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    あまり練らずに書いた、ピュアな文章たちです

  • #巨人の肩の上から

    不定期で、本や漫画やゲームやアニメなど、何かからの「引用」をもとに日記を書きます。

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境界線について

先日、大学の卒業式があった。いろいろなことがあったが、この3月で、私は大学の学部生としての4年間の生活をひとまず終えることになる。 私の4年間を思い返せば、「境界線」というキーワードが常に関わっていた気がする。大学1年生の教養科目ではいろいろな授業を取っていた。例えば古典関係の授業で逢坂の関について調べたことがあった。「関所」は、道と道の境界線だし、こと逢坂の関は京都の中と外を隔てる特に重要な境界線だった。また、政治学の授業で日韓関係(特に両国の間の歴史問題)について調べる

    • 理性と感情のホーリズム

      年明けのnoteで書いたが、最近は興味関心が広がって、いろいろな文献を読んだり、これまで考えてこなかったテーマについて考えたりするようになった。それもあって、インプットのほうが混沌としてきたので、そろそろアウトプットをしてきちんと整理をしたいと思った。 特に自分の中で、さまざまな新しい学びを経て変わったと思うのは「感情」というものの捉え方だと思う。コテコテのひよっこ経済学徒だった頃(もはや遥か昔)は、人間は感情を捨て去って、もっと理性的に物事を考えるべきだと素朴に信じていた

      • 2023ギリギリ滑り込み日記

        今年の後半は全然noteを更新できませんでした。 学業のほうが普通に忙しかったのに加え、就職活動、単純に書きたいことが思い浮かばなかった、その他もろもろのモチベーションの不足に対する言い訳が挙げられますが、半分以上は怠惰です。 ちょうど1年前も駆け込みで投稿をしましたが、今年も結局こうなってしまいました。人というのは1年経ってもあまり進歩しないですね。来年こそはもうすこしnoteも頑張りたいのですが、来年は修士論文の提出というラスボスが待ち構えているので今年以上に厳しいか

        • 脱・「悪意モデル」論

          悪者なき悪「悪意モデル」 ヒーローものの漫画には、ほぼ必ず「敵」がいる。通常、敵は「悪」として描かれる。彼らは何かしらの悪意を持っていて、善人を痛めつけたり、物を盗んだり、街を破壊したりする。 「悪意を持った悪人(あるいは悪の組織)がいて、その人物(組織)が原因で悪いことが起こっている」という構図は、とてもわかりやすい。そこに複雑なメカニズムはなく、だからこそ「正義の味方」による勧善懲悪が達成されれば、起こっていた悪いことも全て消え去ってめでたしめでたし、で片付けることが

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          雑記

          読んでいてずっとうんうん!!!!めちゃそう思う!!!ってなったツイートがあったので、勝手に日記に残しておく。 私自身、「多様性」も「マイノリティの尊重」も極めて大事な話だと思っているけれども、(特にアメリカの)キャンセルカルチャーのようないわゆる「ポリコレ」話にはどうもついていけないなと思うこともしばしばある。 (勝手な解釈だけど、)このツイート主の問題提起はこう言い換えることができるではないだろうか 「白人男性」=「マジョリティの表象」になっているという状況、普通に思

          ナッシュの定理と賞金付きジャンケン

          これは飲みの場で聞いた話なので真偽の程は定かではないのですが、今年金融系の大企業に就職した私の友人は就活の面接でこんな質問をされたそうです。 「あなたは経済学部出身ということですが、大学で習った経済学の理論や定理等のなかで一番好きなものは何ですか?」 私はいわゆる就活質問(「学生時代に力を入れたことは?」とか、「あなたの強みは何ですか?」とか)には何も答えが思い浮かばず、それが原因の一部で就職活動をドロップアウトしてしまったのですが、そんな私にとってもこの質問はかなり面白

          ナッシュの定理と賞金付きジャンケン

          デウス・エクス・マキナとしての人工知能

          人工知能は現代のデウス・エクス・マキナとなりつつある。 デウス・エクス・マキナとは、全知全能の力を持った神からの介入によって物語の展開を劇的に変える、古代ギリシャの演劇における技法である。人工知能がデウス・エクス・マキナとなることは、つまり人間の知性の模倣物であるはずのAI技術が、人間には解決不能な問題に対しても圧倒的な「正しさ」をもたらす存在として扱われる傾向があることを意味する。 人工知能は、その性質上、膨大な情報を高速で処理し、その情報からパターンを抽出することがで

          デウス・エクス・マキナとしての人工知能

          平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話【学部生時代の思い出】

          1. 経緯学部1年生1学期の特別授業 だんだんと寒さもやわらいできた2月末。卒業論文も無事提出し、私はあと1ヶ月で、4年間の学部生活を終えることとなります。2019年の4月に入学をしてから、振り返ってみればコロナ禍の影響もありあまり大きなイベントもない大学生活でしたが、それでもいくつか楽しい思い出は存在します。もう4年近く前のことですが、今回は私の大学時代の思い出の一つとして、大学1年生の春に、平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話について書かせて

