催するじゆうちょうアドベントカレンダー2022に、昨年度に続き寄稿させていただくための投稿です。いつもお世話になっております!

さて、今年の8月と12月に、あらBさんが更新していらっしゃるポッドキャスト番組、あらB.fmに出演しお話させていただく機会がありました(Ep.71 Mainstream and Hetero

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【巨人の肩の上から #12】-熱よりも光を

【巨人の肩の上から #12】-熱よりも光を

※本noteは特定の個人・団体・主張などを直接的に攻撃・否定することを意図して書かれたものではありません

名画にトマトスープをぶっかける!?

最近、ヨーロッパで「環境活動家」による、美術館の展示絵画を標的とした抗議活動が起こっているというニュースを頻繁に目にするようになりました。実際のところガラスの保護ケースで厳重に守られている絵画自体に被害はないとはいえ、一人の絵画ファンとしてはモネやゴッホ

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