          平安時代の人の気分を味わうために、逢坂の関から京都まで歩いた話【学部生時代の思い出】

          自由。「開かれたドアの数」。

          ※先日投稿した記事『自由。「本質的に副産物である状態」』の後編です。先にそちらをお読みくださると幸いです。 もうひとつの「自由」この「後編」の作戦 実は先だっての記事(『自由。「本質的に副産物である状態」』、以下、「前編」)では、私はズルをしている。前編の前半では、私はプロの芸術家と初心者の男性アイドルの芸術対決のエピソードを提示し、あの時「自由」を有していたのは男性アイドルの方だったと主張した。このときに私が犯したズルとはなにか。それは、「自由」の恣意的な定義づけである

          自由。「開かれたドアの数」。

          自由。「本質的に副産物である状態」。

          俺のアートには自由さが足りねー!なんの番組だったかは忘れてしまったが、以前テレビでお昼の情報番組を見ていたら、その中の企画で「ジャニーズのタレント◯◯が芸術に挑戦!」のようなものがあった。内容としては①ある男性アイドルが、SNS上で人気のあるプロの芸術家から簡単な指導を受ける ②実際に作品を制作してみる ③スタジオに二つの作品が運び込まれてきて、どちらがプロの作品でどちらがそのアイドルの作品かを他の出演者がクイズ形式で当てる といった流れだったのだが、クイズの正解発表の後がお

          自由。「本質的に副産物である状態」。

          【巨人の肩の上から #番外編】自己目的化する執筆

          noteの公式から、今月中に記事を投稿しませんか?という勧告が届きました。あまり意識していませんでしたが、なんだかんだでかれこれ7ヶ月間、最低でも1ヶ月に1つは記事を公開するというペースを守って投稿をしていたようで、それが1月31日までに新しいものを書かないと途絶えてしまいますよ!とのことです。 この通知を見て、「これは確かに、ここで毎月投稿を途絶えさせてしまったら残念だ。なにか月末までに、人様に公開できるような文章を1本書かなくては」という気持ちになりnoteの下書き画面

          【巨人の肩の上から #番外編】自己目的化する執筆

          あと15分で年が明けてしまう!!急いで何か書く

          あと15分で年が明けてしまいますが、なんとしても今年(2022年)中に今年のnote投稿を振り返る記事を投稿したい男です。 今年は、「巨人の肩の上から」などという無駄に形式的なタイトルをつけて、noteの執筆活動を頑張った気がします。読み返してみると、ああ、あの時はこんなことを考えていたのだなあということを振り返れてとてもいい感じです。今年は国際情勢でかなり衝撃的な出来事が続きましたが(一番関連してる投稿はこれとか?)、こういう年に、21歳という年齢の自分がどんなことを感じ

          あと15分で年が明けてしまう!!急いで何か書く

          「ギフテッド」支援、その気持ち悪さ

          ※本投稿はかなり怒った論調で書かれており、やや過激な主張を含みます。怒りのこめられた文章に耐性のない方は読むことをお勧めしません。 政府は来年から「ギフテッド」、すなわち「特異な才能がある子ども」の支援に乗り出すらしい。このニュースを目にした時、心の底からモヤモヤが湧いてきた。このモヤモヤの正体は何なのか。なぜ自分はこれに対してここまで不快感、怒り、絶望を覚えるのか。すぐには言語化ができなかった。 とりあえず思ったことをここに書き出して、自分が「ギフテッド支援」の何が問題

          「ギフテッド」支援、その気持ち悪さ

          なんとなくわかる経済学の「効用」(兼:あらB.fm Ep.71の内容の訂正)

          あらB.fm Ep.71出演時の反省点本記事は、あらBさん(@ark_B)の主催するじゆうちょうアドベントカレンダー2022に、昨年度に続き寄稿させていただくための投稿です。いつもお世話になっております! さて、今年の8月と12月に、あらBさんが更新していらっしゃるポッドキャスト番組、あらB.fmに出演しお話させていただく機会がありました(Ep.71 Mainstream and Heterodox、Ep.78 What are we born for and what

          なんとなくわかる経済学の「効用」(兼:あらB.fm Ep.71の内容の訂正)

          【巨人の肩の上から #12】-熱よりも光を

          ※本noteは特定の個人・団体・主張などを直接的に攻撃・否定することを意図して書かれたものではありません 名画にトマトスープをぶっかける!? 最近、ヨーロッパで「環境活動家」による、美術館の展示絵画を標的とした抗議活動が起こっているというニュースを頻繁に目にするようになりました。実際のところガラスの保護ケースで厳重に守られている絵画自体に被害はないとはいえ、一人の絵画ファンとしてはモネやゴッホの名画にマッシュポテトやトマトスープがかけられている映像を見るのはやはり心が痛み

          【巨人の肩の上から #12】-熱よりも光を

          【巨人の肩の上から #11】-あたたかな心で

          ※この文章は、1年半ほど前に私の古いアカウントで投稿した文章をもとに(大部分をコピペして)こちらのアカウントで再投稿したものです。もとの投稿はこちら 死刑は廃止するべきでしょうか? これは頻繁に話題になる(そして大体の場合立場が二分化し、両陣営の平行線で議論が終わってしまう)議論です。最初に述べておきますが、この文章で私は日本は死刑を廃止すべきという主張も、死刑制度は存続すべきという主張もするつもりはありません(意見がないわけではないが、それをここで表明しても…という次第

          【巨人の肩の上から #11】-あたたかな心で